第55話
東雲の背後にいるあまたのドローンから一斉に発射された銃弾の進行方向全てを防ぐために魔力をどんどん込める量を強くしていく。それのせいで私は眩しさで目を背けそうになるけど、そう思った瞬間にそこから甲高い音が耳を貫いたと思った途端に、その衝撃に伴った真っ白な光が私たちの元へと一気に降り注いで、腕でそれを反射的に防いでしまい、その瞬間に私の正面にあった魔法陣の光が弱くなったのに気付いたら、すぐに戻そうとしたけど、それよりも早く炎に包まれたドローンがこっちに飛んできて、それが障壁とぶつかった途端に爆発四散。より大きな音と共に爆風が魔法陣と一緒に私を吹き飛ばした。
そのまま体制を崩したせいで、私は肩から床に激突する上に、それでバウンドするせいで余計にまた後ろに飛ばされる。その後は、手を着地させて受け身を取るためにそっちへ伸ばそうとするけど、平を床に付こうとした途端にそこへと想像以上の重さがのしかかるえし、床と擦れあったせいで肌が激痛を感じ、また肩からバウンドさせられて。そのまま叩きつけられた。
「杏!」
うつ伏せに倒れたまま顔を持ち上げて肩だけを床から離すように顔を上へと持ち上げるけど、杏は未だ炎に包まれたドローンが向かってくる軌道の下にいて、その風で髪の毛や服が揺れていた。それを見た途端すぐに立ち上がるも、そう考えたのとほぼ同タイミングでさっき突いてしまった腕をまた地面につけたせいでその痛みで肩を落っことす破目になった。
それで、床に伏せさせられてしまい、リングが私のいる位置よりも高い位置にいるせいで、正面を向いても杏の姿が見えなくなってしまう。でも、こっちへと次々と隊列を組んで突撃してくる燃えるドローンは嫌でも気づかされると、それと共におでこの横を一滴の汗が滴る。眼と歯に強く力を込めてから体を強く回転させて床の上で肩と尻を回して転がり始めようとしたけど、その次の瞬間には、床にぶつかった爆炎が私のすぐそばにも飛んできたと思ったその直後に、私の体はまた空中に吹き飛ばされて、次々と床が破壊された破片が吹き飛んでくると共にそれが自分の皮膚に突き刺さる。またそれで身体中から血が噴き出ると共に、壁に体がぶつかってしまい、それと共に身体中の骨に強い振動が起きて、口から唾液と今日食べたものが血に染まった状態で噴出した。
私の体がぶつかった衝撃で壁がえぐれ、そこにクレーターが出来ありひびが幾度も入る音を感じながら、激しい呼吸を繰り返す。しかし、それに対して、さっき私がいた場所に落っこち続けていたドローンがその少し上で方向転換をし始めて、次から次へとこっちへと向かい始めるのは見える。でも、私は両腕を大きく広げたままそこに張り付けられた状態でとても動けそうになくて。喉をなんとか通すくらいの勢いで激しい呼吸を繰り返す。でも、その間も敵の兵器は次々と羽根を回転させる音を立てながらこっちへと突撃を繰り返していた。
でも、そっちへと視線を向けた途端に、虚ろな視界の中で、一カ所だけリングの色よりも白く特徴的な場所があるのに気付くも、杏に対して目を大きく開こうとした途端にもうドローンが目の前にまで迫ろうとしていた。それからずっと何度も呼吸を繰り返している間、後頭部を壁の上で滑らせると共に、力をほとんど入れないままに目を閉じて、それが終わったと思ったタイミングで、一気にそこに力を込めながら、両手を内側へと向けつつ、敵の爆弾が迫る勢いを風で髪の毛が押し込まれるのを感じた途端に両方の手に力を込めて。それから、四肢の先端同士で電撃をため込むと、それをお腹の辺りで集結させて一本の鋭い線にして発射。しかし、それのせいでさっきよりも激しい突風が私の体へと押し込まれて。体に込めてた力が一気に抜けながら目と口を大きく開けることになった。
