第86話
左手に持ったスマホのカメラを構えている形で黄ばんだ歯を見せて笑っている敵がもう片方の手で力こぶを見せつけるみたいにしていたポーズから元へと戻ろうとした途端、ハリーが足を進めるペースを上げるの一緒に姿勢も低くなってて。それに合わせるように敵もそっちへと振り返った瞬間、ハリーの方から腰を落としたままに肘を曲げることで作り出した自分のこぶしを敵に向けて叩きつけると、それのせいでそっちは唾液を吐きながら少しだけしゃがむみたいに足を動かしている様子を見せている。
しかし、その一方でハリーは猫背になっている上に何度ものどから呼吸ができていない音を立てているそっちへと向けて肩を掴んでから、思い切り自分のおでこを後頭部へと叩きつけると、その勢いで頭を揺らすみたいにしてしまっていた。
その2連撃を決めた後にハリーの方から距離を取るみたいに後ろへと下がると、腰を少しだけ落としながら両方の手を落としながらも横へと向けるような姿勢でいる。それに対して私は少しだけ口を開けたままに足を一歩だけ前に出して体をわずかに前のめりにしていると、目と口が開いたのを感じながら腰の前辺りで両方の手を握り締めながらハリーの名前を小さく息を吐きながら呼んだ。
一方で敵の方は未だにみぞおちを殴られたせいで呼吸がままならないのか、何度も咳にすらもならない音を喉から出しながら両方の膝を地面へと落っことしている。肩も落としたまま間に肘も下へと向けているその光景を見ているハリーはこぶしは未だに作っている物の視線は落っことした状態でいるせいか、口から少しだけ開いたままにそこから小さな息を吸ったり吐いたりを繰り返していた。
「そもそもこれが狙いだろ」
いつもよりも低い声でほとんど抑揚もしないハリーの声はもう高架下にいないせいでどこにも響くこともなく、後ろ側にあるそれの上を通っている車の走っている音に消えそうなほどになっていた。そのずっと同じ姿勢でいるままになっているところから出てきた声を聴きながら何度も歯を擦らせるみたいにしているその姿。声をかけられたのに対してほとんど反応は見せないでだんだんと息をしていくペースがゆっくりになっていくくらいしか変化しているとことはない。
一方でハリー下唇を合わせながらも歯はほとんど動かさにような姿勢でいるのに対して私はそっちへと小走りで後ろから近づいてくみたいにしていると、それに対して敵も少しずつ体を起こしながら視線を下へと向けたままにしていて、何度も口から呼吸を繰り返していた。その顔の向きのせいで敵の表情はほとんどは髪の毛で隠れたままになってしまっていて。その姿を私も見ながら肩を使って脇を強く締め付けるみたいにする。
それに気づいた途端、腕を左右に振りながら口元を動かして笑みを作っているそっちを見ると、私も手を握り締めるようにしながら腰を少しだけ落とすみたいにするけど、その前に手が腕をまっすぐ斜め下に落っことす見たいな形で出されてて。それに気づいた途端に視線をそっちに向けると、顔の左側だけをこっちに向けるみたいにしながらわずかな笑みを作ってて。その様子を息を吸い込むみたいにしながら見つめてから一度だけ頷く。
「いやね、私の怒りを買うと逆効果になるってこと、しっかりと教えてあげますよ。みなさん見ててくださいね。私が正しいというところ、ちゃんと証明してあげますから」
その言葉とともに肩を前のめりにするみたいな姿勢のまま立っていた敵は自分の肩から伸びているボタンで止まっている切れ目の間に無理やり手を入れるようにしていて、それから体をそれに押されて背中を反らす。
それを見てから私も横を向くけど、そっちにいるハリーと目が合った途端にまたもう一度向こうは口を強く締めてから敵の方へと向きを変えて、そのまま体を前のめりにしてから走って近づいていくけれど、それで敵のすぐそばに行ったタイミングで足を強く持ち上げるみたいにしたのに対して相手の方からは何度も激しく小刻みに高い音を立てているのが聞こえてきて、それはハリーの背中があるせいで全然様子は見えないけれど、それでも目を一気に大きくして息を吸い込んでしまう。
それから、もう一度ハリーのかかと落としをしようとしていて片足だけしか地面についてない様子を見るけど、そのままハリーは両方の腕を曲げたままに自分の顔の近くに握った手を持ってきてて。それを見てるだけで右側の歯を強く噛みしめるけれど、その途端に脳裏に杏のことを思いだして、自分のうさ耳パーカーとそれの中に入れてたスマホに私の指が振れた途端、そこに込めてた力を強くしてから、一度体の力を一旦抜いてから息を吸い込んで指を全部握り締めた。
「ハリー!」
