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Lunatic  作者: コンテナ店子
第一部中編
45/216

第45話

 目を強く瞑り切ったままに声を出したことで、私は一気に下を向いて。喉から無理やり出したせいか、そこがひりひりするし、限界まで細めたそれをずっとそのままにしていたら、ギリギリ暗くなったままに膝の上に置いている手の先端以外がうさ耳パーカーの袖へと入り込んでいるのが視界に入る。でも、それに対して、すぐに私の頭が向いている方から大きな音がしたと思ったら、飛び上がるみたいに私の方へと体を飛ばしているハリーの姿が見えて、その2秒間くらいの間、私はただただ目を丸くしながら体を僅かに上半身だけを使って後ろに下げるみたいにすることしかできない。


 そして、その直後にはまた背骨の辺りが一気に床に押しこまれて、その上を体と共にパーカーが擦れる。でも、それ以上に、私の頭の動きで髪の毛が引っ張られて、その痛みが頭を襲ったと思った直後に、その中の数本が抜けていくのを感じた。そして、それだけでは終わらず、体が地面に叩きつけられた衝撃によってまた自分のお腹の所に出来た傷が痛み続けるのを感じたと思ってそっちの方へと手を持って行こうとしたけど、それよりも先にその上にハリーが乗っかって来た。


 それから、何度も、何度もマウントを取られたまま私の頬に拳がぶつけられて、その度に歯茎を通して脳へと振動が響き渡るみたいで、それと共に視界がぼやけるし、頭の中にものすごく大きなお音が響き渡る。しかし、それに対して私は何も出来なくて、ただただ耳元の辺りを押さえていることしかできないのに、肘で頬を押さえようとすれば、そうなってないおでこの辺りにハリーは拳をぶつけてきて、その度に顔を上下左右に振り回しているようであった。そして、拳を上へと持ち上げている時にその息を吸う音を私の耳にも聞こえさせてくるせいで、その瞬間に心臓が握りつぶされるかのような痛みを実感させられた。


「やってみろよ! はやく! やれよ!」


 唾を飛ばしそうな勢いで叫ぶハリーに対して、私ただただ声を上げながら次々と無造作に投げつけられ続ける拳に耐えることしかできなくて、その度に私の目にも届いた振動がその奥に溜めていた涙を押し出すようであった。そして、ハリーが喉から何も意識せずに吐き出しているかのようなそれが何度も廊下の中で反響を繰り返している。


 しかし、それが小さくなる前にまた違うのが覆いかぶさるみたいな形で吐き出されて、それで収まったと思ったら、私の顔の上にいる肘の近くに顎を押し込みながらその先にさらにおでこを乗っけるような姿勢でいた。それのせいで、私が体を相当小刻みにするかのようなしゃっくりで目の中に溜まった涙を吐き出しているのに対して、向こうは2つの重なった腕の間に大きな声を押し込むように意味もない叫びをし続けていた。


 それに対して私は、顎を強く引きながら口を横に大きく広げて、目を瞑りながらなんとか耐えることしかできない。ただ、その隙間から私が呼吸するために息が何度も行ったり来たりを繰り返してて。それのせいで、高い音がハリーの言葉にならない声の隙間から聞こえて来たと思ったけど、一旦拳が振り下ろされ続けるのが止まった時は、向こうが口を大きく開けてそこから呼吸を繰り返していると、私のが交互に混じり合うかのようで、片方の目だけを出すようにゆっくりと、震わせるようにして横へと動かそうとしたけど。その次瞬間には私の頭を横から殴られて、また隙間から息と一緒に唾液と血が飛び出た。そして、その後に脳の中身が揺れるみたいな感覚をまた味合わされると、それが落ち着くと、また目の中から涙が溢れそうになるけど、その次の瞬間にはもうそれが私の顔と頬の間に溜まり続けていた。でも、それも、また別の方向から拳が飛んできて、それのせいで出来た隙間から溢れて行くのに気付いたのは、喉を震わせるような大きな声で顎がまた痛くなるのを感じる時だった。


 目に限界まで力を籠めることで、顔を引っ張るせいで口が閉じなくて。それのせいでしゃっくりのように体が動くのと一緒に声が漏れるのが止まらない。それでも私の上に跨ってたハリーが手を止めたのに気付いたのは、辺りから聞こえるのが私のだけになった時だった。ただ、それでも、吸うのに数秒吐くのに数秒というペースでゆっくりと呼吸を繰り返しているのと一緒に、私の体を前後に動かすこと数回。それを終えてからやっと目から少しずつ力を抜こうとしたけど、それでも、少し離れたところにある照明が眩しくて、その場で目を閉じることに。


 しかし、その後は、喉と顎の動きがギリギリわかるくらいのでとどめられるようになったおかげで、手の平を頭の下がっていく坂に合わせるように少しずつ視界を拡げていくと、ようやく辺りが見えるようになって。耳の少し上の辺りで両手を髪の毛と重ねるようにしながらも、指に強く力を籠めることで、その間接辺りを持ち上げたままにしていた。


