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Lunatic  作者: コンテナ店子
第一部後編
70/216

第70話

 私の雷の伴った拳を相手の鼻あたりへと叩きつけたことで、東雲は顔が下に押し込まれた上に、それの勢いのまま体が地面へと叩きつけられただけでなく、そこを滑るような勢いで遠くへと飛んで行っていた。それに対して、滑っていく低い音を感じながら、私はすぐに地面に大きく足を開いて止まり、それから駆け足でそっちへと近づくと、向こうは両方の腕を斜め下へと開くようにしながら地面について、肩を両方の手で持ち上げようとしているけれどその瞬間に私の体を大股で走ろうとした途端に体を前のめりにすると、それと共に数回腕を回転させるようにしながらも、すぐに元へと戻る。


 それに対して、向こう側はある程度背中を持ち上げようとしているのに対して、そこの全体に私の青紫色の電撃が走り、途端に低い声を小刻みに出させるようにしている。しかし、そのまま喉を激しく鳴らすようにしているそっちは私の方をにらみつけてて。でも、こっちは足を飛ばしてあおむけになってる上に跨る。それから左手を握りしめて上へと持っていくようにすることで、何度も息を繰り返す。それに対して、もう片方の手は未だ床の上に力もなくそこに放置するだけ。


 おうしている間も、私は何度も体を呼吸に合わせて動かし続けていると、一度大きく吐いたあと、そっちの顔をもう一度見ると、鼻が真ん中の辺りで潰れている上にその辺りで赤紫色の火傷が露わになっていて、喉を吸い込みながらそこが一瞬苦しくなるけどそれと共に何度も呼吸を繰り返して咳き込んでしまった。


「私は……いや、ここまでこれたのは、みんなのおかげだ」


 東雲の私をにらみつけながら体を肩の辺りだけ持ち上げてくるようにしているのに対して、下を向いて自分の膝をまっすぐに見つめるようにしていた。そうしている間も、鋭い呼吸音や電気でしびれ続けている音は聞こえているけれど、それを縫うように目を瞑って向こうに聞こえてるか聞こえないかのような音でつぶやく。


 それから、眉を下に落として肩を数回動かしてから正面に目を戻す。それで1秒だけ東雲の方を見てから、体を前のめりにした。


「お前がずっとバカにしてた世古島やハリーやマナやコアラ、倉敷さんも、メアリーやクラリッサ、セレニア……」


 全力で言葉を何度も発し続けたせいか、一気に早口で、自分でも聞き取れたかどうか怪しいくらいのペースで話しているに気づいたけど、セレニアの名前が言い終わったタイミングで、両手を落っことしながら何度も呼吸を腹で繰り返す。


 それから、髪の毛越しになりそうな位置から東雲の体を起こそうとしている姿を見つめながら、左手をもう一度大きく振りかぶる。それから、中に入れている指に力を籠めるようにしていると、それと一緒に目を閉じそうになってそれから腕を上げたまま自分の肩よりも腕を高くするようにしていると、それから電気が小刻みになる音を数回聞いてから、一気にそれを振り下ろした。


「杏がいたからだ!」


 喉を全力で立てるようにするだけで大声を出すのに対して、東雲はその勢いに合わせて顔の向きを変えるようにしていると共に、その口から床に向けて血を吐き出すようにしている。そして、顔はそっちに向けたままに、目線だけでこっちを見る。しかし、敵はその姿勢のまま何度もわずかにこっちに首を見せるようにしている。


 それに対して私は、体をそっちの方に覆いかぶさりそうな勢いで倒れそうになるけど、それと共に、腕をまっすぐに立てて耐えて、でも、その瞬間に右手がまた自分の体の重さに耐えきれなくて倒れそうになる。なんとか肘を曲げることで耐えきったけど、でも、それのせいでこっちの胸辺りに東雲の顔が来るような位置になって、それから、私は上半身を立ち上げるようにする。


 それに自分の頭にも脂汗が多く浮かんでいるのを感じてからもう一度視線を戻すと、東雲の顔も同じようになっているのに気付く。しかし、向こうも向こうで体をなんとか立ち上がらせようとしている。それに対して、私はお尻を一瞬だけ浮かしてそれを下げてから、思い切り腕を重りにしてから腰の辺りを使っておでこをぶつけて東雲の動きを止めた。


