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転生したら第四王子だったので悪役令嬢をハッピーエンドにします  作者: 春香 光
第二王子ナミキ・リース
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苦しい

 突然、息が苦しくなり意識が戻った。


 だが、状況は変わらない。


 何が起こっているのかが全く理解できない。

 視界はぼんやりとして、息が苦しい。


 呼吸を吸おうにもなにかに塞がれている。


 このままじゃ、また……


 


「ユウキ兄さん。何してるの。……アイラ死ぬよ」


「ナミキ!俺の手をアイラから離して。お願い。」


「わかった。」


 遠くからそんなやり取りが聞こえる。


俺、もう……。


「がはっ、っゲホッ、ケホケホ、ぜぇ、はぁ、ヒューヒューヒュー、ユ、ウキ、さっ、」


「あ、アイラ。ごめん」


 徐々に意識がはっきりする。目の前には涙を流すユウキ。ドアの前には、ナミキがたっていた。表情は読めない。


 「ごめん、アイラ、ごめんなさい……」


 それだけ言い残すと俺に背を向けて去っていった。


「ヒューヒュー、ユウ、キ、さっ」


「どうせお前がなにか言ったんだろ。」


 ナミキさんは俺を心配する素振りが全くなく、逆に睨んできたくらいだ。


「ケホッケホッ、ケホッ」


「ふんっ。」


 腕組みをして俺はエラいぞオーラを出している。


 喋れない。喉が痛くて、咳も止まらない。


「ケホッケホッ」


「……」


 ナミキさんは俺の方に水を近づけてからこの部屋を去っていった。


 実はいい人?確か設定ではツンデレって書いてあったっけ。


 それに、無口な割によくしゃべる。


 しばらくの間、せきが止まらなくて苦しかったが、だいぶ治まってきた。


 近くに置いてもらった水を何口か飲み、今の状況を整理する。


 俺は多分、セレーナを助けようとして倒れた。


 息が吸えなくて苦しくて意識が戻ってきた。でも、ぼやけていたし、耳は遠くなっていたからあまり分からなかった。


 目の前にいたユウキさんの苦しそうな顔があり、名前を呼んだら謝られて部屋から去ってしまった。


 それで、ドアの前にいたナミキさんは口調はキツかったけど、いい人っぽいってとこか。


「大丈夫っすか!?アイラくん!!」


 必死な形相の四季が俺の両肩に手をおき、あちこちと心配そうに見ている。


「なんとか」


 そう答えるとホッとしたように俺から離れた。でも、心配そうな顔はそのまま。


「良かったっす!僕、あの後ずっとあたふたして何も出来なかったっすから。」


「えっ、四季が助けてくれたんじゃないのか?」


「はい、助けたのはナミキっす。」


「そうなのか。ユウキさんの様子が気になるけど、今はあまり近くにいない方がいいのかもしれないな。今度はナミキに接触してみるか。」


「はい。僕が案内するっす。」


「でも、しばらくは無理そう。……でもここ、俺の部屋じゃないよな。」


「はい。ここはユウキの部屋っす。」


「それじゃあ、ユウキさんの場所を奪ってしまってるな。どうするかな……」


「僕が運ぶっすよ。」


「えっ?」


「だーかーらー、部屋まで運ぶっすよ。」


「いいのか!」


「はい!」


 その返事通り、俺を軽くヒョイッと持ち上げ、部屋に送ってくれた。


「ありがとな。」


「おやすいごようっすよ!」


ニコニコと笑う四季は忠犬みたいだ。


 ……さて、この後どうするか。


 


 


 

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