第46話
しばらくその場でお尻と足の裏だけを床の上に付けたままにして、太ももと肘を重ねるようにするけど、周囲の空気はずっと動く気配がなくて。辺りのからはわずかな呼吸と共に出てくるようなわずかな話し声が聞こえてくるくらいだった。そうじゃなくなったのは、私の体が急に寒さに耐えきれなくなって震えあがるように動いてからだった。でも、周囲からはそんな感覚がなくて、目を開けても、私の黒いままのジャージと同じ色のうさ耳パーカーに覆われたそれしかなかった。
唯一、それと違うのは私のおでこと触れ合っている関節が硬く主張してくる指くらいだった。そこは、そっちにも硬く引っ掛かってくる一方で、そっちだけでなく、肘側にも同じようになってきている。しかし、そのままいたら、パーカーのわずかな隙間から呼吸が溢れるかのように首元を押しこんできて、そこが冷たくなるのを一瞬だけ感じたけど、それも本当に数秒間で消えていなくなった。ただ、その後も、周囲の寒い空気と混じり合うようになってしまっているだけ。それから、口元と目に強い力を込めてたからまっすぐに体を立ち上がらせると、両方の手を横へと開いていく。
それから、しばらく呼吸をしないでいたけど、音をさせないように少しずつ鼻を動かして行ってから、目を開けていくと、私のそばに来ていた姉御の人の仲間達はどっちも同じ様子ではない。しゃがんでた方も中腰だった方も、わずかに顔をこっちに向けて持ち上げるみたいにしてて、それから目を僅かに開けるようにしていて、それからうの字になるように口も開けている様になっている後者と、頬を使って口を横に広げようとしている前者。そっちを見ていると、視線をそらすことしかできないけど、またしゃっくりを途中で止めるように、体を引きそうになるけど、それから少しずつ声を出していった。
「あの……」
声を出そうと思ってから、しばらくの間狭くなった喉を無理矢理こじ開けるようにしていて、その後数秒経ってようやく出てきたそれは、私の頭を一瞬で重くして来るみたいで、その直後にそこに両方の手を当ててから、口元で数回呼吸を繰り返して目を抑え込む。でも、それと一緒に横目で2人がいない方へと視線を向けると、そっちでは、ただただ同じ等間隔で並んでいるオレンジ色の灯りが並んでいるだけで、それがわずかに付いたり消えたりをしているのが一部あるだけ。
それを2,3秒間だけ見つめてから、空気を強く吸い込んで、喉を開けてから、もう一度体を戻してまっすぐに。そうすると、2人の様子を上から見下ろすようになりそうだったけど、そう思ったのは私だけで、いつの間にかどっちも立ち上がってこっちと同じ高さになっていた。
「今回のことは、全部……」
何度も体が上下に動くようにしているせいか、想像よりも全然高い声が出て、一気に途中まで言ったせいか、呼吸が苦しくて、1回だけそれを音をさせるみたいに繰り返してから、今度は小さな声を出すだけになってしまったそれが出た。そして、その後周囲からまた音が消えるけど、こっちは眉を下に落とすような表情をしたままになってしまっていて。そのままでいるせいか普通にしているだけで鼻が動いているのを感じ取った。
「全部、私のせい、なんだ……」
最初の単語だけ想像よりもだいぶ大きなのが出てしまったと思ったけど、その後は今度は小さくなり過ぎてしまい、その後はゆっくりと言葉の1つ1つを言っていくようにしていくと、その次の瞬間には、向こうから声がして、わずかに下に向けていた視線が、そっちに引っ張られるようになってしまったら、それと一緒に眉毛も上に持ち上げてしまった。
「知ってるよ、そんなの」
「あたしらさ、正直ハリーにちょっと感謝しているんだよね」
前に食堂とかで話しているのを聞いた時と高さも大きさもほぼほぼ同じままに話していく2人が一度だけ呼吸をする隙間を開けるようにして立て続けに声を出してくると、そっちから視線を逸らすようにするけど、それのせいか出そうになってた謝るための声が出なくなっていた。しかし、でも、両手を下ろしたまま力を込めて、親指を握りしめるくらいの勢いに。でも、それでも私の手首に引っ掛かってるままのパーカーの袖はだまになっているしわを作っているだけで、何も動こうとしない。
「でも……あいつはまだ、不良になってから短いからまだわかんないこと多いだけなんだよ」
私が喉を開けようとした途端、息を吐くようなゆっくりとした声で、2人のうちの1人が話し始めて。そうすると、だんだん私の体から力が抜けていくのを感じて、口元も少しだけ開くように緩む。それに対して話した方は自分の両方の手を腰に置くようにしてからそれを下に引っ張って、それから肩を上へと伸ばすようにしていた。
そんな様子を見てたら、私も開いてた口元をいったん閉じるようにして。数回あんまり力を入れないようにしながら下唇を上唇の方へと向けるようにしていた。それから、おでこを少しだけそっちへ近づけるようにしながら、目を動かしてずっとそっちを見ていると、その間、もう1人の方が足を数回だけゆっくりと、2秒に1回くらいだけ歩くようにしていたら私のすぐそばにまで来て、それから少しだけ背中を丸めることで、こっちに視線を合わせるようにしてきた。
「お前のこと、しっかり見せてやれ」
