第78話
警備員によって連れられた事務室の薄暗い天井に照らされる照明よりも青色のデスクトップを映してるパソコンの光の方が大きいせいか、辺りの照明は緑色に近い色で染まったままになってて。でも、体を僅かに前のめりにした私の体のせいで出来上がってる影によってまっすぐに地面へと垂直に近い形で立てられてる足も、それの上に乗っかってる両手もそれの色に染まりあがってて。そこに置いてある手も指同士で組み合わさったままずっとそこで同じ形でいる。
一方で私の斜め後ろにいる杏の気配は全く消えることがなくって、それに対してその影が私のと混じり合ってよりこっちの体の影の色を濃くして。でも、それに気づいてからも目を少しだけ大きくしたままにしているのと口をギリギリくっつけたままにしている顔の形は一切変えずにいた。
それから、私の横から小刻みに音がしたのに気付いてそっちを見ると、私と同じ机に付いてるハリーが自分のおでこを滑らせるように髪の毛に手を入れててさらにはそこを少しだけ立てるみたいにしてる。さらに、そこから伸びた膝を机の上に立てたまま貧乏ゆすりを繰り返してた。
そっちをしばらく見てたけど、それから数秒後に反対側からもっとゆっくりだけどそれよりも大きい音がして。でもそれで私が振り返るよりも先に前にある机の正面はもちろんのことハリーのことも覆い尽くすくらいの影が出来あがったと思いきや、それに対して私は上へと首ごと向けるみたいにしてて。それから少しだけ口を開けるようにしたままそっちの方を見てるけど、そこにはさっき店員さんが着けてた赤いエプロンを白いワイシャツの上に着ている姿をした男の人がため息をつきながら椅子を自分の後ろに引っ張って座り込んだ。
大きく足を開きながらこっちに向けててさらにはその膝の上に肘を乗っけることで前のめりになってるそっちを見ると、自然と視線がわずかにそこからズレるみたいになってた。
「それじゃあ、親御さんに連絡するから、連絡先教えて」
私はその言葉を聞くと一緒に目に力を込めながらその中が震えるのを感じつつそのままそこを閉じてるのに対して、ハリーがすぐに机へと肘をついてたと思ってたそこに思いきり両方の拳を叩きつける音が聞こえた途端に背中をまっすぐに伸ばしながらそっちに視線を向けるようにしているのに対して、私はわずかに息を吸い込むようにする。
でも、それから口を少しだけ開けるみたいにしちゃったせいで、それも漏れてって、それから右手の肘を折り曲げながら左手でパイプ椅子の端を掴むようにしているのに対してハリーは肘と拳を机の上に置いたまま髪の毛ごと顔をその面へと向けている。さらに、机へと向けて何度も呼吸をぶつけるみたいにしてた。
「警察、呼べよ」
ハリーの息以外何も聞こえてなかった部屋の中で、1単語ずつ呟くみたいに発せられたその声で、私は眉を一気に持ち上げさせられて。そっちに向けて少しだけ腕を伸ばして指を持って行くみたいにするけど、それにほとんど力は籠ってなくてまだ肘も曲がったままだし指も関節だけが少しだけ持ち上がるみたいにしている。
でも、その一方でハリーはこっちの動きに対して何もしてこないどころか、さっき話した時も口が動かしてたのかも全然わからないままだし、それどころか、今も目を閉じたままずっと机に体重を預けるみたいな姿勢のまま。顔もほとんどが髪の毛に隠れたままになっててほとんど見えない。
「あれだけじゃ足りねぇってのかよ!」
その声と一緒に片手をまっすぐに立てたままに手の平を使って体を立てたハリーはそれで椅子を少しだけ後ろに下げる音と一緒に膝を曲げて立ち上がると共に、顔を下へと向けたままに机の上にいる片手を握りしめてて。そのまま顔をおでこを前へと出すみたいにしてた。
それに対してゆっくりと伸ばした手を落っことしてくみたいにしてるこっちは、そのまま1回だけ口を開けるようにしてたのに対して上のを戻していくようにしてた。そのタイミングで、向こうが振り向いてそのまま手にパイプ椅子を持つと、それをたたんで脇に挟んで運び出し、デスクトップが映ってるモニターの前に行くと、椅子の足を持つようにしてから一気に振りかぶってて。
