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Lunatic  作者: コンテナ店子
第一部中編
37/216

第37話

 何度も銃弾がぶつかるたびに魔法陣にほぼほぼくっつけて拡げてる両手の平にもその振動が伝わってきて、その度に目を瞑りそうになって。それは私の両方の肩に両手を乗せている姉御の人グローブがわずかに上下するのでも感じ取る。そして、そっちからは銃声のせいで声は隠れてるけど私の首筋に熱い息が何度も吹きつけられて。それを感じたこっちは眉を下ろすようにするけど、その瞬間に手前に込められてた魔力が切れかけてしまって衝撃が強まった瞬間にもっと力を籠めるように両手を前に出した。


 目を閉じながらそっちを前に出すようにしていくけど、それでも喉と口を激しく通り続ける息は一切止まらなくて。それを感じてから両手に込める魔力をどんどん強くしていく。その直後に、向こうから銃を撃つのが止まったのに気付いて、そのチャンスを逃すまいと姉御の人の両腕をもう一度掴みな男してから一気に飛び上がった。


「はっ、ハリー……」


 そのまま素早く言葉を続けようとしたけど、その瞬間にハリーと目が合って、その瞬間に声が止まってしまった。向こうの顔は上の唇を少しだけ下のに押し付けるようにしながら、顎を引いておでこを前へ出すようにしつつ、こっちを見て来てて。それと視界がぶつかったら。私はすぐに視界を声をかけて来た姉御の人の仲間の方へと向ける。


 そっちがその体を支えるようにすると、私は手を離して、それを地面と平行にするように伸ばしたままにゆっくりと立ち上がると、私と同じくらいの背をしているハリーと目が合って。それを顎を奥へとやるようにしながら瞬きを数回繰り返しつつそっちを見ようとしたら、私の両手が胸の辺りで合わさりながら半歩だけ足を引く。それに対して向こうは両方の手を腕と体の間に入れようとして、それと一緒に首を見せるようにした。


 でも、その瞬間に私のはもちろんのことハリーのも一気に傾いて。瞬時に地面へと視線を向けたら、敵が金網の隙間を通してこっちに視線と銃弾を投げつけていたのが火花の間から見える。でも、すぐに大きく傾いた私たち2人がいる足場から滑り落っこちようとしているハリーの方へと向きなおって、その体と地面の間に向けて手を伸ばすと、そこから電撃を放ち、それで自分の体を引き寄せた。


「はっ、ハリー! 大丈夫、か……?」


 私の体の上に乗っかる形で滑りそうになっていたのが止まったハリーは、瞼を震わせながら口を僅かに開けてこっちを見て来てる。それに対して私は背中を擦って痛みを感じて、うさ耳パーカーの上からそこをさするようにしてるけど、その次の瞬間にはまた銃が私たちがいるフロアの床を叩いてきて、その直後に向こうも立ちがある。


「当たり前だろ」


「おい、腰抜け、姉御が……」


 私がまだ尻餅をついたままになっているのに対して、顔を髪で隠すようにしているハリー。その後すぐに少し大きめな声が私に向かってして、そっちを見ると以前食堂でスマブラの話をした姉御の仲間のうちの1人が声をかけて来てた。姿勢はそのままに首だけでそっちを見ると、いくつもの体に出来た穴を布で抑えられてる姉御の人が、無数の汗を身体中から垂らしつつ、胸を上下に動かしている姿が視界に入る。当てられてる布ももうほとんど元々の色を失って赤黒い色に染まり切ってしまっていた。


 そんな姉御の人の姿を見て、私は息を飲みつつ、1回だけ深呼吸。それから口を開けた。


「……わかってる」


 少し間を開けながらも口を開いたらすぐにそう呟いて、肩で息を繰り返しながら正面よりも少し下。さっき私が開けた穴を見つめる。その後、溜まってた人たちが道を開けるようにしてるのに気付いてから、息を口の中に大きく含むようにして、吐きながら走った。そして、その数秒後にはもう私の足元から床がなくなって。今度は両手を肩と出来るだけ平行にしようとするけど、それは少しだけ上に持ち上げって体よりは遅れる形でついてくる。その数秒後にはもうリングの上に私の足がついた。


「よし……待たせたな」


 脇を少しだけ開くようにして正面を向く。それと一緒に歯を噛み締めるように動かした。でも、相手は一切動こうとはしなくて。それどころか、立ち位置以外は私たちの前に姿を見せた時と全く同じとしか言いようがなかった。それを、私は目を前に出すようにしながらじっと見つめる。でも、それに対して相手はただただ顔をまっすぐに立てているだけ。そんな光景を私はしばらくの間じっと見つめる。まるで息がつまりそうになったけど、でも、少しずつ吐く方も意識した。


 その間、相手は相変わらず微動たりともせず立ってるだけで。上の足場にいた時と比べても銃を向けているかいないかくらいしか変わってない。それは敵が着ている服も一緒で、タンクトップから見えている体にはたくさんの傷が出来上がっているのがわかるし、非常に短い坊主に覆われている髪の毛もそれらの細かい隙間から肌が見えているが、そこは色が真っ白に見せているようである。


 そんな姿を見ていたら、また呼吸を忘れそうになって、出来るだけ体を動かさないようにしながら深呼吸をして。それに合わせて目を瞑りそうになったから、慌ててそれを開く。でも、その間も相手は動こうとはしない。そして、それは私が口を少しだけ動かしながら腰を落として、片手を前に出しつつ握りしめていても一緒だった。


