アオイの過去2
「なんでそう思う。」
不機嫌そうに、問う。それ以上は危ない。ぼくは慌てておっさんの首に腕をまわす。
「リーズ様。早く続きを」
「……そうだな。お前は消えろ目障りだ。」
「ですが、その子は辛そうです。もうこんなことはやめてください。」
「うるさい。私に命令をするな。」
そばに置いてあった果物用のナイフを持ち彼に近づく。
「何回言えばわかる。お前は邪魔なんだ。消えろ。」
「リーズ様、やめてください!」
俺の言葉も耳に入らず、彼の左の腰にナイフが刺さる。
ガクンと膝から崩れ落ち、体をカタカタと揺らす。腰からはドクドク血がながれ、恐怖を覚える。
「あっ、血が……誰か、だれか、助けて、こわい、こわいよぉ」
目にいっぱい涙が浮かんだ。
感情を殺してから、何ヶ月もたっていたのに。
「……っアオイくん。君は、君の、本心はどうなんですか?自分に素直に生きないと人生、楽しくないですよ。私はここで終わってしまったかもしれませんが、……君にはこれから長い長い時間があります……アオイくんはいつ、見かけても……辛い顔をしていらして、助けら、れなくて……申し訳、ありませんっ、どうか、自分に素直に生きてください……」
その言葉と共に床に倒れ込んだ。
「うっ、うわぁぁぁ」
もう涙を堪えてはいられない。
叫ぶ声も止まらない。ぼくは彼に近寄り肌に触れた。まだ少しあったかい。
おっさんはナイフで刺したことで、興奮状態になり話が出来る様子では無い。
ぼくは部屋を飛び出し、使用人たちが集まる休憩室のドアを勢いよく開けた。
「どうかされましたか?」
優しく問いかけるメイドの方々に大きな声で言った。
「うっ、うぅ、執事さんが、ナイフでさされ、てリーズ様がさした。ぼく、ぼくはどうすればいいの。うわぁぁぁ、ぐすっ、」
その場にへたりと座り込み目を擦り泣きじゃくる。メイドとそれを聞いた執事たちはおっさんの部屋に行き、執事を医者の元へ搬送した。
おっさんは罪を揉み消し、その事に関わったものをみんなクビにした。
彼は重症だったが命に別状はないと言われ心が安堵する。
良かった。助かったんだ。
あの人が言うように、これからはあいつには従わない。俺の生きたいように生きる。
そして、俺は……奴隷になった。
今までの行為はなくなることはなかったが、それ以上に暴力を振るわれ、全身は痣だらけ骨が折れた箇所もある。
それでも、逃げられない。
自分に素直に生きるため、おっさんには従わない。反抗をしている。




