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23話

 ──翌日。

 昨日は雨に当たり続けていましたから、風邪を引かないようにちゃんと湯浴みも済ませましたし、宝石と情報を売って旅を続けるための軍資金を手に入れたわたしは、このままこの都市を出ることも考えましたが、レッドに言われた通り本部へ出向くことにしました。

 千里眼と鳥繰(ちょうそう)の目を(あざむ)くことはわたしにはできませんから。イエローはどうやって身を潜めていたのでしょうか? 謎です。


「せーんーぷぅわぁーぃぅぶ?!」

「近寄らないでください。グリーン」


 相変わらずグリーンは会うたびに抱き着こうとしてくるので、顔面を鷲掴みにしてやりました。


「いーけーじゅー。むちゅ! むーちゅ!」

猿轡(さるぐつわ)と拘束具を買ってくるんでした」


 どこで売ってるのか知りませんし、そんな無駄遣いはできませんけど。


「よく来てくださいましたホワイトさん。来てくれないんじゃないかと内心ヒヤヒヤしておりました」

「はいはい、あなたには千里眼があるでしょう。ではグリーンの顔は見たのでわたしはこれで──」

「お待ち下さいませ」


 もうグリーンの顔は見たので出立したいのですがレッドに呼び止められてしまいました。

 昨日はあんなことがあったというのに、こうして普通に会話できているのが不思議な感覚です。


「おほん。本日ここに来てもらったのは他でもありません」


 それ言いたいだけでは。他ってなんでしょう。なんかデジャヴ。


「こちらをご覧ください」


 そう言って渡されたのは紙っ切れでした。

 パッと見た感じでは内容はよくわかりませんが、たくさんの数字が書いてあります。嫌な予感しかしません。


「これは?」

「葬儀屋に届けられた損害賠償です。わたくしがやってしまった分は引いてありますわ」

「つまりわたしが壊したものを弁償しろってことですか」


 仕事が早い……。

 不本意ではありますが、こればかりは致しかたありません。人々に迷惑をかけてしまったことは事実ですから、素直に受け止めましょう。

 ええと……いち、じゅう、ひゃく──


「正確にはホワイトさんとイエローの分ですけどね」

「……はい? イエロー?」

「イエローが弁償することはもうできませんから、ホワイトさんに責任が集中したようです」

「いやでもイエローはわたしではなくレッドが──」

「戦っていたのはホワイトさんですから」


 なんてこったい。やっぱり来るんじゃなかった。大人しくトンズラしておけばよかったです。


「なにやら換金していたことは視ていたので知っていますよ。お支払いして頂けますか?」

「……ツケておいてもらうことは」

「もちろん可能ですが、逆によろしいのですか? わたくしに貸しということになりますが」

「死んでも嫌です。これでいいですよね。余った分は孤児院にでも全額寄付しておいてください」


 換金したばかりで潤っていた所持金を全部叩きつけてやりました。これならば文句ないでしょう。


「はい、結構ですわ。では、旅のご武運をお祈りしております」


 こいつ……。


「先輩もう行っちゃうですよ?!」

「行きます。こんなところさっさとおさらばしたいので」


 ああ……コッペパン、おかわりしたかった!




   ──終わり。

 もちろん、もう少しだけ続くんじゃよ。

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