過去1
俺ボクがまだ6歳の時。
婚約者を探すパーティで一目惚れした人がいた。
身長はボクさほど変わらない周りには人がいっぱい集まり、みんな笑っていた。
明るくて優しくておしゃべり上手。
それが最初の印象だった。
「ほら、ナミキも誰かに話しかけるんだぞ。」
「はい。」
ボクは迷わずその子の元へ向かった。
「あの、お名前教えてください。」
「あっ、オレですか?」
「はい。」
「オレはユキヤ・リーグレッドです。」
「ボクはナミキ・リースです。ユキヤ様の周りには、たくさん人があつまっていてすごいですね。」
「そんなことないですよ。」
そう言ってニコッと笑う笑顔は、太陽のように眩しくてボクの心を簡単に射止めた。
この頃はまだわからなかった。
同性に抱くこの恋心が周りとは違っていることを……。
ユキヤさんは色々な話をしてくれた。失敗したことや褒められたこと、怖かったことや楽しかったこと。
そのどれもがほんとに面白くて、楽しくて、ユキヤさんのそばにいると自然と笑顔になる。
婚約するならユキヤさんがいいな。
そう思い、パーティが終わるまでユキヤさんの近くにいた。
「誰かいい人を見つけたか?」
父様は優しく問いかける。ボクもその問いに笑顔で答えた。
「ユキヤさん!」
父様少し悩んだ表情をすると、優しく笑いかけた。
「男の子ではなく女の子だよ。」
頭にハテナマークが浮かんだ。なんで女の子なんだろう。
「いなかったです。」
「そうか。また、次の機会だな。」
「……はい。」
なんでだろう。ユキヤのこと好きなのに、なんで……。
また、次のパーティーに呼ばれた。
父様は女の子が集まっている場所に、連れて行った。
「ご歓談中すみません。私の息子のナミキを混ぜていただいてもよろしいですか?」
「ええ、かまいませんわ。」
「はい。どうぞ……。」
「いいですよ。」
「すみません。」
「わたくしはマリナと申します。」
「わ、私はアイリ、です。」
「私、サイ。」
ぺこりと頭をさげて会話に入った。
お嬢様方は化粧品の話や最近あったことなどを話していて男とは違う目線だなと感じた。
「ナミキ様は誰か気になりますか?」
マリナ様はストレートに聞いてきた。
ボクは何も答えられずに無言でいる。マリナはふっと笑って、その場を去ってしまった。
あと2人も、その後について行ってしまう。
ボクはどう言ったら良かったんだ。
父様がボクにゆっくり近づいてくる。
「どうだった?誰か見つけられたか?」
「いえ……」
「そうか……。」
父様は悲しそうな顔をした後、優しく笑いかけて「また、次がある。」と言ってくれた。
でも、その言葉が辛く感じてきた。
「ボク、行きたくありません。」
驚く父様を置いて、先に歩き出した。




