第94話
歯を強く噛みしめるみたいにしながら頭を前へと出そうとするけど、そっちにはカーテンが締まっている様子とその奥のわずかな壁くらいしか見えてなくて。そんな様子を見ながら歯を軽く噛みしめるみたいにして斜め上に視線を向けるような姿勢になる。でも、それに対してすぐ横ではいまだに鉄同士がぶつかり合っている大きな音がしているのが止まらなくて。それから手を強く握りしめるけど、それと一緒にまた体の中を周囲の空気の中で目立つみたいな熱い感覚が体の中に発した途端、自分のほんの少しだけ前に出した髪の毛の上に押し付けるみたいにした。
鼻で吸った息を口で吐き出すみたいにするのを何回か繰り返してから目を強く閉じて。それから肘を曲げてから地面に対して垂直に持ち上げた前腕の先にある手首を動かし、拳の硬いところで窓をノック。数回終わったらそのままギリギリ窓とそこに距離を作るみたいな位置にそれを置いて目を閉じてるけど、それに対してそっちでは何も音はなくて、でも、私は小さく口で呼吸を繰り返すけど、心臓が締め付けられてる感覚は一切止まりそうもない。
数回繰り返させて口が止まったタイミングで一度鼻から強く息を吐いた私は、もう一度同じことをしようとするけど、さっきよりも強い力を入れようとしたのに、腕の角度が悪いせいでうまく力が入らなくてまた同じくらいの音と振動しか聞こえてこない。また視線を杏の方へと戻そうとした時、後ろから私が窓を開けた時と同じ高めの音が聞こえてきて。その瞬間振り返ると、体を少しだけ前のめりみたいにしている星田さんの姿があった。
「木月さん、そんなところで、何してるの?」
にやにや笑みを作るみたいにしてる向こうの姿が自分の部屋の窓の枠に頬杖を突きながらもう片方の腕を乗っけるのを見たと思ったら、それと一緒にゆっくりと語尾の直前を伸ばすみたいな声を出している。それを聞いていたら、口を閉じたままにわずかな声を出しながらこっちは視線をそっちがいない斜め下に向けるみたいにして数回瞬きを繰り返す。
それから、口をくの字にしながら視線をそっちへと向けるけど、でも顔が同じ方向のままだとそっちの姿は見えなくて。仕方なく顔をスライドさせてその向きも変えると、相変わらずのポーズと表情をしている星田さん。その姿を見ながら小さく口から声を出した。
「杏が……出られなくなった」
最初に声を小さく出したのを自分の耳でも聞きながら、瞼と目を落っことすこっちに対して、向こうは数秒間何も音がせずにいたけれど、それから続きの声を出すのと一緒にそっちを見たら、それに対して星田さんは少しだけ顔を上へと上げるみたいにしながら顔のそれぞれのパーツも同じようにしていて。それを見た途端にこっちは視線を少し下へと向けるのと一緒に顔の向きも同じように。
それから数秒間してした後にそっちをもう一度見ると、窓枠に両手を当てたままに体をこっちへと出してくるみたいにしてて。その顔を見た途端、少し笑ってるみたいに頬を持ち上げながら息を鼻から吐いてて。それに対してこっちもパイプのところに引っかかって動けなくなってる杏の姿を見た。
「これは……あいつにばれたらちょっと面倒だね」
そっちを見ると、上瞼を少しだけ落っことす表情をしてる星田さんの姿を見ようとしたけど、それよりも杏の方へすぐにもう一度視線を向けてそっちに自分から数歩進んでから、また斜め後ろに視線を向ける。でも、それに対して向こうは未だに窓の上に手を乗っけたままにしてて。それに気づいた数秒後に、両方の腕を重ねたままに縁の上へ乗っけたと思ったら、その数秒後には自分の首をその上に乗っけていた。
それから私は少しだけ息を吸い込むみたいにしてから口を閉じてそっちの方を見るし、それで出そうになる声を押し込むみたいにするけど、でも、一方の星田さんは未だ同じ体勢をしているだけ。
そしたら、一旦下へと視線を向けるみたいにしてから今度はちゃんと言葉じゃないけど声を出してそっちを見るみたいにする。そっちは軽い笑みを作るみたいにしながら鼻から息を吐く。
「待って待って。とりあえず、こっち入って」
