昔からそいつはいた
結局。
実りある会談にはならなかった。
ただ、双方共に潜水艦と乗組員を失ったという事実を確認して終わる。
それをなした存在については何も分からずじまい。
どちらもこの異様な事件の犯人について、有力な情報をもってはいなかった。
それが分かった事が最大の成果なのかもしれない。
少なくとも、両国が関与してる事はないという事にもなった。
ただ、どちらもそれなりに調査を進めていった。
その海域にのりだし、各種探知機で何かがいないかを探った。
現地民などに聞き取りもした。
海辺の民に何か伝承でもないかと。
残念ながら決定的な成果は得られなかった。
わずかな言い伝えを回収した以外は。
その言い伝えは短いものだ。
何かがいるという確証を示すものではない。
だが、それがずっと古くから存在してるという事だけは分かった。
言い伝えられるほど遠い過去から存在してると。
ただ、一点だけ貴重な部分がある。
それは海で何かを見た生還者が残したものだという事。
生還者がいない今回の事件と比べれば、大きな価値がある。
その言葉は次のようなものだった。
「何があったのか分からない。
だが、これだけは言える。
海が俺たちを引きずりこんでいくようだった。
海にいる何かじゃない。
海そのものが、俺たちを掴んではなそうとしなかった」
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