「メアリーが私にスマホを持ってきたら、クラリッサがスマホで動画を撮影することを提案したから思いついた! セレニアが私にカイジを貸してくれたから部屋を傾ければいいってわかった! 世古島が最初に私の力を信じてバズーカをぶつけて来たからこのパワーなら部屋を傾けられると思えた! マナが私の面倒を見てくれたから電気を落としてお前の注意を振動から反らせた! ハリーが最後の力を振り絞って私を送り出してくれたから、コアラがエースを助けたくて応急治療を勉強してたから! だから……」


 一度呼吸を整えながら、持ってた東雲の胸倉をもう一度強く握りしめて一気に自分の側へと寄せて大きな声を出した。


「杏が、私がどんな姿であっても、どんなにダサくてもかっこ悪くても私の事をずっと信じてくれたから! だからオタクでいられたし私をここまで連れて来てくれた仲間と出会えたんだ!」


 もう一度おでこをぶつけるような距離で、私は東雲の方へと一気に自分の体を近づけ、そこで唾液が吹き飛びそうな勢いで大声を出す。それのせいで、もちろん、自分の耳にも引っ掛かるような痛みを感じるけど、それに対して、向こうは歯を食いしばるようにして目をさっきまで同じようにその周りで黒い影を作りながら細い目でこっちを見て来るようにしているだけ。


 でも、私も東雲におでこを叩きつけているような姿勢のまま強く力を込めているのを辞めない。それどころか、おでこをより押し付けるようにして力を強める。さらに、自分の目元にも閉じないぐらいにしわを作ったら、もう一度視線を下に落として東雲の潰れている鼻とその辺りにも私のせいでおでこから血を溢れさせている姿を見せていて。でも、それを見てから、私はまた強く呼吸を吸い込みなおした。


「私ら底辺のゴミだって誰も相手にしてくれないけど、それでも生きてんだ! 生きてる人間、舐めんな!」


 最後の言葉を言う前に、もう一度、息を吸い込んで、それを自分の中に入れる前に全部吐き出すくらいの勢いで言った。それから、手を東雲から放すと向こうはそのまま自分の体を地面へと落とし、その後虚ろな表情のまま同じ体勢でずっと視線を上に向けたままにしている。しかし、こっちも、ゆっくりと息を吐きながら眉を落としたまま動く方の手を鼻元に押し込むことで目の間に平を当てた。


 そうすると、周囲からは、培養ポッドの中で溜まっている水の中を上昇していっている水の音が小さく聞こえているだけになるけど、私がわずかに体を動かすたびにそれに従って足も動いたことで、その下にあった砂も擦れてその音が聞こえて来る。でも、そっちの方をわずかに見ようとして肩と瞼から重りを落とすようにして息を吐く。しかし、その一方で、私の左右にあるポッドに浮かんでいる生き物たちの様子を目線を左右に動かすことで交互に確認していく。その姿は以前とは打って変わり非常用の赤色のライトに包まれているが、それは私も同様で。ゆっくりと蛇のように左右へと揺れながら歩いていくせいか、腕やうさ耳パーカーのマントがそれと闇の中に混じり合うのが交互に繰り返されている。


 しかし、顔を上げることで見えて来た何度も浮かぶことで上下を繰り返している杏は、未だ片方の腕を機械で代用しているようで、それを見ているだけで息を強く吸い込んでしまいそうになる。その管が身体中に刺さっている姿も見させられながらも、すぐに杏のいる培養ポッドの前にある電子盤へと触れようとするも、そこにある画面で表示されたボタンにカタカナで書かれている文字はどれも意味が分からなくて私は左右へと目線を動かし続けることしか出来ないと思った矢先のことだった。


 目を大きくした数秒後に、ジャンヌオルタの衣装が熱く濡れだして、その直後に喉が切れてしまいそうな勢いで声が出ると、そのまま一気にしゃがみこんで、痛みが一気に溢れてる場所を抑えようにも、そっちを支えようとするとドローンの羽根でえぐられた場所が自由になってしまい血がまた吹き出しそうになってしまう。


 それに対して腰の近くを肘で、脛の方を平で抑えようとするのに対して、口を大きく広げるようにしながら、気づけば目から何度も涙があふれて来てしまい、身体中から汗も出て来てしまう。それなのに、体は全身が冷たさで包まれているみたいだった。


 視界が何も見えないほどに涙も多いし、そこに力も籠る。しかし、それでも私の手の平から次々と溢れ続ける血は一切収まりそうにない上に、頭の中で何度も鐘が鳴るみたいな音を感じ取るはめになってしまった。


「こいつは……魔法の武器じゃない。政府から私に支給されてる物であります」

読了ありがとうございます。

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