それに気づいた途端私も息を強く吸い込むみたいにしてから小走りでそっちに近づいていこうとしたけど、向こうの肘と椅子が動くスピードを見てから一瞬で両方の手を限界まで握りしめて、そこを熱い痛みが通るのに気付いた途端、摩擦でもっと足の裏が熱くなったのに気付いた時には両方の手でハリーの振りかぶってる片方の手首を持つようにしてた。
「ハリー……!」
喉を使って限界まで声を張るようにして出した最初の音に対して、その後は少しだけ小さくするみたいにしながら伸ばしてって。さらにだんだんと眉同士を近づけるみたいに力を入れながら息を吸ったり吐いたりを繰り返している。
一方でハリーは体は同じ姿勢のまま首だけを動かしてこっちを見て来てるのに合わせて何度も体を上下に動かし続けていて、それを私は両手の感覚から味わうことになった。でも、向こうから何も言ってこないせいか、周囲からは音が聞こえて来るのはパソコンのファンが回っている音だけだった。それがただただ、私も杏もハリーもをただただ通り過ぎるみたいにゆっくりと聞こえて来てた。
「……私が東雲を倒せたのはハリーやみんながいたからなんだ」
今度は言葉の1つ1つのたびに言葉を切るようにしながらその言葉を発してくのと一緒にゆっくりと息を吐き続けてると、それに対してハリーは歯を強く噛み締めているのが口の動きの変化で気付いて、それから私の腕を振り払うみたいにこっちがいる方とは視線を逸らしてて。それから、勢いよく腕を落っことしたままにしているのに対して、そのまま誰もいない場所へと椅子を捨てるみたいにしてる。
「くそ!」
足を1回踏みしめるみたいにしてから少しだけ呼吸を繰り返すみたいにしているハリーの姿を見て、私もあげてた手を少しずつ落っことしてくことで、最終的には自分の胸と同じ高さくらいにしてそれの前辺りで少しだけ開くみたいな形にしておく。それから口を少しだけ開けたまま眉を落っことして息を吐くみたいにしてると、鼻の下を少しだけ伸ばすみたいに上唇を下唇に重ねた。
それから私はハリーに背中を向けてうさ耳パーカーのポケットに手を入れるとそこの温かい感覚を味わいながらそれの中にいるスマホのボタンへと触れていると、視線を前へと向けて、だんだんと暗さを増していくそっちは在庫置き場になってるのか段ボールがそのままになっておいてあったり飲み物やトイレットペーパーとかの日用品がそのままになっているのを眺めてたら、それが遠くまで進んで行ってるのに気付いて、しばらく目線がそのままでいるのに気付いてからそれを左右に振って元へと戻るけど、それに対して男の人はため息をついているだけだった。
でも、そっちから私が視線を逸らして椅子に膝を擦り付けて腕を内側へと寄せるようにして膝よりも内側の辺りに乗っけたままにしていると、その瞬間に遠くにあったドアを押しながら駆け足でこっち側に入って来る音が響き渡る感じで聞こえてきて。そっちを見ると少しだけ体を前のめりにしながら息を吸ったり吐いたりを繰り返してる黒髪に青色のシャツ姿とクリーム色のパンツ姿でいる男子が手を少しだけ前へと出しながらこっちを見て来てた。
「心愛さん!」
その言葉と一緒にその男子は私や男の人や杏の横を通り過ぎて、ハリーのすぐそばへとやっていくけど、それに対して当の本人は腕と足をまっすぐに落っことしたまま視線を反対側の斜め横へと反らしている。それに対して私は数歩だけ足を近づけるようにするけどそれで男子の影になってしまったせいでそっちが見えにくくなってしまっていた。
それから、少し早口目にその人が話しかけていくけど、その言葉に対してハリーが何も答えていない。
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