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Lunatic  作者: コンテナ店子
第一部中編
40/216

第40話

 北川が座らなくなったことで広くなったベッドの上で寝返りを打つようにしながらスーツの女性らに背中を向けるようにしてそこを猫背にする。それから頭を抱えて髪の毛の中に自分の両手を入れるようにすると、指がそれをかき分けて入り込んで行く音を想像通りのタイミングで感じ取る。それと共に、北川のサンダルが音を立てながら歩いていくのが音だけで聞こえてくると、私の側にある壁に出来ている影がどんどん薄くなりながらも広がっているのが見えた。その一方で、それとは違う位置にある女性の影はその場で濃い色のまま。それらの下の、ベッドと触れ合っているような位置にわずかな私の黒くなっている影が出来ていた。


 それを目を細めるように瞼を下ろしたままじっと見詰めていたけど、それも数秒後にはやめて、だんだんと目を閉じるようにしていく。でも、そこには出来るだけしわを作らずに力も入れないように。そのまま、視界を暗闇の中にしようとした瞬間、私の体は空中へと持ち上げられて、投げられるようにそこで回転するようになってしまった。そのショックで目が一気に開けられると共に、呼吸で中にいた空気が一気にのどへとぶつけられるようになってしまって。


 でも、そう思ったけど、その瞬間、私の体が掴まれたて、数回咳き込んだ時にはもう硬い物がお腹の傷の所にぶつかるみたいになったせいで、私の両手両足が自分の体にぶら下がったみたいになった。それのせいで、お腹に出来た傷がまた苦しくて。でもそっちを両手で抑えようにも、スーツの女性が私の体を抑えてるせいでそうは出来なかった。


「きたっ、がわぁ……さん……」


 何度も咳き込みながら、その隙間に息を使って声を通していくように声を出しつつ左右を見渡すけど、どっちにも北川の姿は見つけられなくて。ハリーのベッドの上で両方の手の平を枕にしながら寝転がっている姿を見つけられた時にはもう、ドアのノブが回される音が部屋全体でわずかに反響するように聞こえている時だった。それなのに、向こうは片方の手を持ち上げてその平を見せているだけ。それも、私の体が外の冷たい空気にさらされている間にはもう元に戻ってしまっていた。


 そんな風景に、私の眉がだんだん落っこちて来るのを感じて。だんだんため息にもならないわずかな物を吐く。そのまま、口を少しだけ開けたままにしたまま、目の先端同士を近づけるようにその近くだけ瞼を重ねるような感じにした。




 例のリングの中に入った時につかったものと同じエレベーターに同じ姿勢のまま持ち上げられて上の階へと昇った後、ずっと同一のタイミングでドアや柱が続く通路を進んでいくのが、私を抱えていない手で持たれている懐中電灯の明かりだけで見えていると、それによって床に出来ている円の灯りを見つめることになる。でも、その中にも床のタイルに出来た凸凹が影になっている上に、その境界線は影と混じり合っているのが見えた。でも、そうなっていない部分は白色の光に合わせるように床も自身の色である同じ物を見せているようだった。


 その後数分後に、部屋の中に入らされると、それと一緒に数秒間電気が数回細かい時間でついたり消えたりを繰り返してから部屋のそれが完全に付く。その瞬間に、その眩しさで瞼の少し上に腕を合わせそうになって、そのまま数秒間いると、それから、私が横長の足2つに支えられている椅子の上に座らされ、背もたれと座面に取り付けられている硬いはずのクッションが思った以上にこっちの体を吸収するように凹んだせいで、体勢が崩れそうになる。


 でも、それもスーツの女性が私の前にパッドが置かれたのと、その眩しい光が目に突き刺さるようになったせいで、すぐには元に戻せなかった。数回瞼を開けたり閉じたりしてから顔を机へと向けるようにしたままにいると、ずっと等間隔で聞こえてたシューズが硬い床を叩き続ける音が止まった。


「数日ぶりですね、木月流那さん」


 パッドに付けられたスピーカーから聞こえてきた声は、透き通ってて本当にその場で話しているかのようにすらも聞こえるほどだった。最初は目線だけをそっちに向けて相手の方を見ようとしたけど、その真っ直ぐに見つめてくる、オールバックで固めた硬そうな髪の毛と、傷1つない銀色の淵で覆われた眼鏡、そしてしわがどこにもない体にぴっちりと張り付いたスーツを見ていると、すぐに背筋をまっすぐにして両手を太ももの辺りで重ねるようにしながら目を大きく開く。


「別にそこまで畏まらなくていいですよ。以前あのリングの上でお会いした時と同じように」


「あっ、あの、あの時は……その……気が動転してまして……」


 目線を左右に動かしながら肩を上へと持ち上げるようにして上目遣い気味に相手を見ていく。そうすると、両方の腕を組むようにして片方の口を拡げるようにしている倉敷さんは、眼鏡の淵を僅かに光らせるようにしてその反射したものをこっちの方へと向けるように。


 それから、私がいつの間にか出てた早口の声をなんとか止められた時に、その上ずったのに気づく。そのままいるだけで手が左右に無意味に動いてしまうのを抑えるように、手で掴むようにすると、それに合わせて指の付け根にある関節が浮き出るようになる。しかし、私はそれをそのままにするしかなかった。


