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Lunatic  作者: コンテナ店子
第一部前編
25/216

第25話

今回で第1部の前半戦が終わります

 缶に放ってた電撃の衝撃が耐えきれなくて、それのせいで相手の大きな声がその間を貫いたのと一緒に、両腕が後ろに吹き飛ばされるの引っ張られて体も空中へと吹き飛ばされた。そして、体が背骨から順番に落っこちていくけど、そのまま勢いに任せて、私は背中をそこへと広げるようにしながら天井を眺めてた。そうしてると、フードが自然と引っ張られて、髪の毛が部屋の灯りに照らされた。そして、その周囲の眩しさで一瞬だけ目を細めそうになったけど、腕をその上に重ねながらだんだんそこを放していこうとして、それが見えるようになったと思った瞬間には、すぐに私の上へと重なる位置にハリーの顔と前会った時と同じような髪形があって、その瞬間に緩んでた頬の力が戻ってきて、喉を飲み込んだ。


 そのまま頭を僅かに持ち上げるようにするけど地面からは離れないようにして、目線を反らそうとするけど、体の位置的にそうしてもハリーの顔はどこにもいかなかった。でも、向こうも何も言葉を発してるわけでもなければ、私も何も言えなくて、口をちょっとだけ開いても、ほんの少し息が出ていく音がするだけ。


 それから、だんだん周囲からも足音がどんどんしてきて、その度に背中も持ち上がるような感覚があって、そこに空気が入り込んで冷たくなる。それから、目線だけでそっちの方を見たら、姉御の人やその周辺にいつもいた取り巻きの人たちがハリーの後ろに立っている。


「あっ……あの……」


 言葉が出てから頭の中に何も思い浮かべてなくて、何か出てきても口を動かした瞬間に止まって。瞼を僅かに小さく下げながら唇を紡ぐ。上にいるハリーたちが私の体を覆うように立っているせいで、この体は影に隠れてたけど、その一方で向こうの方も私の側から見たら同じようになってた。


 そっちの方を見てたらハリーが手を伸ばしてきて、その表情は目を軽く大きくするようにしながら口元を開けない程度に広げてる。その一方で手はというと、小さく紡がれるように指同士を重ねてて、手首から指先までが間接以外ほとんど真っ直ぐのままだった。そして、私のすぐそばにある足も同じよう。それから手だけに視線を持って行って、そのままいようと思ったけど、両掌の向きを地面に合わせるようにする。でも、それで肩だけ持ち上げようとした瞬間、体を止めた。


 だけど、その瞬間に後ろにいた姉御の人と目線が合って。両腕を組みながら顎を少しだけ斜めにするようにしているのに気付いてから、そのままに体を起こした。


 そのまま、下の歯を上のに合わせるようにしながら顎を引いて目を伏せがちにしながらハリーの方を見る。そうしてるだけで喉がつぶれそうで苦しくなって、おでこの辺りに意識が集まった。


「うっし! 今日は姉御の復活を祝った祝勝会だな!」


 その声と一緒に両腕を上にあげたハリーの姿を見て、頬をゆっくりと降ろすようにしながら目を数回瞬きさせてたら、またもう1回尻もちをついた。さらに、それと一緒に大きくため息をついておでこに両方の手の平を押し付けるようにする。そうしたら、ゆっくりとまぶたを下ろすようにしてたせいで、辺りには何も見えないようになってたけど、閉じた時よりも遅いペースで開けたら、平と爪が見えるような感じに開いてた両手を見つめる。そうしてたら、頬に引っ張られるよう動いた目。それと一緒に、肩が急に重くなって、体を後ろに下げるように動かしてから、天井へと向けて一気に息を吐いた。


「腰抜け! お前も来るんだよ!」


 少し離れたところにいたハリーが数歩だけこっちに近づいてくるようにしながらも、両手を腰に置くようなポーズで口を開いた。その2つの言葉は、どちらも語尾を上げるようにしながらも、表情は目をぱっちりとさせてるし口もけっこう大きめに開いてた。それに、言葉と一緒に体も動いているのを感じると、顔を一瞬だけ下に向けてから片膝立ちにして体を立ち上がらせた。


「私は……」


 そう口に出てたのに気付いて、開いたままにしながらも、小さな丸を描くような形に戻す。正面を見てると、いつも通りのシャツとジャージ姿に乱れた髪の毛のハリーや、栗色の髪の毛と黒いロングスカートを携えている姉御の人、それを取り囲むようにみんな違う格好をしている2人の仲間達が一つの塊になって歩いている様子が見えた。


