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Lunatic  作者: コンテナ店子
第二部前編
84/216

第83話

 荷台に乗っかってまた同じポーズのままいると、それに対してハリーの編み上げられていない一部の場所の髪が揺れているのと同じタイミングで私もうさ耳パーカーの耳とフードが揺れるのを感じてそこを風上側に肘を向けるみたいに右手を重ねながらもう片方の手を正面の肩に沿えるみたいにして。さらに足を地面から放して後輪の左右についてる骨の一部に乗っけるみたいにする。それに対してハリーは体を少しだけ前のめりにするみたいにしながら、顔を堤防へと向けたままに両方の肘を横へと向けるみたいな恰好をしてた。


 その様子を見たままにもう一回私も正面に視線を戻したら、向こう側の岸の様子もそっちのほうに建ってると思う建物の存在も見えてないのを確認すると、下の唇を上へと押し付けるみたいにして。でも、ハリーの姿へともう一度視線を向けるみたいにして、それからずっとその様子をただただ見続けるみたいにしてた。


 一方当の本人はかかとを少しだけ持ち上げるようにしている姿勢のままに自転車を左右へと傾けるみたいにしているせいか、私の体もそっちの体もそれに合わさるみたいに動き続けてる。それに対して、周囲では風が吹いてる音しかしないと思ったけど、私たちの後ろにある車道で左右へとまっすぐに進み続けている車がそのまま進んでいる音を立て続けている一方で、そっちからもう一度ハリーの方へと視線を戻したら歯を噛みしめるようにしながらこっちを見てきてた。


「んじゃ、行くぞ!」


 小さく息を歯の間から吐き出す音を立てた後、のどに力を込めたままに声を出し始めて、最後に言い終わるタイミングでゆっくりと自転車をこぎ始めたハリーは前輪を左右へと傾かせ続けてて、進み方が蛇を描くようになっていて。それに合わせるみたいに私も体がハリーから手を残して離れそうになるけど、さらに上下に抑揚が揺れ続ける声が何度も出続ける。でも、それに対してハリーも声を出しながら前のめりにして自転車をゆっくりとこぎ続けてて、だんだんとペースを上げ始める。


 そして、数秒もしないうちに、車輪が坂の上に乗り上げて、塗装されている道とそうじゃない箇所の境目の段差でそれがバウントすると、私たちの体も勢い良く上下に動くのを感じて、それに対して心臓も少し反応するけど、そのタイミングで声は出なくて、スピードのままに進もうとしているハリーが限界までこぐペースを上げるために体を前のめりになったから私は両手を荷台の方へと移すると、その途端に体の重心が一気に後ろに移りそうになる。それから、体を元に戻そうとしたら、顎と一緒にバランスが行き過ぎてしまった。


「ハリー!」


 勢いよく最初を出してそのままにその名前を呼んだ私に対して、向こうはいまだ大きな掛け声を出すだけ。そのまま体を左右に動かしながら漕いでるハリーの自転車はだんだんと進むペースを落としていくけど、それに対して何度も声の間に激しい息を繰り返すみたいに向こうはしてる。


 でも、その瞬間に、顔の見ている位置に出てる汗の光ってる様子を見たら、私は目をわずかに大きく開ける。口を少しだけ開けながらその太陽の光を反射している様子を見ているのに対して、ずっと耳で息が何度も吸ったり吐いたりされている音を聞いているのを繰り返してたら、全然自転車が傾いてるのに気づかなくて、気づいた時にはもう私もハリーも今までとは全然違う大慌ての声を上げながら自転車に捕まるも、その次の瞬間には自転車の下敷きになってた。


 しかも、それに続いて低い音を立てながら自転車が落っこちてくのを追いかけるみたいにハリーが駆け足で進んでいってるのを私も気づいて、そっちに立ち上がろうとするけど、それで足に力を込めた地面がぬかるんでたせいで素っ頓狂な声を上げながら両手を前に出して。そっちに上半身を落っことしそうになると、そのままハリーの背中へと体当たりを披露。その勢いに任されて向こうも同じような声を上げながら同じような姿勢になって一緒に前転を繰り返すみたいに元々いた歩道にまで落っこちる羽目になった。


「ったくよぉ、お前はなぁ……」


 髪の毛の間に指を入れるみたいにしながら地面に胡坐をかいてるハリーに対して、私は道路の上に膝とつま先をついたままに片手の平もそっちに当てながらおでこにもう片方のを沿える。


 それからそっちから言われたタイミングで見たら太もものところに擦り傷が出来上がってて、それに少しだけ目を開けるみたいにしてると息がほんの一瞬にもみたいないくらいの時間で吸い込まれたのに気づいてからその赤くて黒くなっている線を見てたら、口をもっと広く開けながら言葉になってない声を出すようになって。そのまま顎ごと動かしてハリーの方をみてたら、髪の毛に入れてた手をこっちに指も含めて向けているのが見えたけど、その次の瞬間には自分の側に平を向けた後にそこへと音を立てながらおでこを叩きつけるみたいにしてて。それから腕を背中側の地面に両方とも立ててそっちに重心を乗っけるハリーは体を上下に動かしながら笑ってて。それを見てたこっちも声を出してけがしたほうの膝を立てたままにそこの上に両方の手のひらとおでこを乗っけたたまに息を吐いて何度も笑い続けた。