「私も忙しい物でね、用件は早急に伝えさせてもらいましょう。私とあなたで、東雲アニタを倒したいのです」


 文ごとに一区画開けるように、強調するところを演技なくらいに強調して話す倉敷さん。その声が聞こえなくなると、周囲では音が何一つなくなる。もちろん、私の猫背になった背中の向こう側にあるドアの奥もそれは一緒で、周囲から聞こえてくるのは、私の手で机がわずかに動く音がするくらい。それ以外は私の呼吸するのがあるだけだった。


 それをほんの数回だけで落ち着けてから正面の方を見ると、そっちでは私の姿が小さく倉敷さんが映っている画面の端に出ているのが視界に入って、改めて私が頭を前に出すような姿勢のままつむじを正面へと向けたようにしていた。そして、その下の辺りでは、21時とかかれた字幕が表示されている。それは、しばらく眺めていても一切変わろうとしない。


「あの……」


 目を瞑るようにしてから、そこを僅かに開くようにしながら震わせて、喉を押し込むようにして声を出すようにするけど、その直後には周囲からまた音がなくなる。でも、その間も私は言葉にならない声を喉から少しづつ出していくようにするけど、向こうはそのまま。眼鏡の向こうから今の私ほどではないにしても、細い目をこっちに向けて背筋をまっすぐに向けているし、スーツもそれと一緒になっている姿も変りない。


「すみません……もう、そういうのは……」


 息を吐きながら小さく声を出すのはすぐにでも止まってしまいそうで。目を強く締め付けながら、手にもまた力を籠めることで何とか声をひねり出したけど、それに伴って私に首も右に曲がって壁の方を眺める。そのまま歯の間を通るような高い音を立てて息を数回に分けて吸い続ける。


 限界までではないけど、目に力を込めて、でも、そうしている間もしばらくは向こうから声がしなくて、視界を少しだけ広くするようにすると壁側では、相当に硬そうな塗装が白色でされてて凸凹と不規則な形での突起がこっちに向けて出ていた。その上に、それも光沢を持っていて、フードが肩に引っ掛かって重くなっている体にもそのわずかな光の反射が届いているようだった。それに対して、私の視界の隅にいるパッドの縁は銀色になっているだけで特に変化はない。


「あなたはあなたの目的を達成してくれればいいのです」


 倉敷さんはわずかにこっちに向けて前のめりになりながら肩を出して話して来る。それに対して、私はわずかに息を吐くようにして頬に両手を当てる。そうすると、そこの辺りがわずかにへこんで。こめかみのあたりが引っかかる。そうしている間も少しだけ間を開けてからまた話を進めていた。しかし、それは私が両手を滑らせるようにしていても変らない。


「あの身寄りのない子供たちを実験台にして、命を奪う、人の命を何とも思っていないサイコパスを、野放しにしてはいけない。それはあなたもわかっているはずです。まだ木月流那さんは中学生だからわからないかもしれないが、私のような大人の使命は……これからの日本を担う子供たちの未来を守ることだと、そう思うのです」


 ゆっくりと話している間も、少しだけ声のトーンを上げたり下げたりを繰り返していて。それを聞きながら、テーブルの上にはほとんど模様がないのを眺めさせられた。しかし、その間も息を吐く感覚は変わらなくて。だんだん肩が落っこちて行くのを感じ取ってしまった。


 そして、それからわずかに上を少しだけ見ると、倉敷さんはわずかに鼻から息を吐くようにすると、それと一緒に肩が動いているけれど、それは本来の高さに戻っているだけだった。


 その一方で、私は何もしなくても喉が小さく動くのを感じ取って。でも、両方の腕が体を押しこんでしまっている力を止めることは出来なくて。その間も、パッドからはずっと話す言葉を辞めようとはしない。私の喉が勝手に動いてしまっている間も、その言葉の先端を強く前に出すようにしながら短い言葉を進めていく。そんな中で、私の言葉は、向こうの言葉を遮るようにして、どうしても喉から出てしまったのがこぼれてしまった。


「そんなの……そんなの……」


 顔と喉の全体が震えるようになっているせいで、それに合わせるように言葉もとぎれとぎれになってしまって。いい終わった後も、顔中が熱くなるのを感じる。でも、震えのせいで何の意味にもならない声が次々と溢れ続けてしまって。その度に頭もわずかだけど上下に動き続けてしまって。その度に髪の毛もフードも少しずつ揺れて私の体を余計に重くしている。


 それから、倉敷さんは「ぜひ考えをまとめておいてください」とだけ口目をぱっちりと開けて話すと、そのまま画面が消えて。私の姿が黒い画面にそのまま映るけど、すぐにそこから目線を離す。でも、そっちはさっきと同じ光景で。違うと言えば、私の両方の足が自分のお尻側へと向かっているくらいの違いしかなかった。


 でも、パッドの片づけが終わると、スーツの女性は真っ白な肌に付いた真赤な口紅が塗られた口をこっちに向けるような角度で目線も向けて来る。でも、それ以降はもちろんのこと、その時ですらも足音は一切しなくて。それから目線を下ろすと、向こうの硬そうなシューズが光を反射している以外は真っ黒で、傷も何もない様にしか見えない。


 それから、少しだけまた嫌々視線を感じて元に視線を戻すと、そっちでは上瞼を下ろしながら下瞼を拡げてこっちを見て来る。それから僅かに唇を中へと動かすようにしているのを見てると、頭を少しだけ下げてから、息を頑張って吸い込むことで、両手を椅子の座面に押し付けることで立ち上がった。でも、その瞬間に椅子が床と擦れる音がして、そっちに振り返りながらちょっと体を前のめりにすることで背もたれを掴んでから、自分の体を蟹歩きにしてずれることで横に移動した。

読了ありがとうございます。

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