「いや、何でもない」


 もう一度立ち上がりながら、メンバーの後を追う様に小走りで近づく。そうすると、一番後ろを歩いてたハリーが私の肩を組むように体重をかけて来た。それに対して体をわずかに右側にずれそうになるけど、すぐに戻して、軽く噛みながら相手の方を見るけど、向こうは声を出して笑ってるだけで私の方を見てない。それから、もう一度頬を横へと伸ばすようにしながら鼻から息を吐いた。そうしている間ほとんど足を動かしてなかったけど、気づけば私たちのすぐそばに姉御の人の仲間との距離が縮まっていた。




 部屋の電気を小さいままにして、ずっと地下の様子を映してたモニターをただ眺めていた東雲アニタ。彼女は鼻の下に手を当てながら口を覆うようにした手も含めて体を一切動かさないようにしながらも、目線は斜め下へと動くようになっている。そう思った次の瞬間には、息を一度だけ吸うような音がして、それが聞こえた瞬間、周囲の係員たちは息を飲むようにそっちの方を見ていた視線を全員が反らす。しかし、東雲はそれらを一切気にしないように、顔の傾きを動かさない。その一方で、妃美を含めたそこにいる人たちは機械が動く音だけがする部屋の中で、少しだけ彼女の様子を見ているよう。


 彼女らの前にある一番大きなモニターには、流那を始めとした世古島らのメンバーの様子が映っていた。


「あの、お姉さま……」


 手を僅かに出すようにしながら、もう片方の手を胸元に当てつつ、妃美が腰を回すようにして姉の方へと体をほんの少しだけ近づける。それと一緒に出た声は、周囲の機械の音で消えてしまいそうなほどにわずかな物であった。さらに、彼女の表情は瞼が何度も小刻みに動いているようで、いい終わると一緒に口を瞑ぐ。


 そして、周囲にいる係員たちも、その言葉を聞くだけで、目を大きくするように動かして、互いを見合うようにしている。妃美の声が消えると、辺りで動いているのはまた機械だけになった。暗い部屋の中で、モニターだけに照らされている顔たちは、最終的にすべて東雲の元へと目線が集まりつつあった。


「計画は……」


「滞りなく、実行であります」


 妃美はいつも通りの抑揚を一切付けない話し方で、自分の言葉の終わって1秒も経たないようなうちに出た姉の声を聞いて、若干曲がっていた背筋を元に戻しながら足と両手を揃える。それと一緒に顔が反応してまっすぐそっちの方を見ているが、その一方で東雲の方は全く動かない。


 画面の向こうにいる流那は体を立ったまま小さくするように腕を体に寄せているが、横にいるハリーの方へと視線を向けながら横に広げた口を動かしているし、そのハリー本人も髪を揺らしながら跳ねるように歩いている。そして、その前にいる世古島も背筋をまっすぐにしながら、周りの仲間と一緒に同じようにしていた。そして、そのメンバーたち全員が、地下牢の広場に取り付けられた灯りの中であった。


「こんな所で躓いてたら薫子なんて夢のまた夢でありましょう?」


 そう言いながら東雲は踵を帰すようにもと来た道を歩いて行こうとすると、それを慌てて追う様に妃美も歩き出す。その足取りは、足を曲げないようにしながらもいつも以上に大股で、シューズが地面を叩くように音が鳴るたびに、部屋全体に反響するほどであった。


 そして、彼女が歩いて横を通るたびに、係員たちはそっちに向けていた目をすぐに反らそうとする。しかし、そのどれとも東雲は合わせようとしない一方で、妃美は瞳だけをそっちに向けるように下の方へと動かしていた。ただ、体を前のめりにして姉へとついて行こうとするのは変えようとしない。


 そのまま2人が部屋から出た時、すぐに東雲がスマホを取り出して音をさせずに指で操作を始める。その時も歩くペースを一切変えないで、前からやって来る他の係員がそれに気づいた途端道の壁へと背中を合わせるような形で立つようにしていた。


「やつの状態は」


 電話が取られると一緒に、東雲はそのまま口を開いた。それに対して、通話の相手は小さく言葉を濁らせるような音を鳴らすと、数秒間辺りから歩く足音だけが聞こえる状態に戻る。しかし、それもほんの3秒ほどで、すぐに向こうから返答がやってきた。


