アオイの過去1
「……追われている。」
「えっ、誰に?」
「俺を飼っていた主人に」
「えっ?……」
アオイはぽつり、ぽつりと話し出した。
俺は奴隷なんだ。
出身はここから少し離れた田舎と呼ばれる場所。みんなで農家として何とか生活をしていた。
そんなある日。俺が7歳のころ、金持ちだという中肉中背で鼻下にちょび髭を生やし、頭が少し薄い男が俺らの村までやってきた。
「皆の者、私がこの村を援助してやろう。」
皆はキラキラとした目で、その男を見る。男も皆に優しく笑顔を振りまいた。
でも、俺だけには違う視線を向けていた。
その男の名は、リーズといい。約束通りお金を与えてくれた。生活も豊かになり、村人達は敬意を示す。
だが俺は……
その男に呼びだされ、人気のない森の中。
短パンの裾から男の太い指が侵入してくる。
リーズははぁはぁと荒い息を上げ、俺の肌を満遍なく触る。
ゾワゾワとした不快感。吐き気を催す。
「や、やめて」
「そんなこと言っていいのかな。私がこの村を援助しなくなった途端、この村は終わるぞ。」
そんな脅しを受け、毎回従う。
最近では服の上から色んなところを触られるようになった。
抵抗しても無駄。ここから逃げようものなら村が幼いながらに色々考え。
しまいには感情がなくなった。
「アオイは私のお城に招待することにした。」
突然の告白に村の人達はザワザワと口々にものを言っている。
俺の肩にはリーズ。おっさんの重い腕が乗っかって、ぎゅっと握られた。
「この子は見込みがある。城で育てたい。その場合の金は問題ない。だが、あまり会うことはなくなる。それでもいいか。」
おっさんの言葉を否定するものはいなかった。この村は洗脳されたようだ。
城に移され、森での行為はふかふかなベッドの上で行われた。服を脱がされ、舌で舐め回される。
何も感じない。感じたくない。
どんどん自分が分からなくなって人形だと思いこむようにした。
おっさんに呼ばれたら笑顔で駆け寄り、行為中も表情を崩さない。
これだけやれば、村も俺もお金には困らない。幸せなんだ。
「旦那様、一体何を」
そんな声をあげたのは1人の執事だった。
そんなことしたら、お前はここには居られないだろ。俺の事より自分のことを心配しろ。
「ぼくも同意ですのでお気になさらないでください。」
「そうだぞ。お前のせいで気分が下がった。明日から来ないでいいぞ。」
やっぱり、この人には逆らったらいけない。
「私は今クビになりました。なので申し上げます。その子は同意では無いですよね。」