 でも、その瞬間に、上の方で姉御の人がうめくようなわずかな声と、それを追う様に鋭い声でその名前を呼ぶハリーを始めとした仲間たちの声が聞こえて、そっちに視線が向く。向こうでは、全員が姉御の人を囲うようにしている上にその横たわった体の方へと体ごと視線を向けている。そのせいで、こっちからではその顔は一切見えない。なので、すぐに正面に戻した。


「そっ、それじゃあ、いく、ぞ……」


 相手に向けて握りしめている両手にもっと力を込めて、腕を強く張るようにさせると、それと一緒にその中が一気に熱くなって、それに片目をつぶる。でも、その瞬間に相手がいきなり動き出し、こっちに向けて走ってきたのを見て、即座に魔法陣を展開。両手の前に2つ作ったのをすぐに合わせて、1つの私の身長を超えそうなほどの大きなものへと変化させた。そうしていく間に私の右手を正面に出してそこで何度も回転させていくと、目をぱっちりと開けつつ口の中を僅かに膨らませるようにする。でも、敵はすぐに目の前へと近づいてくるから、指や歯に力を籠めさせられて、空気がすぐに抜けていくし、回してる指のペースがどんどん早くなっていく。でも、それに気づいた時には私の体ににじんでくる汗の間隔よりも早く敵がもう目前までやって来てて、右手に持っていた落っことしてた左手を振り回してきた。それに合わせて魔法陣が高い音を立てて鳴り響かせた上に、その衝撃で私の片方だけ前に出した足が曲がってしまう。でも、それでも歯を食いしばってその衝撃に耐えると、魔法陣に相手の血が吹き飛んでこべりついているのが見えた。


 その後、一瞬だけ相手が大きく振りかぶったせいで隙が出来たけど、それに気づいた時にはもう肩から小さい銃が飛び出て来ててそれから細かい銃弾が繰り返しぶつかり続けて、その瞬間に高い音が繰り返し鳴り響いてきて耳元をふさぎそうになるけど、何とか立ち止まって魔法陣の方へと両手を向け続ける。でも、敵は一切攻撃を止めようとしなくて、銃が止まると今度は片足を一気に持ち上げてからかかと落としの攻撃を仕掛けて来た。その度に、防壁が私の体に落っこちて来そうになって。それに1回目で気付いた瞬間、降ろして来るよりも前に魔法を解除して前へと飛び込む。それと一緒に息を止めながら体を前転させる。左側の肩から入り込むような感じで地面へと突っ込んで、右手を突くように立ち上がるよりも前に相手の背後の下あたりに入り込んだタイミングで相手を掴むような向きに向かって電撃を放った。


 体を前のめりにするような姿勢で三転着地をするとわずかに体を滑らせながら、息を吐いて前を見る。そうすると体を小刻みに震わせながら重そうに体を動かしている敵の姿と、その周りを漂っている紫色の細かな電撃の姿見えた。その一方で、一瞬だけ上を見ると、いまだ姉御の人の横たわってる背中が足場の金網の隙間から見えるから、飲み込みそうになった息を喉で抑え込む。


 それから両方の手足に力込めてから、電撃を地面に向かって放ち、その勢いのままに体をまっすぐに伸ばすと、肩から相手の体に激突。それを一周するように掴んでから、地面を一気に滑らせて、そこを相手の体でえぐるように押し付けていく。それのせいで、辺りには床が破壊される大きな低い音と、がれきが一気に飛び出して、それに伴う砂煙で周囲が見えない。その衝撃のせいか、一度地面から遠ざけて空中へと飛び立とうと傾きを変えた瞬間、敵の血が吹き飛んだのが私の体にもぶつかってきたのが、その冷たさで気付いて、でも、次の瞬間には一気に力が抜けて、それと同じ感覚をお腹でも感じさせられた。


 数段階に分けて目を大きく開く。でも、それをしようとした時には、お腹から伝わった痛みが全身を突き抜けて、それに伴う叫びが私の喉から溢れてしまった。お腹をいくら抑えようにもそこから溢れる血は止まらなくて。痛みも全く収まりそうにない。


 身体中から姉御の人の時と同じように汗がどんどんにじみ出るのを感じるけど、それ以上に喉が止まらなくて、お腹から来る痛みに無理やり絞り出されるみたいに大きな声が出てしまった。でも、口を横に広げるようにして、何度も高い音が出続ける。そして、それに続くように目を瞑ってその辺りにしわを無数に作り続けていた。


 でも、私の声と息の間から砂利が擦れる音がして、髪の毛を揺らすようなくらいの勢いで顔を前に上げると、体から血が垂れる後を肌や服に数個の筋を作った状態でこっちに歩いてきている敵。前に出したのとは逆の手を前に出すのを交互にやりながら少しずつこっちへと。また目を強く締め付けながら自分の顔を正座しや膝の上にお腹を置くようにしていた体の方へと戻す。


 お尻を持ち上げるように膝を元へと戻そうとするけど、それと一緒にまた異常なくらいのお腹の痛みが入り込んできて、なんとか両方の膝をついてまた座り込む。そのままの体勢で肩を斜めにするようにしてそこを上下に動かすと、敵がさっきとは異なり斜めに左右へ揺れながら進んできていた。


 そっちを見てたいけど、何度も咳き込みたくなってしまって、そのまま視線をまた地面にむけそうになるけど、そっちでは、よく見ると見つかる、さっき私があいつを地面に押し付けたせいで割れた地面の上に、たくさんの小さい瓦礫と砂。そして、たくさんの血で濡れてしまっていた。

読了ありがとうございます。

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