ククッ、俺の時間だ。
「俺のせいだ。俺のせいだ。」
"そうだ、お前のせいだ。その調子で自分を傷つけ俺に力をくれ、ククッ。面白くなってきたな。"
「ククックククッ」
おっと、体を乗っ取れちまった。
ここでだと誰に見られるか分からんからな。
抑えているか。
ククッこれからは俺の時間だ。
これで好き勝手に、乗っ取れる。
ククッ。
こんなに嬉しいことはないな。
美味しそうな精神のやつはいねぇかな。
人目につかないように外に出るか。
ずーっと、中にいたから自分で陽の光を浴びるのは久しぶりだな。
人もかなりいるし、頃合をみて食らうとしよう。
とりあえずは、路地裏で張ってるか。
そこに、1人の女が迷い込んだ。
目の下には大きなくまを飼い、目は死んでいる。首もとの赤い両手の後は誰かに閉められたものだろう。
服もところどころ、汚れていたり切れていたり生地も薄い。
冬場は寒さに震えるな。
なかなか美味しそうなやつだ。
「なんで、私だけこんな目に会うんだ。あいつらこそ……私はまだ生きたいのに」
「おい、そこのやつ。」
「あっ?なんだよ。」
「お前に選択肢を2つ与えてやる。選べ」
「そんな急に言われても知らねぇよ。初対面でその口の利き方なってないガキだな。」
「俺を誰だと思ってる。」
「あ"っ?」
「リース家の第1王子だぞ。お前こそ口の利き方がなってないな。平民。」
「そりゃ、ごめんて。私、外に出て貰ったことないから。今日初めて逃げてきたし、それと私はココノ。これからは平民って呼ばないでよ!」
「……仕方ない。それで選択肢を選ぶ気になったか?」
「ああ、いいよ。」
「1つ、お前の精神を食わせろ。2つ、気持ちがすごい暗く、闇をまとってるようなやつを俺の前に連れてくる。」
「なんだよそれ」
「俺は闇魔法を使う。そのためには人間の精神が必要だ。完璧に乗っ取るにはあと少しってとこだな。お前を食えば十分だか、お前が連れてくるんなら2、3人てとこだな。」
「ふぅん、じゃあ私に着いてきてくれる?3人食べさせてあげるよ。」
「ああ。」
ココノの後をついて行くと小さな家に着いた。至る所の壁にヒビが入っている。
手入れの行き届いて居ない花壇は枯れて、しまいには踏まれている。
「ここだよ。私の家、ここに住んでる私の両親と姉の精神食っていいよ。精神食ったら死ぬとかある?」
「死にはしないが人間としては壊れる。お前は家族を差し出した。それほど闇が深いのか。」
「そうだよ。みんな、みーんな闇が深いよ。私が1番深い自信あるけど、まだ壊れる訳にはいかないから。」
「それじゃあ、いただく。」




