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彼等が示した最後の意地 最後のもがき

 その過程は悲惨なものだった。

 魚雷を発射し、敵を引き剥がそうとするも、それは失敗に終わる。

 何者かとやらは潜水艦を下に下に引きずりこんでいく。

 浮上すらままならない。

 速度を付けてふりほどこうにも、それすらも出来ない。

 ただただ海の中に引き寄せられていくだけ。

 脱出しようにも、海の中から逃れる術はない。



 やむなく艦長は魚雷を発射、至近距離で爆発させる。

 潜水艦を引きずり込む何かを振りほどく為に。

 そんな事をすれば、潜水艦に損害を与えると分かってる。

 それこそ浮上できなくなるかもしれない。

 だが、この状況から逃れるにはそうするしかなかった。



 しかし、至近距離で爆発も意味は無かった。

 潜水艦の沈下はとまらない。

 更に魚雷を放つも、結果は変わらない。

「チクショウ!」

 通信可能深度すら割り込んだのか、それを最後に潜水艦からの通信は途切れた。



 後日、通信が切れた地点を中心に大規模な捜索が行われた。

 幸い、比較的深度の浅い海域だったので、発見は比較的簡単に終わった。

 潜水艦は深さ500メートルほどの海底に転がっていた。



 どうにか引き上げたそれを見て、関係者は驚く事になる。

 水圧に耐えられるように頑丈に作られた船体。

 それは見るも無惨に凹んでいた。

 何かに掴まれ握られたような痕を付けて。

「なんだこれ」

 誰もが同じ感想を抱いた。



 乗員は全員死亡。

 圧壊によって壊れた外壁から海水が入り込んだためだ。

 北極ほどではないが、それでも極端に冷たい冷水だ。

 即座に心臓麻痺を起こして死亡したと診断された。

 ただ、圧壊の原因だが。

 それが水圧によるものでないのも判明している。

 船体を掴むような何かによるものだと。



 不可解極まりない事件だった。

 調査を担当した者も、調査報告を受けた者達も頭を抱えた。

「いったい何がどうなってる?」

 それが関係した全員が等しく抱いた感想だった。



 同時に。

 更に不可解な事が起こった。

 それは敵国からの外交の場にて起こった。

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