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魔物狩り始めました  作者: 焼飯学生
魔物襲来編
7/28

06話 魔物の大群

「…今何時?」


ふと目を開けた。

何時か確認したい俺は窓の外を見てみて時間を確かめることにした。

外はお昼過ぎぐらいだったはずなのに、今は朝日が昇っている頃だった。

あれ?俺昨日のお昼頃から熟睡してた!?恐るべし、フカフカベット!

俺を熟睡させたフカフカベットに軽い恐怖を抱きながら、何か買える食べ物はないか探しに行くために、俺は出かける準備をし始めた。


「さぁ飯を求めていざ出発!」


ふざけながら、飯を買いに行こうと部屋を出ると、


「黒の魔物狩り…早朝から悪いが、武器を持って我々と来てくれないか?緊急事態だ」


部屋の前に数人の兵士が居て、俺に武器を持って一緒に来るように求めて来た。


「ふぇ~~~……」


変な声を出しながら、俺は武器を持って兵士達と宿を後にした。


────────────


腹を空かせながら俺は兵士達に連れられ、ラミスタラ王国と大森林を隔てる城壁までやって来た。

少し先には俺が王都に来た時に潜った門がある。

だが、前と違うのはあちらこちらにテントが張られていて、更に兵士達が緊張しているようだった。

まるで今から戦争でも始まるのか?そう思える雰囲気だ。

兵士達の雰囲気などに疑問を持っていると、俺の前に甲冑を着た男が俺の前に現れた。

そう思っていると甲冑姿の老人が俺の前に現れた。


「お初にお目にかかります黒の魔物狩り様…詳しくはこちらでお話しましょう」


甲冑の男に案内され、俺は仮設テントの中に用意されてあった椅子に座り、俺が座った後向かい合うように甲冑の男が椅子に座った。


「今回はご協力していただきありがとうございます…私は王国騎士団団長ガラン・バーレンと申します」


無理矢理連れてこられたんだけどね?

ガランの自己紹介を聞きながら、内心では少し腹が立っていた。


「それで?何故俺が呼ばれたんですか?何処かの国と戦争に巻き込まれるのは勘弁してほしいんですが?」


空腹を我慢しながら、何故俺を朝っぱらから呼び出したのかガランに聞くと、ガランは真剣な眼差しで答え始めた。


「先程、様々な種族が集まってできた魔物の大群が、ここ王都に向かってきているのが確認されたのです…その数ざっと五万体…」

「はっ!?」


ガランから聞いた魔物の数を聞いて、俺は自分の耳を疑いながら声を出して驚いた。

魔物が五万もと言う数で動いているのは異常事態だ。魔物の群れは多くて五十体程。更に他種族で集まり行動することは、近縁種か共存でもしていない限り在りえない。

そうなると、裏で魔物達を操っている者が居ることになる。

実際この世界には魔物を操る魔物使い(テイマー)が居る。

でも、五万もの魔物を一人の魔物使い(テイマー)が使役するのは相当な魔力が居るはずだ…てことは、魔物使い(テイマー)が複数居るのか?

魔物の大群について考えていると、ぐ~っと俺の腹が鳴った。

どうやら限界だったらしい…


「あの…飯だけ貰えます?」

「勿論、おい!黒の魔物狩り様の朝食を用意しろ!」


ガランの指示を受け、待機していた兵士達が俺の朝食を持って来てくれた。

持って来た朝食は片手で食べれるサンドイッチで、俺はサンドイッチを食べながら状況について詳しく聞くことにした。


「魔物の大群は門を出て数キロメートル先…大森林と平野の堺で木々に隠れて待機しております」


テーブルに付近の地図を広げ、ガランは門から大森林に入る入口まで指を動かし、魔物の大群が居る場所を示した。

結構近いな…

魔物の大群がそこまで迫っていることに危機感を感じながら、俺はサンドイッチを食べ進めた。


「我々は魔物に対して戦闘経験はあるのですが、五万と言う数は流石に経験したことはない…黒の魔物狩り様、どうか、我々に手を貸してくれないだろうか!!」


ガランは俺に頭を下げて必死に頼み込んできた。

それを見て、俺は食べる手をやめ、


「その依頼、引き受けよう!」


笑みを浮かべて協力することを了承した。


「感謝します。黒の魔物狩り様!」


ガランが俺にお礼をしたその時、テントに兵士が慌てた様子で入って来た。


「ほ、報告いたします!待機していた魔物の大群がこちらに向かって動き出しました!」

「来たか…!全員!戦闘態勢を整えろ!!」

「はっ!!」


兵士から魔物の大群が動いたことを聞いた俺達はテントの外に出てみると、兵士達は少し慌てながら戦闘準備を始めていた。


「皆の者!今回の魔物の襲撃はいつもと違う…だが!今こそ我らの力を振るい、全員で生きて帰ろうではないか!」

ウオォーーーーー!!!!


ガランが己の言葉で兵士達の士気を上げているの尻目に、まだまだ腹が減っている俺はサンドイッチを食べ続けていた。

すると、ガランがポンっと俺の肩に手を置き、


「では、我々は黒の魔物狩り様の援護と魔物が入らないように防衛に徹するので、申し訳ないですが…黒の魔物狩り様はお一人(・・・)で、前線で戦っれくれませんか?それでは、私は準備がありますので!」


俺にそう言った後、何処かに走り去っていき、俺はサンドイッチを食べながらあれ?っと思った。

一人で戦う?五万の魔物と?は?

ガランに聞き直そうとしたが、時すでに遅し、ガランの姿は兵士達に紛れてしまい、見当たらなかった。

…え?マジで?マジで一人で五万の魔物を狩るの?え?

頭が混乱している中、俺はサンドイッチを片手に持ちながら、兵士達に持ち場に案内された。

兵士に言われた通りに俺は門を潜って外に出てみると、俺が外に出た瞬間、門が音を立てて閉まった。

恐らく狩りきるまで帰ってくるなという意味だろう…本当に一人で?

一人で五万の大群と戦うのか?っと困惑していると、魔物の大群が目で見る所までやってきていた。

この際、腹をくくるしかないのだろう…

後でガランしばこうと思いながら、俺は魔物を狩りきると決意を固めた。

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