プレゼント
しばらくの間傷を治すのに専念したが、やはり残ってしまうらしい。
でもこのまま、外に出すには目立ちすぎる傷だ。
そう思って俺は、フラットでた外で黒くて長い手袋を買ってきた。
「アオイ、これあげる。」
アオイは不思議そうにそれを受け取る。
「なんだこれ。」
「これは手袋。夏場は暑いかもしれないけど、これだったら隠れるし、ファッションに見えるかなと思うだけど、どうだ?」
「……そうなのか。ありがとう」
最近ではちゃんとお礼も言うし、いい子になって……少ししみじみする。
アオイが直接来たわけじゃないからサイズがダボダボ。でも、黒い手袋を着けたアオイはなかなか様になっていた。
「どうかな?」
「……うん」
返事は素っ気ないけど、頬を赤く染めて口角がピクピク動く。
嬉しそうで何よりだ。
「アオイがもうちょっと大きくなったらピッタリのサイズになると思うけど、その時までここにいるとは限らないしな。」
「えっ?」
あたかも、ずっとここにいるつもりだったようだ。
「ずっといてくれてもいいけど、とりあえずナミキさんとキサラギさんには挨拶しないとな。」
「そしたら、ここにいていい?」
「おう。」
実年齢くらいには素直になったか?
懐いてくれて嬉しいな。弟ができたみたい。
前世では、一人っ子だったからな。
かわいいな。
「いつ会うんだ。」
「うーん、じゃあ今からでもいいけど?」
「わかった。」
アオイは、素直に頷いた。
上がりそうになる口角を咳払いと手で隠し、ナミキさんの部屋に向かう。
コンコン
「ナミキさん、キサラギさん入ってもよろしいですか?」
しっかりと確認を取り、当然のようにキサラギさんの名前も呼ぶ。
「はーい、平気だ。」
やっぱり2人いた。
「失礼します。」
中に入ってみると、2人でベッドに座り俺を見る。
「なんかあったのか?」
「いえ。アオイについてなんですが、今時間があるなら来てもらいたいんです。」
「アオイって、誰だ?」
あーっ、そうだった。つい名前で呼んじゃったけど、不審者ってところで止まってるんだった。
「あー、外にいた子の名前です。今はちゃんと、俺の部屋にいて大人しくしてます。」
「そうなのか。じゃあ行くとするか。キサラギも行くよな?」
「もちろんですよ。兄上。」
イチャイチャムードで目がしょぼしょぼする。とりあえずは来て貰えることになった。
アオイはどう話すんだろう。
というか、俺がどう話そう。
後ろに2人が着いてくるのを見つつ、頭で色々考えが浮かぶ。
コンコン
「アオイ、入るぞ」




