俺もやるの?
ここは、広大な面積を誇るユーマニア王国。
自然豊かな森にはたくさんの動物たちが住んでいます。お店は欲しいものが必ず手に入るほどの品揃えの良さ。
街ゆく人々は優しく、思いやりがある。
国王はユンリー・ユーマニア。
その娘、サクラ・ユーマニアの恋の物語。
国王の娘であるサクラにふさわしい人……
毎日、権力。財産。名誉。共に優れたものがこの城に訪れる。
「私をお選びいただけますか?」
「是非、私を」
「サクラ・ユーマニア様……」
皆さん良い方々なのですが、私は選ぶのではなく出会いたいのです。
そんな私も、勉強という形で学園に入学しています。
中でも4人がこの学園の有名人です。
リース家
第一王子
ユウキ・リース
性格は、面倒見がよく、のんびりしている。意思が弱く、周りの意見に流されがちな
みんなの優しいお兄さん的存在。
第二王子
ナミキ・リース
性格は寡黙で、ツンデレ。自己中心的で周りを困らせることがある。
言いたいことはストレートに伝える。
第三王子
キサラギ・リース
性格は真面目で、行動力がある。感性が豊かで優しく思いやりがある。
涙腺が弱い。
第四王子
アイラ・リース
性格はネガティブで、気配り上手。怖がりで臆病。
自分をうまく出せない。
そして、
第一王子の婚約者
セレーナ・ドリトルア
性格はわがままで、いじわる。いつもみんなを見下している。
いじめることが大好き。
私は出会えるのでしょうか。
本当の恋に……
「ね!めっちゃええやろ!『救われた恋』っていう乙女ゲームで今の初めのシーンとか、これから先の攻略ストーリーもめっちゃやばいんよ!素晴らしいこんなゲームに出会えた……奇跡。」
今、乙女ゲームを熱弁してるこの子は俺の親友の神野 幸。あだ名はゆき氏。ゆき氏は2次元オタクでアニメやゲームが大好き。肩くらいの長さでハーフアップにしてる。目と髪は両方茶色で、大きくクリっとしてるのが特徴だ。
すぐ妄想にはいる癖があるし、口調がおかしいというかアニメの色々な方言が混じっていて(ゆき語)を使ってるけど、明るくていい子だ。アニメやゲームばかりで勉強してないから、頭は良いほうではない。運動神経もそう。本人はインドア派だからと言っているけどな。
初めて会った印象は少女漫画のヒロインだなって感じて、それと不思議なことに初めて会った気がしかったんだよな。
シーンと静まりかえった放課後の教室に残り、ゆき氏の乙女ゲームを見せられている。
2人きりの空間で、机の上にはスマホ。
その小さな画面には、『救われた恋』というピンク色のタイトルに学校の背景。
画面にゲームの説明や紹介。くぎ付けになってるゆき氏を、チラチラと見ながらスマホをいじる。
「みーちゃんはさ、恋したことある?」
突然の質問に思わず変な声が出る。
「へっ?俺?なくはない。」
ウソがつけない性格なのでとっさにも本当のことを言う。
「なんだよー、意味深なんだが。」
気になるという顔をする。その顔を無視して、ゆき氏に聞いてみた。
「ゆき氏はどうなんだよ。俺だけ答えるのはフェアじゃないだろ。」
エーとでも言いたそう。でも、質問に答えてくれる。
「わたしはー、やっぱりキサラギ様かな?」
「2次元なしで」
そういうと思ったので瞬時にツッコミを入れる。
「えー、3次元に興味無いもん。いけても2.5次元かな?」
「まぁ、そうだよな。」
「なんだよ!せっかくこのわたくしめが答えて差し上げたのにー」
シンデレラのいじわるなお姉さんみたいに、口の横に右手を伸ばし手の平をこっちに向けた。
「俺も答えたのにずいぶん上からだな。それに俺は平等にしただけ。」
「この平等主義ー!ほんと、なんでも同じにしたがるよね。」
「それが1番平和だし」
「そうかもね。」
そこで会話は終わり。ゆき氏は再び画面に、俺は自分のスマホに集中する。
さっきのストーリーは1番初めにある、プロローグ的なもので、世界観・人物が大まかに説明された。
タイトルの下のSTARTボタンを押すと先程紹介されたキャラクターが並んでいる。
名前、役職、性格などが細かに記されており、誰か1人を選ぶみたいだ。
「私はいつも第一王子から攻略するんだよ!順番大事!みーちゃんは誰からいくの?」
「えっ?俺、別にそのゲームやらないし」
「やるよ」
スマホから目を離し、食い気味に言うゆき氏を見ると、怖いほどに真顔だった。
「ほんとに?」
再び確認のため問うが結果は同じだった。
こうして俺は、やったことがないゲームしかも乙女ゲームをやることになった。




