第93話
私たちの部屋の窓を開けると、それとともに乾いた音が引いている間ずっとしてきたけど、それに合わせるみたいに窓枠とガラス側の枠に手を添えたままにいた。でもそれと一緒に外の冷たい空気が外から入り込んできたと思ったら、息を強く吸い込むみたいにさせられて。
その途端に息を吸い込むみたいにしているのに対して、外の道路に出来上がっている水たまりは太陽の光を反射しててそれが眩しくて視線をそらしそうになる。そして、そっち側ではたまに聞こえて来る車が走る音がするけど、それは少し遠くの通りでしているみたいで、私たちの前にいるものには何もなくて。
少し離れたところにひび割れた白い塗装で止まれの文字が書いてあるくらいで。それ以外は黒が少しだけ混ざった濃い赤色みたいなのが見えている家の姿と、上の方でまっすぐに伸びている電線の姿くらいしか見えなかった。
それから、灰色の空気に照らされている部屋の中でカーペットの上に座ったままにドアを背にしてこっちにまっすぐ体を向けている杏の方へと、体をひねって視線を向ける。それに対して向こうは何もしなくて。それは私がわずかな声を出した後も一切変わろうとしない。
そっちを見てから、スマホをうさ耳パーカーのポケットから取り出して左手で支えながら右手の人差し指で操作していくと、すぐに電話履歴へとたどり着いて一番上にある数分前の時間が表示されているハリーの名前が書いてある発信履歴へと触れて。それからすぐにまた2人の写真がのっかったままになっている様子をじっと視線を落っことすみたいにして見つめ続けている。
でも、それの背筋をほんの少しだけ曲げている体勢のままでいようと思ったけれど、すぐに高い音がそこから聞こえ始めた途端に脇を締めてすぐに耳へと押し付けるみたいな体勢で背筋をまっすぐに曲げる。でも、それに対してすぐに聞こえてきたのはまた同じ音。ずっとそのままの体勢でいようとしたけど、数回聞こえたタイミングで左手の親指を使って電話を切った。
窓側に体をまっすぐに向けたまま一度ため息をついた後、顔事視線を少しだけ下へと向けたまま、外から入り込んでくる冷たい空気の感覚を味わい続けているこっちに対して、一旦体を肩から上へと持ち上げながら腕を一瞬だけ持ち上げて息を強く吸い込んで、それを吐き出すと一緒に肩を落とす。それから、杏の方へと振り返りながら少しだけ足を動かして数歩そっちへと近づく。
「杏、行くぞ」
両方の手をそっちへと伸ばしてから、自分から進んで両方の手を向こうの甲の上へと重ねるみたいにしているのに対して、杏は視線だけをこっちへと向けてきて。それからもう一度同じ声を出すと、向こうはもう片方の肘へと重ねるみたいにしている手のひらを離してて。それからお互いの平同士を重ねる。
自分の膝に力を込めて腕をまっすぐにして杏の体を引っ張ろうとするけど、その重みで動かないと思った次の瞬間に杏が自分からお尻に力を入れるみたいにして立ち上がったせいか私の体が一気にそっちへとおっこちるみたいになって。こっちのお尻から床に激突すると、両方の腕をそっちへと立てながら何度も呼吸を繰り返すみたいになってた。
一度首を下へと向けるみたいにしながらため息をついて立ち上がると、最初は顔を下に向けたまま杏の姿を見るみたいになるけど、それに対して向こうはただただまっすぐに立ったままになってて。それからこっちの手を引こうとするけど、それに対して向こうはわずかに数歩足を進めるようにするくらい。
それから後ろへと振り返ってもう1回窓枠の銀色になってて自分の姿がゆがんで映っている様子を見つめるけど、それは1秒くらいで済ませてからそのとがった感覚を味わうみたいにして、自分の手のひらをそこへと乗っけたままに股を挟もうとしたけど、思った以上に足が持ち上がらなくてそこに足の裏を一旦乗っけてからジャンプするみたいにして向こう側へと映るみたいにして飛び移る。
その瞬間、私の前に外とこっちを隔ててるわずかな小道しかないせいで思い切り自分の背中と後頭部、そして脛の裏もくっつけるみたいにして。それから数歩張り付いたまま足を滑らせるみたいにして進み始めていると、そのままそこの塗装の凸凹とした感覚を味わい続けて。でも、それに対して、喉に強い力を籠めるみたいにしながら左足を一歩進めるみたいにしたらまたそれに右足を近づけるみたいにして。リズムよくそれを繰り返していると、数回やったタイミングで少し口を開けるみたいに動かしてから小さく声を出した。
それから振り返ってみるけどそっちには杏の姿がなくて。唇をくっつけながらそっちに見えてる太いパイプだったりエアコンの室外機だったりを見つめる。1回ため息を吐き出すみたいにしてからそっちにさっきよりもハイペースで足を動かして戻ろうとしたら、途中で足を動かす順番を間違えてしまい、それのせいで両方の足を曲げるみたいにする。それと一緒に両方の手を横へと少しだけ伸ばしてから元に戻すけど、その後ようやく自分の部屋の窓のところに戻れて。杏の様子を見るとその姿は私が出発する前とその様子は全く変化していないようだった。
