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アオイの過去3

行為がますます過激になる。

 あの時のようにナイフを持ち皮膚を切り裂く。血が滲み、その苦痛に表情をゆがめる。


「やめろ、俺をここから出せ!お前なんかに従ってたまるか。」


「そんな悪いことをいう子ではないでしょ。ほら、前のように笑顔で私を迎えてごらん。君には村の人達の生活がかかってるんだよ。」


「そんなのはあとだ。俺が今、幸せに生きることが先なんだ。ここから出せ!変態」


 おっさんは俺の首を太い指で締める。呼吸が苦しい。気道が確保できない。

 目の前がチカチカする。視界が真白くなった途端。記憶がない。



「おはよう、マイハニー」


 ニタニタと気色悪くて笑うおっさんの手には熱して真っ赤になったフライパン。


「な、何するつもりだ。寄せ!そのフライパンを離せ。」


「離すわけないだろ。君にはガッカリだ。だから、ちゃんと体で覚えてね。」


 そのフライパンは俺の左手に降ってくる。

 じゅっと肉が焼けたような音がする。強烈な痛み、声が出なくなる。とにかく痛すぎてそのフライパンに右手で触れてしまう。


 じゅっ


「っ……っぐ。ィ……」


 しばらくそのままにされ、ようやくフライパンを離されたが、腕は前のような原型は無い。

 筋肉や神経がむき出しで、じゅくじゅくと透明な液が絶え間なく出る。

 右手も同様。


 血が滲み出す。

 もう何も考えられない。


 痛い、こわい、逃げたい、痛い、痛い、痛い。


 クラクラする頭で自分の腕を近場の布で押さえ逃げ出す。


 リーズは追いかけて来た。


「待てぇー!!」


 俺は息を切らし、必死に走った。


 それは何日たったか分からない。

 お腹が空く。腕が痛い。

 もう死んじゃうのかな。


 希望も何も無く走った先の森で、俺は力尽きた。






 ――――――


「お前にあったのはその時だ。」


「じゃあ、その傷医者に診てもらってないのか!?手遅れかもしれないが、今日、医者が来るんだ。一緒に診てもらおう。」


「だから、俺は」


「ダメだ。何も聞かない。その傷は酷い。アオイにこんなことをしたやつは絶対に許さない。」


 顔を真っ赤にして怒る。こいつはあの執事みたいだ。


 俺は、利用するだけだ。でも、少し離れ信頼してもいいのかもな。


 その後。


 ほんとに医者が来た。こいつは体が弱いらしい。俺もその医者に診てもらい。しばらく通ってくれるそうだ。


 その理由としてこいつの酷い風邪ということになっているが、いつバレるのかヒヤヒヤする。


「俺にこんなことしても俺はお前を裏切るだけだ。いいのか。」


「いいんだ。俺はアオイがあんな場所にいるより、ここに来て出会えたことが嬉しい。アオイには幸せになって欲しいんだ。」


「……ふっ、変なやつだ。」

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