「ハリー、もう、いい」


 少し上ずる音を切りながら話していたのは、私やハリーのすぐそばまでやって来てた姉御の人ので。その最初だけ少し大きめだった物の、だんだん声を小さくしていってたのを、顔を正面の何もなく暗くなったままの天井をなんとか見つめながら聞いた。


 それから、数秒間、辺りからは何も音がしなくて、その間も、私は何度も体を上下に動かし続けていたけど、髪の毛の上を指で滑らせる音がわずかにしたタイミングで、一気に目を開いてしまった。


 そっちでは、ハリーが姉御の人の方を見るように体をひねってたけど、その次の瞬間にはまた肩を落とすように目線を少し下へと下げる。それと共に、顔の辺りを覆うようにしていた髪の毛も落っこちて。そこに影を作るようにしていたし、それ以外の箇所も明るさは周囲の壁と全く一緒だった。


 それから、何とか首を小さく動かしているハリーだが、でも、それらが意味のある言葉に変化することもなくて。それを何回か繰り返した後、その体は余計に力が抜けるようにして私の体へと体重をかけるようにしてきた。その姿は、全く腕が曲がっていないのに、それを体へと添わすかのようにしていて、でも、首回り以外はほとんど真っ直ぐな形になってしまっていて。


 でも、それに対して、姉御の人は足を数歩動かしていると、こっちの視界にも入って来て、その場でしゃがみこむと両手の平を膝の上に置き、上瞼を持ち上げながら前頭部をハリーの方へと近づけるようにしてそっちを見ていた。


「もう、いいんだよ」


 一度溜めてから、それをゆっくりと吐き出すように出された声。それのせいで、私の腰の上に乗っかってるハリーの体がわずかに震えているのを感じてから、私はその姿も姉御の人もいない方へと向けて視線をそらした。


 そっちでは、姉御の人がいつも一緒にいるメンバーはもちろんのこと、そうじゃない人たちも私たちの方を見て来てて、こっちに向けて胸元に当てた手の指を向けていたり、目を僅かに開けながらもその口に込める力を僅かに開けてしまっているような形であった。


 しかし、それらの足は全く動いていなくて、こっちから見て数人くらいの人が入れるくらいの距離感が出来てしまっている。それに、私がそっちと視線を合わせるようにしたら、向こうの方から腰がわずかに後ろに下がるようにしてから視線を見合わせるようにしてしまっていた。


「ハリー、今日はあたしの部屋で寝ろ」


 そう言いながら姉御の人が目の前の肩を触るようにすると、それと一緒にそっちの体がわずかに揺れるようになっていて、後ろへと傾き、その直後にもう片方の肩にも手を合わせるようにしていた。それから、立てるかわずかな声で聞いていたのを、ハリーの腰の揺れで感じ取った。でも、私はそっちを向いたままにしておいて、鼻を吸い込みつつ、そこを震わせて少しずつ吐き出していくようにすることで、周囲の寒さを感じ取って行った。


 それのあと、私の体の上から体重がなくなってから、体の中を一気に膨らませるように周囲の空気を吸い込む。でも、それから、横を向いた状態で私は体を掴むようにしてから、顎を一気に引き込んで、目を閉じた。そうすると、顔だけじゃなくて体まで横を向きそうになって、その場で止まる。


「腰抜け、お前は……」


 その1回の息継ぎもなしに素早く放たれた声を聞いて、そっちへと体を起こしながら振りむくと、そこでは姉御の人がこっち側へと振り返るようにしていたけれど、私が気付いた時にはもう元へと戻ろうとしている時だった。姉御の人はハリーをおんぶしたままでいるせいかわずかに背中が曲がっているようで、いつもよりもゆっくりに足を進めて行っていた。それに対して私は、眉と上瞼を下ろしそうになるけど、ただただそれに従うことしかできなくて、その間、息が苦しくて喉がだんだんと痛くなっていくのを感じたけど、しばらくの間そのままでいたら、喉が鳴るように高い音がして、それでも夜の暗い中に消えていくその姿を見たままになってしまっていた。


「ハリー……」


 2人の姿が割れた人の塊の中から消えていた後に溢れて来たその声を聞いた後、その場でだんだん体が縮こまるように背筋が曲がるのを感じてから、背中を後ろへと出すようにして、膝の上に乗せた2本の腕の上におでこを乗っける。でも、それから肘を落っことしたままでいた。


 そう思ったのに、こっちへとだんだん近づいてくるスリッパの音を感じ取った途端に、そっちへとほんの少しだけおでこを持ち上げるように動かすだけでいようか迷った途端に、背中の上に手の平が置かれたと思ったけど、そこに重さは全然感じなくて、そっちを見ると、いつも姉御の人と一緒にいるメンバーの中の1人が、膝を落っことした状態で、肘を体の前で曲げたまましゃがんでいて、そう思ったらその斜め後ろの辺りで立ったまま中腰になるような感じてこっちを見て来てるまた違うメンバーの姿があった。

読了ありがとうございます。

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