そして、そうしてる間にも、爆風と一緒にマナやコアラはもちろんのこと、ハリーたちの爆風を超えるほどの大きさの音が聞こえて来たタイミングで、体が床に落っこちて、足で着地した後に膝を曲げたままにそっちへ向けて名前を呼ぶ。でも、さっきバウンドした時に突いた衝撃で折れそうなほどの痛みを味わった右腕がとても動きそうになくて、それを重力でそっち側の肩と共に落っことすようにしてる。
もう片方の手で右の二の腕を自分の側に寄せるようにしながら、もう一度世古島たち5人の名前をもう一度呼びつつ、上部にある細かい穴をあけている金網の下へと歩いて進もうとするも、体のバランスをうまくとることが出来ずに、右斜め前へと進みそうになりながら転びそうになる。しかし、足を前へと出しながら左側の目を強く瞑った。
その後、もう一度そっちへと小走りで近づいて、ずっと上を向くと、支えていた柱の中のいくつかと、壁と接した面の留め具が破壊されていたせいで、その足場全体が大きな坂になっていて、それを見ているだけでその砂煙の近くへと足を大きく近づけようとしたら、そっちからも足音が聞こえてきて、より急いで向かった。
「北川!」
たった1人でこっちへと歩いて来た北川は、少しだけ目線を左右に反らしながら腰のあたりに両手を当ててこっちに近づいて来てる。その姿を見た私は、口の両端を僅かに頬の方へと近づけることでそこを膨らますように。それに対して向こうは、鼻からちょっとだけ息を吐くようにしている。しかし、辺りに立ち込め続ける砂煙は消えることがほとんどなくて。それを払う様に向こうは二の腕の辺りをもう片方の手では炊くようにしていた。
周囲からは、元々東雲が乗っかってたゴンドラの骨が破壊されたのか、それの残骸が赤い火花を音を立てて飛ばし続けている上に、その黒い影を煙の中に映していた。しかし、それ以外に見えている物が東雲のドローンの自爆によって燃え盛る炎だけになっている。そんな光景を見ているだけで、頭の中が真っ白になりそうだったが、呼吸を使って無理やり整えてた。
「今のは中々良かったんじゃない?」
首ごと動かして左右を見ていた北川が少し顔を左上に向けるようにしながら流し目でこっちを見て来る。そして、それと一緒に、たった2秒くらいで止まることもなくすぐ言い終わったと一緒に少しだけあげるようにしているその声を出した。それに対して私は、喉を一旦開くようにしてからすぐに声を出そうとする。そして、それと共に辺りを見渡して、自分がいる場所を確認しようとするけど、そっちにはもう煙で見えなくなっている箇所しかなかった。
「急ごう、杏の方に行ったらすぐに戻る」
勢いよく正面にいる北川の方へと視線を戻しながら最初の一言だけを発して、すぐにその後体を翻しながら横に向けて進み始めようとしつつその続きを少しだけ早口で続けた。
その後すぐに私はまた等間隔で呼吸と足と手を動かすように小走りでリングがあると思う方へと近づくも、そのほんの数秒後にはゴンドラの残骸の元へと来そうになっていた。
それから、安全な距離で熱さを感じながら迂回しようとしていたタイミングで北川の声が聞こえて来た。そっちに一瞬だけ振り向こうとしたけど、そっちにいるであろう世古島たちのことを想って、一歩だけ強く力を籠めることで、目を瞑る。その後すぐに開けて、また同じような姿勢で歩き出した。
「やるねぇ、でも私にもちゃんと残しといてよ」
そっちを振り返るも、もう既に煙でそっちの姿は見えなくて。そっちを止まってみようとしてしまったけれど、すぐに顔の向きを変えて逆方向に駆け足で近づこうとする。それと共に、私のシューズが地面を叩く音が聞こえて来るも、それが地面やすぐそばにある鉄骨の中にまで響くのを感じて喉を強く締め付けることになるも、それに合わせて足のペースを落とすことはしない。そして、鉄骨がなくなる場所を探しながら、完全に地面へと向かう形になっている元は足場だった坂道の方へと視線を向けていた。
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