2回目の先頭にかなり力を籠めるようにして話していくその声は、最初から、さっきよりも低めにしていたせいか、私の体が急に重くなるのを感じたけど、その後、顔を一気に近づけてきたせいか、それが言い終わった後に、顎を限界まで引きながら背筋もまっすぐに戻す。そして、それに気づいたのは、胸元に手を持ってきて、両方の手を重ねるようにしながら、指同士を小さく回すように動かしていたのが分かった後だった。
それから、視線を誰もいない壁の方へと向ける。そっちまでは、まだ私がもう1人か2人くらいは入れるくらいの隙間が出来上がっていて、そこにいるのはわずかに光を反射しているかのような白い光を見せているような砂だけだったけど、それと一緒に私の脇の隙間を無くすように肘を体に押しこんだら、腕とお腹に出来た傷がまた痛みを起こしてくる。でも、私は、両方の二の腕にもう片方の手を添えるようにしながら、背中を丸めて前腕をお腹の辺りに添えるだけにしておいた。
「あの……」
それから、背中を同じ姿勢のまま、視線を下に向けたままにしておくと、思ったより、声が先に大きめに出て、すぐに口を紡ぐ。それから、両方の口を上下に動かすようにするけど、それは重ね合わせたままにしておく。
数秒間そのままにしていると、両方の手を腰に合わせてた方が、そのうちの片手を離してから、そっちの足に体重を乗っけるみたいに体を傾けてから、少しだけ口を横に広げて、もう片方は軽く胸の辺りで手を組むように。
その後私は手の平の先端辺りで自分の甲を撫でるようにしていると、その音が聞こえてきて、すぐにそれから力を緩めながらゆっくりにすると、向こうではなんだか笑うように口元を動かしていた。それを見てから視線を正面へと向けようとしたけど、その後に口から出て来たのはなんの意味もない、言葉になってない音だけで。それを何回か繰り返して喉を開くようにした。
「名前、聞いても、いい……?」
そうとうにうわずってしまった瞬間、周囲から音がなくなって。それから、顎を動かしてそこの通りを敢えて悪くするようにして、それからわずかな声を出す。それと共に、2人は溜めていたかのような声を出してきて。そっちを見ながら口元から力が抜けてしまった。しかし、それに続くように向こうはただただ笑っているだけだったし、それからどちらも体を僅かに前のめりにする様に、お腹の辺りに両手を合わせていた。
それに対して私は、気づいたらまた言葉にならない声を何度も出しながら2人の方を交互に見ようとしたけど、視線が合わさるようになっているたびに、何も向こうは変化することはなくただただ体を動かして笑っているだけだった。
「マジか、あたし、マナ。芦田だから」
「私はコアラ、ワンピのサボ推しだからね」
2人とも鼻から息を僅かに出すようにしながら話していく姿を眺めていたら、私も肩を落としながらゆっくりと同じようなことをしようとして、一瞬それで出た音を感じて溜めようとしたけど、その直後にそのまま吐いていくことにした。それに対して、マナがこっちに対してわずかに体を前のめりにしながらウィンクをしてきたのを見たら、私の重ねていた両手から力を抜いて、曲げていた肘もまっすぐに。それから、両方の瞼を逆の上下に動かすようにして、口から歯を見せるようにした。
マナとコアラの2人と別れる前に、そっちへお礼を言ってから自分の部屋に戻って行った。その間、心臓と肩の間辺りが軽く感じる一方で、そこが心臓の音よりも勢い良く上下に浮かんでいくかのような感覚を味わう。そしてそれは、ベッドの上にあおむけに体を投げ飛ばしてからも変らなくて、自分のおでこに片手を乗っけて、もう片方を何でもない無造作な場所に投げ飛ばしていた。
でも、その姿勢もなんだか納得できなくて、胸元を上下に動かすように数回してから体を回転させたら、そっちにはハリーのそのままになっているベッドがあって。そして、私の前には視線の目の前に両方の手がある。
そして、こっちのベッドのわずかなしわを見つめながらいたら、その影でしっかりと黒さがよく映っているのも見ることが出来た。それに対して、鼻から息を吸った後に口から少しずつ吐いていく。それに対して、周囲からは何も聞こえてこなくて。さっきまではマナたちと盛り上がっていた時の音が心臓や脳で感じ取って。それだけで周囲の寒さを感じ取ったけど、正面に置いたままにしていた手をしばらくそのままに。でも、それから、体を一気に持ち上げさせると、ベッドの縁に両手を置くことで肘をまっすぐに立てた。
その状態で、1回だけ深呼吸をする音を感じ取ってから、右側の肩を回転させるようにすることで、そっちにあるスマホを取って、それを起動させる。2つのベッドの間くらいに立って、少しだけ膝を前に出すように屈伸してから両方の足を肩幅くらいに開いた。
その後、その姿勢のままスマホを片手で持ちつつもう片方の手で指を出しながら操作。それから、前と違って電波が1本も立っていないのに気付いてから、画像フォルダのスクショリストを確認。その中にあるツイッターの晒しのために使ったやつを見た瞬間、心臓が小さくなるのを感じてから、それを消していく。その間、体が軽く持ち上がったせいで、少しだけ呼吸を強くしながらハリーのベッドの方を見ていると、歯同士を強く締め付けるようにした。
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