そういいながら数歩後ろに下がって前に体重を乗っけてるのをやめているそっちはそれで見えなくなりそうだったけど、手の平だけはそこに乗っけたままにしてて。でも、それからこっちをせかすみたいな声を出してきたと思ったら、そっちの方で部屋の電気に照らされているのか、顔もその白い中にわずかな赤色が混ざってるみたいな色をしている。それをそのままに口をちょっとだけ開けたままに見てるけど、すぐに来た方へと視線を向けるみたいにしてた。
「いや、でも杏が……」
それから顔を杏の方へと向ける。そっちではいまだ私たちの部屋がある方へと体を押し込むみたいにしているけれど、そこで金属でできた側の腕がわずかに前後へと動くけれど、それを何度も何度も繰り返してる。その様子はさっき見た時と何も変わらなくて。
自分の肩を押し込むようにしたと思ったら数秒後にそれを一度肘の関節が持ち上がるようなところまで後ろに下がったら、もう一度体をそっちへと押し込むみたいに体当たりをしていた。でも、それでもそこでは金属同士がぶつかり合う振動がパイプの中で響いてるだけ。
それからもう一度星田さんの方へと視線を戻すけど、そっちでは少しだけ目を上へと動かすみたいにしながら顎をわずかに上へと持ち上げるみたいな表情をしていて、それからわずかな声を出しながら肘を曲げつつ体を近づけるみたいにしてきて、私をずっと見下ろすみたいにしてた。
「もしかして、私にただで手伝わせようとしてる?」
最初の言葉を上へと持ち上げるみたいにした上に、途中で一旦止めた後に続いたのの最初もおんなじにしていたその声を聴いた途端、また私は少しだけ声を出してしまって。それから、わずかにどもるみたいなそれを数回出すけど、それに対して星田さんは何も言わずにずっとこっちを見た。
それから、顔を戻しながら歯をこっちに見せてそれの顎を使って奥へと動かすみたいにしているのを見てたら、私は息を吸い込みながら上瞼も持ち上げる。
「言ったでしょ? ここじゃ木月さんみたいなのは普通だって」
それを聞いた瞬間向こうの窓枠を握っているような手の動きが見えた途端、それの関節がわずかに持ち上がったのに気づく。その途端に肩同士を持ち上げてから両方の手を強く握りしめて。
でも、薄い制服に覆われている自分の腕が間接的に冷たい外の空気と触れ合ってるのを感じたのに気づいてから、息を吸い込みながら歯を噛みしめる。でも、それでも体中と自分の髪の毛にも電気がほとばしり始めるのを背中の辺りでだけ感じ取ってから歯を強く噛みしめた。
それから、杏の方へと勢いよく視線を向けながら振り返って。そっちで動けなくなっているのを視線でとらえるよりも早くその名前を呼ぶ。それに対して杏は体の動きを止めて視線をこっちへと顔の向きを変えるみたいにしてた。でも、それに気づいて上の歯に力を込めながら顔を下へと向けた途端に、星田さんが少し早口目に話し出したのに気づいた。
「いやいや、そんなに警戒しないで、ほら、あの、私はあの魔法みたいなのは使えないから」
少し声を大きめに出してるそれに気づいたら、すぐにそっちを見ながら自分の髪の毛を触るけど、そこがいつもよりも少しだけ膨らんでるみたいになっているくらいで、それからその腕を見るみたいにするけど、そこに見えている姿は私が東雲と会う前の頃のと全然変わっている様子はなくて。それは足元の細いのも全く同じ。
それからもう一度星田さんの方を見つめるけど、向こうはもう一度窓に片方の腕を乗っけながら口元を持ち上げるみたいにしていて。
それから鼻の息を出しながらいるのを見てたら、また頬付けをつきながら目をにやけさせるみたいにしているのに気づく。
少しだけ地面へと向けて視線を向けるみたいにした後に、鋭く息を吸い込みながら視線を上へと向けるみたいにしてしまったのとほぼ同タイミングで顔を持ち上げると、おでこを持ち上げにていたら下唇を上へと押し付けて、斜め前を見るとまた星田さんの様子を見た。
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