 その一方、妃美はそっちの方へと目線を向けながら顔は正面に向けたままにしていて。周囲から音がするたびにそっちへと目線を移すようにしている。


「今は眠らせています。とても手が付けられなくて……ですが、発表会の模擬戦は前回の結果もシュミレーション通りに行っております」


「私の目で確認する。もう一度やるであります」


 最初の文はゆっくりと、語尾に近づくたびにだんだん音の大きさとペースを落として行くように話しながらも、後半の方はかなりはきはきと伝わりやすい声であった。電話から聞こえるその声が終わると同時に、東雲はいつものトーンで話す。さらに、それが終わると、電話を切って自分の制服のポケットへと仕舞いこむ。


 しかし、その数秒後、東雲自身がいきなり足を止めた。そして、その直後に背中へと妃美がぶつかりそうになって肩を後ろへと一気に持っていくように動かし、それから足取りを細かく動かしながら姉と距離を取った。そのまま、瞼を上へと動かしながら、小さく口から音を鳴らしてからそっちへと数歩近づく。でも、前のめりになるように体を動かしながら、そっちからもう一度一歩だけ距離を取った。しかし、それから体を傾けるようにしていた。


 一方で東雲の方はというと、ほんの少しだけ目を正面へと近づけるようにしながらそっちを下から覗き込むように見ている。ただ、その動かしが終わった瞬間、両方の唇同士を押しこむように動かしたと思った直後に制止。それのせいで周囲から沈黙が流れたと思いきや、それはほんの1秒ほどの間で、すぐに部屋の奥から革靴が床を叩く音が何回も繰り返された。


「あなたのことですから、無視していくと思いましたよ」


 男が語幹と語尾を強調しながら話しつつ、それが終わるころには足を止めていた。その姿は黒のスーツとネクタイと靴、髪の毛もカールがかかった黒髪であったが、それでも暗闇の中でその姿はくっきりと2人の目に入っていた。そのせいで、銀色の眼鏡もその中で浮くことはなかった。


 東雲と目を合わせた瞬間、男は背骨の辺りを突き出すようにしながら壁に寄り掛かる。それと一緒に、親指の腹とそれ以外の関節をフレームに当てながら、眼鏡を顔に軽く押しこむ。それから、そこを2人の方へと向けつつ目線も同じように。それに対し、東雲の後ろにいた妃美はすぐその横へと移動しながら姉の顔を見ると、ゆっくりとそっちを呼ぶようにした。


「……さんざん世話になってるでありますからね」


 口を一瞬開けるように動かしながらもそれを普段のようには開けられず、もう一度動かすも、今度は声が言葉にならず、覇気のない声をだすことになっていた。その一方で、男は顎をわずかに2人の方へと角度を変えると、鼻からわずかな音を立てるようにして上から見下ろす。その身長差もあって、特に妃美は歯の音すらも立てるようにしながら動かす破目になった。


 それでも一切動かない東雲を見ながら、その周囲を回るように、今までいた側とは反対側の肩がある方へとゆっくりと歩いて、男はすれ違う瞬間に口を開いた。


「楽しみにしていますよ、あなたの作り出した魔法使い」


「……心にもない冗談に付き合う暇はないであります」


 最初の語尾を上げるように話しながらも、後の方は下げるような芝居掛かった話をしつつ、口元を緩める男に対して、東雲は唇の周囲に作ったしわをより多くするようにしていた。その2人を見ている妃美は顔から色が抜けていて、おでこの範囲を狭めるように眉と瞼を動かしていて。それから目線を2人に対して交互に動かしていた。


 男の方が自分から進んで彼女らが来た方へと足を等間隔で進めていくと、さっき聞こえていた音とほとんど同じ音とリズムで足音が鳴り響き、東雲は顔の視線も動かさずにいたせいで妃美だけがその背中を見ていた。


 それが見えなくなった後、彼女はすぐに姉の方へと振り向く。しかし、その様子を見て右手の五つの指を口元に当てるようにしながら、喉を軽く動かすようにしている。さらに視線も下向きにして、そのまま足の動きも止まってい待っていた。


「あの、おっ、お姉さま……」


 ずっと足を動かさず、腕も下に向けてた東雲だが、妃美の声を聞いてすぐに顔を上に向けながらもわずかに傾いていたために元に戻して進み始める。そうすると、その後を妃美が体を一瞬だけ前のめりにしながら進み始めていた。


 そして、東雲は足を進めながら、歯を強く噛み締め、目線をまっすぐに向けながらもたまにきょろきょろと動かすようにしてしまっていた。

読了ありがとうございます

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