 それから肩を前に出しながらそこを前後に揺らすようにして進み続けている私に対して、ハリーも同じようにしているのを見たけど、その後すぐに少し前を進んでいる向こうが先に足を止めたタイミングでゆっくりと深呼吸をしているのに気づいたら、それに対して私も少しだけ駆け足になってそっちに進んでいくと、薄い黒色に染まってその中まで見えていない川が表面を白くしたままに私たちの右側から左側へと流れて言っている姿とその音を聞くことに。それに対して私は体を伸ばしつつ鼻から息を吐く。それから腕を落っことして肩も落っことすように。


 それからハリーの方を見ると、両方の腰に手を乗っけたまま髪の毛を一度振るうようにしてから口を横へと広げてこっちを見てきてる。それに対して私は二の腕と肘を自分の体へと押し付けながら指同士を絡めるみたいにして視線を少し反対側の横へと向けそうになるけど、それも数秒間そのままにしてると、ハリーがまた堤防の坂を岸へと向かって下り始めて、私も口を閉じてから両端を持ち上げてそっちへと行く。それに合わせて、足を動かすペースをゆっくりにしながら両方の腕を肩と同じ高さになるみたいにする。そして、それから向こうと視線が合ったら、その瞬間に口を横へと広げて目を細くすると両方の足を曲げてから飛び出し、それから小刻みに足を動かしながら一気に走り抜け始めてた。


 それに対してこっちも同じようにして右手と左足を一気に飛ばしながら跳ねて。そのまま着地すると一緒に地面の上に足を置いているにもかからわず前へと滑るように体を前のめりにする。そのままの勢いで進んでいくと両手を勢いのままに腕と一緒に回して進んでいっていると、最終的にまた足を滑らせて前転するみたいに体を動かしてそのままあおむけに地面に倒れてから肩をそっちにぶつけてた。


「なにやってんだよ」


 息を吐きながらお腹を押すみたいにして体を前のめりにしているハリーはその語尾を少しだけ持ち上げるみたいにしてる声と一緒にこっちを押すみたいに手を使って肩を押し込んできた。


 それに対して両方の腕を横へと伸ばしたままうさ耳パーカーのフードを背中でつぶすみたいにしてる姿勢でしばらくいようと思ったけど、胸が動いたのに気づいたタイミングで肘を立てるみたいにして上半身だけ起こしつつ、太もも同士の間に両方の手を置くことで背中を曲げたままにいる。その一方でハリーはまた私の隣で胡坐をかいてた。


 私たちの前にある川は、さっき上で見た時とほとんど変わらないような形と色、太陽からくる光の反射の仕方まで全然変わってない。そして、それの前でススキがずっと風の流れに従ってその茶色い頭を傾けながらそれと同じ色の胴体もそこから弧を描くみたいに地面へと進んでいっているのが見えてる。さらに、それと同じような風が私のフードにもぶつかってきてそれに気づいたら自分のお腹側の、東雲や世古島たちと出会ったあの場所の砂と、あの時私の中を流れていた血が付いたままになってるそこを見つめると、ほとんど力を入れないままにそこをなでる。でも、それに対してそこについてる肉が少しだけへこむような感じがするけど、中に着てる制服とパーカーの間にあった空気はどこかへと行ってしまった。


 そこからもう1回ハリーの方へと視線を戻すと、向こうはいったん立ち上がって口の両端を持ち上げて笑みを作るようにした後、肩を後ろへと下げて息をする。そんな姿を首まで上げたままに見ている私はもう一度手を足の間に戻していた。それから、向こうは肘と前腕を体にくっつけたままに上半身を地面へと向けてから数秒間続いたくらい、もう私たちの視界全部に広がるくらいの大きな声を出し続けてた。顔の様子へと目を大きくするみたいにしながら見てると、もう限界まで目元にしわを作ってて、大きく開いた両手をわずかに曲げた膝の上に乗っけたままにしている。それから何度も肩を上下に動かしながら息をしてて。それも数回終わったタイミングで私の方を見てきた。


 それに対してこっちも、上瞼を使ってから口を同じようにして肩を後ろに下げる。それからハリーにも聞こえるくらいに息を吸い込んで、こぶしを強く握りしめながら曲げた肘を体に突き付けて背中をエビ反りになるみたいに曲げながら空に向かって大声を出してた。それが終わったタイミングで私は何度も息を吸ったり吐いたりを繰り返しながら膝の上にまた両手を当ててた。


 それからハリーの方をまたみると、一瞬だけ目が合ったタイミングでまた向こうは笑みを浮かべるみたいな表情をして、それとともに今度は両方の腕を上下に何度も揺らしながら地団駄を踏みながら同じ声を出してる。そして、それが終わるよりも早くまたこっちも息を吸い込んでから何度も自分の膝にこぶしを叩きつけながら叫び声を上げ続けてた。

読了ありがとうございます。

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