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闇を纏う世界1

「えっ、なに?」


 ユウキが外に出た瞬間に空が闇色に染まる。

 人々の悲鳴や怒号が飛び交う中、ただ一人笑っている者がいた。


「ククッ、クククッ、その調子だ。俺に精神を食わせてくれ!」


 家の僅かな光に照らされたユウキの体にどす黒く、その光を通さない闇を纏っていた。


「こ、これが闇魔法なの……」


 近場にいると背筋がゾクゾクする。

 今まてま感じたことの無い。言葉で表せない何かが私の中で恐怖として現れる。


「ククッ、……ここに俺あり!」


 笑いながら下を向き、顔を勢いよく上にあげたと思ったら、みんなに聞こえるような声量で叫ぶ。


 その言葉を聞くなり、そばにいたものから順番にユウキに列を作る。


「ありがとうございます。……あべ、ぶぶ」


「ありがとな。……あー、やー」


「ありがとっす。……んば、んべべ」


 皆がユウキに全てを捧げるように両手を前へ出す。その表情は終始幸せそうであった。

 絶望の顔してないのにいいのか。


 改めてよく見てみる。

 精神を食われた瞬間の一瞬の間に目を大きく広げ苦しそうな顔、恐怖の顔、悔しい、悲しい、辛いとそれぞれ違った絶望があった。


 これなのか……。


「うんうん、中々上物だ。力が湧いてくる。クククッ」


「私が望む世界はこんな世界なんだよ、な……」


 ――――――――


 ご飯を持って部屋に戻ると、少し拗ねた顔で毛布にぬをぐるぐる巻きにしてるアオイがいた。


「なにやってるんだよ。」


「お前が教えてくれないから、寒いまま寝ろよ」


 また、かわいいことをするな。


「ふふっ」


「なんだよ。本当に寒いまま寝かせぞ。」


「いや、ちょっと面白くてな。」


「もう知らねーぞ。」


「いや、悪かった。ほら、ご飯だぞ。」


 ちょっとした机を出してそこで2人で食べる。

 そんなのほほんとした日常が急に一変した。


 部屋が部屋も外も一瞬で真っ暗になった。

 夜という感じでは無い。

 どちらかと言うと闇だ。


 壁を伝いどうにか電気をつけて外を見る。

 空にはあのキレイな月がなかった。


「アオイはここにいて、俺はみんなの所に行く。」


「いや、俺も着いてく。ひとりじゃ危険だ。」


 アオイの言ってることは確かに今の状況を考えるとそう思う。


「絶対に離れるなよ。人にバレそうになったらどこかに隠れること。いいな?」


「わかってる。」


 俺はタンスの中に入っている懐中電灯を取り、アオイと共に部屋から出ていく。


 徐々に目が慣れていき、なんとなく間取りがわかり始めた頃。

 ナミキさんの部屋に着いた。


 コンコン


 ゆっくりとドアを開ける。

 そこにはナミキさんとキサラギさんが抱き合う状態で床に座り込んでいた。

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