足の裏でうさ耳パーカーがマントに代わったことを、お腹で制服がジャンヌオルタのコスプレに代わったことを確認してから膝を強く曲げて体を地面と触れ合いそうになるくらいの高さで飛ばし、その勢いでほんの一秒の半分にも満たないくらいの勢いでハリーの名前を呼びながらその体を受け止めるとともに片足をつくことで一瞬だけ自分の周りに赤紫色の電気がほとばしるのを感じる。それで一度瞬きしてから敵の手元を見ると、そこに思った通り小さなロケット花火が少しずつ導火線を燃やしている姿があった。
それへと眉毛も持ち上げるみたいにしてから横へと体を反らすと、堤防が上り坂を作っていたことを忘れてそこに背中ら激突。ハリーの体は私をクッションにすることで衝撃を減らしだはずだけど、それでも何度も咳を繰り返していて、私自身も体を起こせずに地面へと置いた手と腕に力を籠めようにも震えるだけでとてもそれで上半身すらも持ち上げられない状態でいた。
「馬鹿野郎……! お前……!」
ハリーが細い声を出してこっちに顔を向けてこようとしたものの、その瞬間高い音ともに高架下にロケット花火が直撃して大きく小さな火花を周囲へとまき散らしていて、その焼け跡が真っ黒くなった円の周囲に赤く染まった外周を作ってたのを見て喉を吸い込むみたいにさせられた。
でも、そっちをしばらく見てるつもりだったのに、そのまま息を吸い込んだとたん、また火が散り始める音がしたと思ったら、そっちでまた新しいロケット花火がこっちに向けて発射の準備を始めていた。それから、私は背中から電気を放って体を起こすとともに両手を胸の前でクロスさせるみたいに構えてからその前に魔法陣を作り出すけど、それを両方の手で広げようとした途端に私の体が横から体当たりされて口を開けて変な声を出しながら体が肩から倒れるみたいになった。
それに対して私が元居た位置に立ち上がったハリーは敵に向けて大きく声を出してから全力で私がいない方へと向かって横に入り始めると、こっちは足を地面の上に倒したままに上半身だけ起こして2人の様子を確認。滑っているのか走っているのかわからない勢いで坂を下り続け、それが終わってからもロケット花火が私のすぐそばに発射され、その飛び火がこっちにも来そうで障壁をもう一度作ってそれが飛んでくるのを防ぐ。
でも、その勢いで目を瞑った途端、それのせいで気づけなかったけどハリーが坂の勢いを制御しきれずに転んでて服にぬかるんだ土が体についてるけどそっちに振り替えることしかできなくて、泥の間から見えている擦り傷のところに手を当てながら目を閉じて舌打ちしていた。それから、それからまた敵は体の角度を変えてまた服の中に入ってたジップロックからそれを取り出そうとした。
「木月流那さん!」
その声がした瞬間、私はもちろんハリーも敵も視線がそっちに寄せられると、そこで駆け足にこっちへと近づいてきている先生が堤防の上にできているウォーキングロードを走ってきているのと視線がぶつかったら、それから向こうが視線を左右へと動かしてから少し後ろにあった石でできた階段の方へと小走りで戻っていっていた。
「きっ……木月……!」
声を何度も震わせながら数歩後ろへと下がる敵の姿を見ていると口をパクパクと数回開けたり閉じたりを繰り返していて。その姿のまま後退したせいで石に躓きそうになって腕を大きく回すことでバランスを取って足を横へと向けるみたいにしている。
そのまま私たちとは別の方向を見たままに何度も呼吸を繰り返しながら目を限界まで開けている様子がこっちにも見えていて。そんな光景を見ながら私の視線が目に行った途端、その中の瞳孔が大きくこっちへと向けて動いたのに気づいて私も息を強く吸い込むみたいにしてから小さな声を出してしまった。
それから階段の方へといったん戻っていた先生がこっちへと小走りでやってきて、まっすぐに進んでくると、ハリーがその前にいたまま一切動かなかったせいか、歩いてきた側から一度足を止めたけれど見つめ合った後にまた迂回するみたいにして私の横に着てた。その姿を見た途端に顔は先生へと向いていながらもすぐにそこから視線を逸らすみたいに反対側へと向くみたいに傾けた。
一方で、数多くの物同士が何度もぶつかり合うような音がしたと思ってそっちを見たら、敵が体を前のめりにして腕を何度も回すようにしてから走り始めると、それに対して、私の横に来てたハリーと一緒にその姿を見続けていくけれど、そっちの顔は伸びた髪の毛では隠れた体勢でそっちを見ることはできない。
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