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Lunatic  作者: コンテナ店子
第二部前編
81/216

第80話

 宿直に連れられてスーパーの駐車場で止まってた車に戻った私は、一瞬だけ後ろに振り替えると杏がいる少し向こうで店員が両方の腕を組んだままにじっと睨むようにこっちを見てて、それのせいでずっと自動ドアが開いているせいか呼び込み君の音だけが遠くから聞こえてくる状態だった。そしてすぐに正面に戻すと入り口から一番近い停車場所にいる先生の車以外はもう1台も止まってない周囲の場所を見ていると、夜の冷たい空気を感じたままに空でわずかに残ってる小さな星たちの様子を眺めることになった。


 それから、灰色になってる車のドアに近づこうとすると宿直が助手席に座ったのに気づいてからドアを開けたけど、それから少しだけ下を見るようにする。でも、そっちには同じ色をしている車の外装しかなくて、そこに私の顔が映っているけど、それは上瞼を下へと落っことすような形になっていて、それから後ろで機械が動いているわずかな音が聞こえたとたんに杏が足を動かすのを止めているのが見てて。それからわずかにしか開いてなかったドアをもう一度私が数歩後ろに下がってドアを開けるように。


「杏、ごめん」


 そういいながら視線をそらすようにしている私に対して、そうしていたらまっすぐに前を向きながらシートベルトを締めたままにしてる宿直が一瞬だけこっちを見てるのに気づいて、すぐに開いたままになってるドアのほうへと視線を向けるけど、そこから感じる振動で杏がのっかっていくのに気づく。それから、私も1回ため息をついてからそこに乗り込んだ。


 シートに座ったままにドアを閉じたのに対してすぐに先生は黙ったまま体も動かさずにエンジンを入れてて、それから私は窓の開閉スイッチになっている爪のところを自分の爪でひっかくようにして数回動かすようにする。それに対して、杏はただただまっすぐに背もたれと触れずに背中をまっすぐにのばしたまま。


 そこから視線をそらしてわずかに目を垂らすみたいに横を見てるとそっち側にある窓に私の姿も映ってて、それを見ていたいけれど、うさ耳パーカーに覆われてない銀髪が丸出しになっている一方で顔のところには外から入ってきてる光で隠れてしまっていた。


「木月さん、あの子と会うのはもうやめてくれない」


 一瞬だけ私の名前の途中を持ち上げるみたいに声を出した先生のほうへと視線を向けるようにした私に対して、そっちは車のハンドルを持ったままに肘を曲げた姿勢でいて。背中側は一切動こうとしていなくて、それは赤信号で止まった後も同じで。その姿がその灯りによって照らされていた。


 すぐに早口で進み続けてる声に対して私は目線を横へと向けるようにしながら両方の膝同士を限界までくっつけたままにしている鼠径部のところに自分の手を乗っけてた。それから背中を猫背にしてから上の歯をしたのに乗っけたまま顎を落っことしてた。そして、それから視線をまた自分の側のドアに向けるけど、その視線の端のほうにいる宿直は全然動こうとしない。


「あなたね、あなたの勝手で大森さんをうちで受け入れたの、わかってる?」


 一度ハンドルの上部分に手のひらを押し付けるみたいに先生がしてたタイミングでそれが叩かれる音がして、私も少しだけそっちに視線を向けるようにしてると、口を少しだけ開けながら上瞼を落っことしつつそっちを見ることしか私にはできない。その一方で、もう一度向こうが杏のほうへと目線だけを動かすと、当の本人は先生の背中をただただ見続けている一方で、そっちにはヘッドレストがあるせいでその姿すらろくに見えていない状態であった。


 でも、それでも杏は車の揺れに従うみたいに体を何度も動かし続けている。それを見ているだけで私は今度は口を閉じながら目からは力を抜くみたいにしてしまって、それのせいで口の左右の端も下を向くようにしてしまった。


 それからもう一度頭を左右に振って髪の毛が少しだけこっちのおでこを擦るみたいになってるのに気づいた途端に目線を少しだけ上にあげるみたいにしていると、それに対して杏は私の方を見てなくて。車の動きが赤信号で止まったことによりそっちから照らされてる光に染まりあがっていたその姿をじっと見ることになった。


「杏……」


 私がわずかにこぼしたように発した声に対して向こうは首だけをゆっくりとまっすぐに動かしているのが見えて。それが私の肩と平行になる角度になったタイミングで瞼が眉と一緒に少しだけ持ち上がるみたいに動くけど、それも数秒後には元に戻るようになってしまってた。




