突然の告白
「……ア」
「……あ?」
「アイ」
「……」
俺から目線を外して、そのままフリーズした。どうしたのかと顔の前で手を振るがまるで反応がない。
熱か?俺も体調が悪い時はよくそのまま倒れたり、フリーズしたりするからな。
前髪を避けて額に手を当てるが熱はなさそうだ。
「はっ、手」
俺の手を振り払い、顔を赤くして視線が右へ左へ泳ぐ。
やっぱり、体調が悪いんだ。
「今日は申し訳ないけど、一緒のベッドで寝るか。広いし」
「そ、そんな、別に大丈夫だ。」
「そう?俺と一緒が嫌だったら、誰かのところで俺が寝てくるけど」
「いや、いい。」
なんか、変な感じだな。そう思いながら、夜を迎える。
ふかふかの布団の中に背中合わせで寝転がる。互いの背中は当たることはないが、いつもはない熱が伝わってくる。
あったかくて、すぐ寝そう。
ふあぁーと大きなあくびが出てそのまま夢の世界に突入した。
――――――
俺の後ろに、あいつが寝てる。
そう考えるだけで、なんか胸んとこがドキドキして、苦しい。
初めての感覚に少し恐怖を覚える。
病気なんじゃないのか。もうすぐ死ぬとか……
あいつに聞こうと寝返りをうった時、ちょうどこっちに寝返りをうった。
お互いが見つめ合う形になる。スースーと規則正しい寝息を立てている。
俺がこんなに悩んでいるのに、警戒心ゼロだな。ここに来てから、こいつに振り回されてばっかだけど、前のやつよりいい。
俺は奴隷にはもう絶対ならない。なめられないように必死になってるのにこいつは。
ったく。医者が来る時に聞いてみるか。
次の日。一睡も出来ず、眠い。鏡を覗くと目の下には真っ黒いクマができていた。
1日でこんなになるんだな。
「どうしたんだ。そのクマ」
「どうでもいいだろ。」
「良くないだろ。ほら、寝てろ。」
立っていた俺の手を引き、ベッドに戻される。ポスッとおしりがベッドに乗る。
「俺が寝かせてやるから。」
毛布をめくり、空いたスペースをトントン叩く。
「ん」
早く来いとでも言いたそうな目で呼ぶ。
仕方なく、横にねっ転がればお腹あたりをポンポン叩かれる。
その一定のスピードに、眠れなかったのが嘘のように眠りに落ちる。
優しくて、海の底に落ちていくように深い深い眠りだった。
目が覚めると、空はオレンジ色になっていた。
「あれ……」
「起きた?よく寝れた?」
「ああ、でもここまで寝たら今日が寝られなさそうだ。」
「ふっ、じゃあその時はまたお腹叩いてやるよ。」
ふっと笑うあいつは、今までの笑顔とは違う。優しい目をしていた。
「アイラ、俺。お前のことが頭から離れないんだ。」




