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Lunatic  作者: コンテナ店子
第二部前編
83/216

第82話

 志太さんと別れてから少しだけ蛇行するみたいに歩いていくと、肩が前のめりになってるせいか体がそっちへと向かってしまっていて。それに対して私は吸うときは鼻からでも吐く時は口から少しずつ漏らすみたいにして行っていると、その一方で正面の広場の方や横の芝生の方では相変わらずの光景が広がっていて。それを見ていたら私は右側の手で左側の肘を掴み、さらにはその腕でうさ耳パーカーを支えるようにするけど、折り畳みがうまくいってないせいで血や砂の後は隠れているものの、それに対して周囲ではパーカーが重力に従って落っこちたままになっていた。


 そのまま公園を抜けて道路の前に来ると、車が行き来を繰り返して私の髪の毛や視界の中に入っているパーカーから垂れてる場所が風の勢いに従って揺れていて、それが通り過ぎたと思って元に戻るタイミングでまたそこが持ち上がるようにしていた。でも、私はそれに対してずっとただただ右腕に込める力を強めて、体をそれに合わせるみたいに少しだけ前のめりにするみたいにしてた。


 そのまましばらくいようと思ったけど、その時に後ろから声がして。そっちに振り替えるとハリーが同じ凸凹した形をしてる横長長方形のタイルで出来上がった石壁に寄り掛かったままに立ってる姿勢で、指を少しだけ逸らせるみたいにして手のひらをこっちに見せてた。


 それに対してこっちが首だけを使って視線を向けてると、ため息をつきながら両手を胸の前で組んだままに鼻から息を吐いてて、目線を左側にできてた自分の背中にある壁の続きを向けるみたいにしてた。その白い場所にはへこんだところに黒いシミを作ってるように見えてる。


「案外尾行ってのも悪くないかもな」


 語尾を少しだけ上げるみたいにしながら口を横に伸ばしてるハリーは、両足を交差させるみたいにしたまま顔もさっきと同じ方向に向けたままにしてて。目線だけこっちに向けるようにしてた。


 それに対して私は斜め前からハリーの方へと体を向けたままに視線を下へとむけてて。そっちにできている真っ黒なアスファルトの様子を眺めているけれど、そのほぼほぼ全く隙間なく埋め尽くされているように見えるし実際靴の裏側からもそれを感じない。口を紡いだままにその中を動かしてから、わずかな声を出して、ハリーの方から顔はそのままに視線をそらした。


「ごめん、もう私、帰らないと」


 その言葉と一緒にすぐに踵を返して施設がある方へと体を前のめりにしながら小走りで進もうとした途端、私のおでこが髪の毛でこすれるのを感じるけど、その数秒後にはうさ耳パーカーを抱えてた両方の腕のうち右側をハリーに掴まれて。それのせいで足だけが前に行くみたいになって、体のバランスが崩れそうになる。


 でも、向こうが体を使って私を支えるみたいにしてくれたおかげで、すぐになんとか体をまっすぐにすることができて、それの後に体や服を整えながら体をそっちへと向けると、ハリーがほかの指を握り締めるみたいにしたままに右側の親指を横へと向けるようなポーズをしてた。


「いんだよ、ちょい付き合え」


 頭文字を少し上げるみたいにしたままに声を出したハリーは、後半部分を言いながら少しだけ大股にして歩き出す。そして、私もその後を小走りで追いかけるみたいにしていると、すぐにそばへと到着して。ハリーがそこにあった小さな自転車置き場の中でも石壁の影で暗くなっている場所に置いてある、砂ぼこりと水垢が出来上がっている銀色のママチャリを取り出すと、その骨組みの部分をわずかな声を出しながら持ち上げてて。それを地面の上に戻すタイミングで息を吐いてた。


 持ち手を持ちながら前へと押してからペダルを一度回すハリーは、それと一緒に小さく「よし」とつぶやくと、それと一緒にもう一度スタンドを立ててた。


「ちょっと、それ……」


 一歩だけ足を前にするみたいにしながらハリーの方へと近づくこっちに対して、そっちはドライバーを見せつけると口と目を横に広げながら笑みを作ってくる。それに対してこっちが首を見せながら息を飲むみたいにしているのを無視してしゃがんでつけてある鍵の部分へと向き直るみたいにしてた。


 それからこっちからだと手元は見えないけど手を動かし続けるその姿を私はずっと少しだけ口を開きながら見つめ続ける。それも数分もしないうちに外れたら、それで持ってたカギだったものを背中側にある石壁の上へと放り投げるようにしていた。それから腰に両方の手を当てながら笑みを作るそっちに対して、私は喉を押し込むみたいにしながら口を閉じる。


「どうせ誰かが盗んだ奴だし、なんならもう捨ててあるやつだよ」


 そういいながらハリーはかごの中に入ってた空き缶を外へと投げ捨てていて、それとともに中が開けっ放しになってたせいか、地面を転がる音がするとともに高い音が何度も聞こえ続けてた。転がるそれから何も出てこないのを見てから視線を向こうに戻すと、ハリーが荷台を持ち上げながら後輪の位置を変ええて。そのまま私の方へとそれを伸ばす向きになった状態で置いてた。さらに、ハ自身もこっちに背中を向けたまま首と肩を振り返るようにしていて、それから顎を使って乗るようにこっちへと指示してるみたいだった。


