保護
俺の声に歩む足が止まる。
届いてくれたかな?
「なぜ、お前はそこまでするんだ。それに、この火傷を見て気持ち悪いとか思わないのか」
「思うわけないだろ、俺にも傷があるから。」
俺はそっと左の袖をまくろうとした時。視界がぐにゃっと曲がり、意識が飛んだ。
気がついた時には俺の部屋で、四季が俺の手を握っていた。
ガバッと布団を持ちながら起き上がると、部屋の隅に周りを警戒しながら立っているアオイがいた。
「……アオイ」
「……ふん、俺はお前を信用していない。が、お前を利用するために話に乗った。俺はここから出たいんだ。」
「……わかったよ。そんなとこじゃ寒いだろ。クローゼットに毛布が1枚いるから使ってくれ」
「……」
返事に答えることはしないが、クローゼットから毛布を取り出した。
ツンデレだな。
「でも、どうして俺の部屋に?」
「それはっすね」
四季が俺の耳元でコソコソ話し始める。
アイラくんが倒れた後。アオイくんがお姫様抱っこで運んでくれたんすよ。
誰にもバレないように、壁に反って歩いて、まるで忍者だったっす!
目をキラキラ輝かせて、話す姿になんかかわいさを覚える。
ちっちゃい子みたいだ。
「じゃあ、ここまでアオイは誰にも見つかってないんだ。」
「そうっす。すごいっすよね。」
「あっ、でも。ナミキさんとキサラギさんにアオイを紹介しないとなんだよ。この状況で2人が来たらせっかくの信頼が崩れそうだな。」
「2人には内緒でしばらく、過ごしてみるでもいいんじゃないっすか?」
頭を抱えて悩む。どうしたらいいんだ。
コンコン
「アイラいる?」
「様子見に来てやったぞ。まだいるからわからんが」
「あ、あのちょっとお待ちください。」
ドアの近くにいたアオイは肩がビクッと動き毛布を持って窓の方に近づいた。
「アオイ、待って。ここ、ここに」
俺は2、3着しか入っていないクローゼットを開き、アオイを呼ぶ。
無言のまま布団で体全体を隠す。
「どうぞ」
2人に呼びかけると、ドアがそーっと開く。
「あれ?まだ居なかったのか。」
「そうです。外で過ごすと聞かなくて、しばらくの間は従おうかなと」
「賢明な判断だ。俺はそのままでもいいんだが」
「認めてたのに、何言ってるの。兄上。」
「わかってるよ。まぁ、その時はアイラから読んでくれ。」
「はい!来ていただいてありがとうございます。」
2人にお辞儀をして去った後に、クローゼットを開けた。
「アオイ、大丈夫か?」
毛布が少し動き、顔が見える。
「……ああ。」
「良かった。ところでなんだけどどうして、あそこにいたの?」