「杏、早く」
そう言いながら指を使ってこっちへと来るように指示するけど、部屋の様子を見るには首を少し痛いくらいに大きく伸ばすくらいにするくらいしかできなくて。でも、それに対して杏はまっすぐに歩いてきながらわずかに機械の高い音を立ててるだけで。両方の腕を途中で立てるみたいにしながら窓枠の上にしゃがんだ姿勢で立ち上がるとそのままこっち側に降りてきた。
その瞬間、その体の多くを構成しているその機械が大きな音を立てたのに気づいて進行方向からすぐに視線だけを戻したら、着地してからまた体をまっすぐに向けてて。そっちへと向けて歯の間から息を吐くようにして静かに行動するように注意を促す。
それから、もう一度腕を回してそっちに来るように指示するけど、それに対してそっちは体を回す全身の向きを変えるみたいに動いてるせいでその向きをこっちからずらすみたいにしているせいか、緑色のフェンスが高い音を立てながら揺れているのに気づいて。そっちに視線を向けたら両方の手を自分の正面に一度だけ持っていきそうになりながら、でもそれができないのに気づいて施設の壁を叩くみたいにした。
「杏、こうやって、横ばいになって」
そういいながら腕を横に広げて背中から建物に張り付くみたいにして一度振り返ると、杏も私と同じような体勢のまま数歩進むようにいてるのを見て、自分は顎を下へと向けながら息を吐いて。それと同じタイミングで肩を落っことすみたいにする。上をわずかにみてそこにある太陽が薄かったり灰色になってたりしている雲の中に姿を隠しているのを眺めてると、少しだけ口を開けながら数秒間そこで止まる。
でも、その数秒後くらいにいきなり右腕が横からやって来たものにすりつぶされるみたいにそれと壁の間に挟まって。喉から無理やりひねり出すみたいな声を出したと思ったら、そっちを見た途端に足をこっちへとスリ足で進めてくる杏の姿があって、もうすでに機械になってる二の腕にこっちのが押しつぶされてるのにまた更にこっちに近づこうとしてる。
その瞬間限界まで力を入れているせいでつぶれそうになっている腕を自分の方へと近づけるように引っ張ると一緒にもう片方の手も杏を押すみたいにすると、向こうから後ろへと数歩下がってくれた。
なんとかそこが自由になると、体を前に出しながら強く息を吐いて曲げた膝の上に体を乗っけようとするけど、そっちにあったフェンスが高い音を立てながらこっちにリアクションをしてきて。それに対して私はまた同じような動きをしそうになってから二の腕を建物の壁に押し付けながら肘を垂直に曲げてそっちに指を引っかけるみたいにする。
目元にしわを作りながら息を吐くこっちに対して杏は腕を落っことしながら顔をフェンスの向こう側にある道路の方を見てた。
「杏、痛いって」
唾液の音が聞こえて来るくらいの感覚を味わいながら息を吐くこっちに対して、杏はまた歩き出すと、私もそれに合わせるみたいにして一瞬だけ前を見るみたいにおでこもそっちに向けるみたいにして進み始めると、最初にあった障害物にあるエアコンの室外機がすぐにでも現れた。それを体を傾けるみたいにして持ち上げてから少しだけ後ろを振り返ると、すぐに小刻みな声を出すみたいにしつつおでこを上へと持っていくみたいにして数回杏に足を止めるように指示を出して。それから向こうが止まったのを見てから軽く息を吐く。
おでこの辺りが冷たくなっているのを感じてからもう片方の足も乗っけて。膝を少しだけ落っことすみたいにバランスを取った状態で先へと進もうとしたすぐ後に飛び降りると足にじんとした痛みが数秒間響き渡る。
それを感じながら振り返ると、杏も室外機のところにまでたどり着いているのが見えてから、わずかに息を吸いながらすぐに視線を正面へと向けるみたいにして進んでいくけど、その瞬間にすごい大きな音がして、そっちへと振り返ったら杏がいるそれの上に乗っかってて、さらにはそこの上部分がへっこんでいるのに気づくとそっちを見ている間息を忘れそうになってしまうほどであった。
それから、目を閉じたまま数回顔を振るみたいにしてもう一度進行方向へと視線を向けるみたいにしていると、そっちには今度はパイプが建物の壁に取り付けられているのが見えて。それに対して息を吸い込むみたいにしていると、すぐに杏が降りてきたのか砂煙を足もとで起こしているのが見えているのに気づいて。それからまたおでこに汗をかくのを感じてからそっちを見るようにした。
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