 またもう一回息を飲みこみながら唇が苦しくなる気分を味わってると、それに対して向こう側ではもう自転車に腰を下ろしてるハリーが腕の横から口を少しだけ横に広げるみたいにしながらこっちを見てて。それに対して瞼を落っことして下を見ながら目を皿みたいな形にしている私に対してずっとおんなじようにしてた向こうは少し経ったと思ったタイミングで早口ぎみに「早くしろ」と言ってきたのが聞こえてから小走りでそっちに近づいて行って。荷台の細い棒に強く体重をかけるみたいに肩を横へと張ってから、いったん脇に挟んでたうさ耳パーカーに袖を通していくとチャックを締めた後にお腹の少し上の辺りで指同士を絡め合うみたいに数秒間動かし続けた。


「やっぱお前はそのほうがしっくりくる」


 鼻から息を吐きながら口の中の歯を見せつけてくるハリーは背筋を伸ばしてわずかにおでこを上へと持っていくみたいな表情をしていた。それに対して私は一回後ろに回り込んでから足を横へと広げてその上に座り込む。それから、数回お尻を前後に動かして場所を安定させるのをそっちに顔事向けることでやってると、自分のお股の前辺りに両方の手のひらを乗っけるみたいにしてた。


 それが終わってから同じ姿勢でいたら、ハリーがスタンドを蹴飛ばしたタイミングで重心が後ろ側に行きそうになってその瞬間に目の前の肩を掴みながら目と口を開けるように。それから息を吐いて顎を一気にそっちへと近づけると、肘を自分の体と向こうの背中で挟みながらいたけど、そのあと自転車の勢いでフードが外れたのに気づいたタイミングで片手でそこを押さえるみたいにした。




 それから数十分後、雑草まみれになってる川の堤防の前にたどり着いたタイミングで一旦自転車を傾けながら片足をつくハリーはもう片方をペダルに足を乗っけたままになってて、両側の膝に両手を乗っけるみたいにしてる姿を見てたら、私も少しだけ小さく息を吸い込むみたいにしてると、自転車から降りてハリーからも体を放す。そのまま両方の手を落っことしたままに体を少しだけ前のめりにしてて、正面にある背の高い雑草たちが風で左右へと一定間隔で揺れ続けている姿を見てると思ったけど、よく見るとそれらはすべて向きも揺れてる大きさも異なるのに気づいた。


 そして、空を眺めるとそっちではさっき公園で見てた時と同じような青空の上で白い雲が少しだけ浮かんでいる様子をじっと見つめ続けるようにしていると、少しそっちがまぶしてくておでこのところに手を当ててた。それに対して、指同士の隙間から太陽の光が漏れ続けていて歯を押し付けるみたいにしてると、ハリーがまた軽く掛け声を上げながら自転車の傾きを元に戻したら、またこっちへと振り向いてくる。


 手をおでこから放してから体との隙間を作るみたいにして少し放している腕を伸ばしてるこっちに対して、向こうは手から伸びてる前腕を持ち手に立てるみたいなポーズをしてて、それに対してこっちはその体が向いてるほうへと視線を向けると、堤防はどこを見ても雑草まみれでどこにも土やコンクリートの姿が見えない。それへとずっと視線をまっすぐに向けたままにしてると一度息を吸い込むみたいにしてた。


「なんだよ、先輩を舐めてるのか?」


 鼻から息を吐くみたいにしながら首を曲げつつ顎を持ち上げる姿勢をしているそっちは最初の言葉の語尾は少し伸ばすみたいにしてから、次の言葉は口を大きく開けるみたいにしながら息を吐てて、その後は持ち上げながら伸ばしてる音を出す。さらに、自転車の持ち手に体を乗っけたまま後ろに下がってこっちの横に来ると、右肩の堅いところに手の平で触れてくるみたいにしてくるそっちに対して、私は一歩反対側の後ろに下がりながら自分の左手を反対の二の腕に当てながらそっちの肩を顎に寄せる。


 それから口を開けてそこから言葉になってない声を出しながら少しだけステップを踏むみたいにしてると、そっち側の肘も自分の体にくっつけるみたいに。それからも飛び跳ねるみたいに数歩後ろに下がるけど、それからお腹をひっこめるみたいに体を前のめりにしてしまった。


「そういうわけじゃないって」


 少し早口目に抑揚をいつも以上に着けて話してるのをいつの間にか出てるのに気づいたら視線を上にあげて。それに対してハリー鼻から息を出しながら頬を横へと広げる。それから両方の肘を持ち手に重ねたままさらにその上へと顎の手前辺りを乗っける。さらに、顔を横向きに傾けて私の方を見てきたら、少しだけ肩を後ろに下げるみたいにして勢いをつけてから進みだして、荷台の上に乗っかった。

読了ありがとうございます。

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