過去編4
それから毎日。サクラ王女は花壇を見に来てくださるようになった。俺の逃げ場は出会いの場になった。
「このお花キレイです。私、ピンク色のお花が好きなんです。」
キラキラとした瞳でお花を嬉しそうにながめる。
「そうなんですか。サクラ王女の瞳の色もピンク色でキレイですよ。ここの花壇はあまり人が来ないのでお気に入りの場所なんです。花はキレイで心が癒されるような気がします。」
「なにか理由があるんですか?あっ、その、言いたくないのなら大丈夫です。」
「いえ、言わせてください。」
心配そうに俺の顔を見つめる。俺はゆっくりと深呼吸をしてから話した。
「実は……セレーナのことで少し悩んでいまして、婚約者を決めるパーティーでセレーナはほかの令嬢にいじめられていて、俺は助けたいと強く思いその時だけ自分を変えることができて、俺が婚約をしたいとセレーナに言ったんです。でも、セレーナも変わってしまったんです。変わることはいいことですが他の令嬢をいじめるようになってしまって。」
「そうなんですか。なにか訳があるのではないでしょうか?」
「俺もそう思い聞いてみましたが、言いたがらないのです。」
「私が聞いてきましょうか?」
「サクラ王女になにかあったら俺の心臓が持ちません。」
「大丈夫ですよ。セレーナ様もなにか悩んでおられるのかもしれませんから。」
「サクラ王女はお優しいですね。」
昔のセレーナを思い出し涙が込上げるのを必死に耐えていた。
その数日後。
サクラ王女はセレーナに話しかけてくださった。どういう会話をしたのかは分からない。
ただ分かるのはセレーナがサクラ王女に手を出したことだ。
普通なら処刑になるはずだったが、サクラ王女のはからいで取り消しとなった。このことを聞き、さすがの俺も怒りが募る。
「セレーナ!」
俺の性格上大きな声を出すことはあまりない。
あの時以来だ。
「なんですか?ユウキ様。そんな怖い顔をしないでください。」
「セレーナ、サクラ王女に手を出したのは知っているよ。なんでそんなことをしたの。」
「私はそんなことしていません。」
「でも、サクラ王女に手を出したってそれにサクラ王女のはからいで処刑が取り消しになったのではないの?」
頭に?を浮かべているとセレーナは瞳に涙を浮かべそのまま俺の前から去っていった。
「セレーナ!」
小さくなっていく後ろ姿に俺の不甲斐なさを悔やむ。
サクラ王女が嘘をつくはずがない。その前にこの話のでどころすら知らない。
何も根拠がないのにせれーなをせめてしまったのか。すべては嘘だった?……
どうしたらいいのか悩み、頭をリフレッシュさせようと服を買いに学園から出たとき。
「あの、少し時間あります?」
金髪のチャラそうな男が話しかけてきた。どこかで見たような顔だなと思ったがとりあえずおいておいて。
「はい、大丈夫ですよ。何かご用件でも?」
「っす。セレーナ様の件で」
「はい?」
「ここでサクラ王女に手を出したんです。」
「そ、その話は本当ですか?」
「っす。その時はあまり人通りがなくて見ていた人はすくないんす。でも、確実に」
「そう、だったのか。」
じゃあ、あの態度は何だったんだろう。
「じゃ、失礼。」
チャラそうな男は去っていった。
真実を知った今セレーナとの婚約も真剣に考えないとだな。