 志太さんと会った少し後からずっと血や砂ぼこりがついてる面を腕に巻き付けるみたいにしたままにしてたうさ耳パーカーを外しながらベッドの上へと投げ捨てようとするけど、腕を伸ばしてそれをしたのに一瞬だけ上へとふわっと持ち上がるだけで。それはまた自分の体のところへと戻ってくるだけだった。一方で、杏が私に続いて部屋に入ってきたのが終わったのかそっちから機械が動いてる高い音が聞こえてくるのが止まると一緒に、歯を奥へと少しだけ引っ込ませるように動かした後に目を一瞬だけ閉じてから強くため息をついてた。


 でも、それと同じ瞬間に目を大きく開けてから息を吸い込む。そのまま肩を大きく動かすままに何度も呼吸を繰り返し続ける私が視線をまだカーテンが開いたままになってる窓へと向けたままにしているけれど、そっちから降り注いでる青色の光が窓から入ってくるせいか四角く影の中を切り取ってて、それが私の足元にまで届いている。それに対して、後ろからはいまだ何も聞こえないままだった。


 それから下を向いて瞼を眉と一緒に下げるようにした私は肩へと乗っけるみたいにしたままにしてるうさ耳パーカーをゆっくりと力を籠めないままに抱きしめて。ずっとそうしたままにしてるせいか、外から誰かが歩いてる音が遠くから聞こえてきたり女子特有の高い笑い声とかが聞こえ続けてた。


 さらに顎を上へと引き込むみたいにした後にすぐに振り返って、私が少しだけ肩から背を低くするみたいにしているのに対して小刻みに数歩足を動かしてから杏の体に自分の体重を預けるように。おっちの体を使って自分の顔と前腕を平行にするみたいにしたつもりだったけど、その服を強く握りしめながらしわを作り始めたせいかおでこが前に行くみたいに動いてしまって、それのせいでそっち側が先頭になりながら歯を強く噛みしめる。それに対して、杏はただただ動かずにいて私が選んだ服がこすれるみたいな音がするだけだった。


「杏……ごめん……ごめん……」


 その声をわずかに動かしながらずっとそのままでいると私の方からわずかに曲げて動かした膝が下にずれたせいか地面に落っこちているうさ耳パーカーがこっちの足をこすってくるのを感じ取る。でも、その一方でそこからは何も音がしなくて、だんだんと膝の曲がる角度が大きくなってくるのに合わせて私も膝を床の上に落っことしてしまった。


 杏の服から手を離した瞬間に一気にそうなってしまったせいかその瞬間にはパーカーを挟んで膝が床とぶつかったせいか、低くて小さな音がそこから聞こえてきたけれど、それに対して私は肩を小刻みに揺らすくらいでほとんど何もせずにいる。一方で、杏はもっと動きが少ないのが足の様子から見えてた。




 それから十数分後、折り曲げた腕を枕にした状態でただただ顔を下に向けたままにしてると、そっちに投げてある掛布団とその下敷きになってるうさ耳パーカーがわずかにこっちへと袖とフードだけ見せてきてるのが見えてて。そんな姿をただただ口元を少しだけ動かしながらじっと私は見つめ続けてた。外からは数秒間に1度近くにある道路を車が走っているのか白と黄色が交じり合ったみたいな光が青色の部屋の中を照らすみたいに入り込んでくる。その一方で、たまには自転車で集まっている男の人たちがしゃべりながら漕いでる音とかも一緒に聞こえてきてた。でも、その間も私はベッドがある方とは逆側になる真っ白で規則正しく並んで凸凹としてる壁紙に視線をぶつけ続けてた。


 それから、少し下に向けると、そっちにはミニテーブルがあってそれの上に杏が私に渡そうとしてた小さいクマのぬいぐるみがあって、それが重力に従うみたいに少しだけ下を向いたまま少しで両手足を前に向けた状態でいた。その体勢のせいか背中に生えてる紫色の羽を真横に伸ばしたままになってて、それと一緒に顔の半分の生地が黒色になっている様子もこっちに見せてきてた。


 そんな姿を見てすぐに体を回して反対側の壁を見ようとするけど、その瞬間にドアの外から少し早めの等間隔で廊下を床でたたき続ける音がして。私はすぐに体を起こそうとしたけど、でも背中はそれに従ってくれない。そのまま両方の腕をお腹の前あたりで曲げながらこぶしを自分の顔の少し下の辺りで軽く握りしめ、肘同士がぶつからないようにして腕を重ねてた。


 そのまま1秒に数回叩くほどの勢いで進んでくる足音を聞きながら息を吸い込こんだ後、私は息をしないようにしたままその体の重さを感じ取ったままいて。それから目すらも動かさずにいると、それが最大限に大きくなったタイミングで瞼の中を少しだけ大きくするみたいに動かしたら、その瞬間に心臓が小さくなるのを感じた途端に一瞬だけ足音が止まったのに気づくとそれも意味もなくドアノブが開けられて頭を抱えた。


「木月さん、あなたに電話。志太さんって人」

読了ありがとうございます。

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