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Lunatic  作者: コンテナ店子
第三部後編
214/216

第213話

もう少しで完結します。

 変身した姿で体にスカートの広がっている所以外の部分をほとんど体にくっつけたままにしている諸葉ががれきを片方の手で持ちあげるまま一度立ち止まり。一方でもう片方の手を肩と一緒に落っことしたままそこから血を流した跡をそのまま残しているままその先端辺りを片手に魔力を込めたままずっと残してる。


 それに対して、数歩後ろの方から歩いてきてる一六は、自分の機械の重い体で砂利を踏みしめる音を立てながら歩くのを一切変えないまま続けて自分の横側で北川に肩を貸しながら気を失っているのを足を滑らせたまま引っ張っていた。何度も息を繰り返しながらも顔を前のめりにしてまっすぐに進んで行くも、相手の横を通り過ぎるようにするタイミングでわずかに顔を横へと向けながらそこを下に動かしてお礼を言う。一方で、言われた側は「とっととせい」と少しだけ強めの声を出している。


 ただ、それでもがれきの山の外から出た彼女が左右にきょろきょろと視線を動かすと、自身の後ろの方で諸葉ががれきを投げ飛ばした大きな音を立てたのと一緒に出した砂煙以外はほとんど辺りのすべてが夜の闇にまみれたまま。入った時はすべて見えていた周囲の背の低い建物たちはほとんど等間隔で同じ形のまま並んでいた物が全て大きながれきが落っこちたせいで穴が開いている上に、わずかな煙をずっと上げ続けていた。


 そっちの方をずっとゆっくりと口を開けたままに回す感じで視線を体を動かさずに一六が見ていると、自然と目的地だった一番大きな建物だったはずの物にも目線が行くも、その姿はガラスが全て割れてしまっている上に、表面も崩れて骨組みを見せる形になってしまって、その部分は反対側の夜空すらも見えるようになっていた。そこで壁が今も残っているのは下側の数階だけ。それよりも上はわずかな位置の床と壁だけがあるかのようであった。


 一方で、真横へとやって来た諸葉は両方の手を組んだ姿勢で顎を自分の体に近づける感じのまま眉もそっちへと落っことすことで目を細くしたまままっすぐに立ち、周囲の自分らの影が後ろのがれきの山と交じり合っているせいで全く見えなくなっている様子を見つめる。しかし、反対側にも今も崩れたままになっている山が自分たちの背よりは低い高さで出来上がっているのを目線を横に向ける感じに見つめている間、一度息を吐きながら体から変身を解くと、軽く瘴気で持ち上がっていた髪の毛が自分の背中へと戻るようになっていて。体や服の色も周囲の月夜の色に染まるようになっていた。


「どうやら我らはアニタの隣にいるつもりで、その一歩はあまりにも大きかったようだ」


 諸葉が、最初の音だけ小さく出してしまった声を次の音からわずかに大きくするようにして話している物の、その声が聞こえた瞬間、一六は横にいる北川に肩を貸したまま小さく息を吸って顔を横に向ける。ただ小さく口を開けてそこから息を吸い込んだ音を聞かせるみたいにしてたものの、相手はずっと顔を下に向けてるままにしてて。自分の方を見ていないのに気づいて、わずかに顔を正面側に戻す形にしていると、数回瞬きをしていた。


 それから、彼女は一度しゃがんでから北川のことを横にならせて、だんだんとそっちに手の平を見せるような姿勢のまま少しずつ体を遠ざけながら息を吐いて行く。そうしている間、指は腹を今も寝てる相手に見せるような形にしていて。腰が曲がってたのを少しずつ戻して行きながら一度だけ瞬きする。


「あの、お姉さまと木月流那は……」


 はっとするような顔の動きと一緒に、しゃがんだ体勢のままに相手の方へと素早く振り向く形で言葉を高く出す感じで小さく息を吐きながら首を上へと向けて背中をまっすぐに持ち上げながら見つめている。


 しかし、一方で言われた方はずっと自身の魔法で出していた剣を腰に下げたままそれすらも一切動かさないまま体を同じ方へと向けている。しかし、辺りでは風も起きないせいで服も髪の毛も全く同じ姿を辺りへと映す。ただ、その目線の先には、今もわずかながれきからこぼれている細かい砂のような白い姿が自身と後ろの物によって出来上がった影の黒いなかにいるだけ。そのまま唇をほんのわずかに前に出しているのを変えないで両方の目を細くしながらもまっすぐに横へと伸ばす。


「我もあまり知りたくない」


 言葉を出しながら顔を横へと向けながら顎もそっちへと持っていくようにしている物の、そっち側はただ元は目的地だったビルの残骸が転がっているだけで。そっちからは煙が出ている訳でもなければ月と星の光以外には何も照らすものがない。そして、一六が後頭部を向けられているその様子をわずかに見ているのに対して、そこはすべてが影になっているようで、でも、辺りにいる山は一切形を変化しなかった。


 一方で、彼女が反対側を見てみると、そっち側には燃え尽きて黒くなった建物だった物の姿や、落っこちてきて岩が割れてしまったようで半分になっている姿やその中の鉄骨が丸出しになっている姿を小さく口を開けるままに見つめるかのようにしていることしか出来ない。ただ、そっちもそっちで自分たちと同じように夜空から来るわずかに青い光に照らされてその色に染まっているかのようであった。


「もう、あの2人のことを考えるとどうにもむなしくなってしまう」


 その言葉だけ言うと辺りを見渡す形で顔を左右に動かしながら横へと歩いて行く諸葉。そのまま進んで行っている間どちらの動きも一切ペースが変わらないで近くにあった少し大きめな物の上に座って。体育座りをする両方の膝の降り曲がったところに肘を置いたまま手を組んで、それの上に鼻の下の部分を重ねることでそれの上側の目を前のめりにすることで背中を丸めたままただただどこにも目線を向けることなく横を見るみたいにしてた。


 一方で、膝と靴のかかとだけを地面に置いた正座する形で背中をまっすぐ上に持っていくみたいな形でいる一六。両方の手を膝の上のところに乗っけたまま小さな声を出す感じにしているまま、まっすぐにその動かない様子を影になっている側からじっと見つめてた。


 でも、それも、床の方から細かい砂利同士が擦れ合う音が聞こえた瞬間、北川の名前を少し高めの早口で呼びながら肩くらいの高さに手を持ってくるまま息を吸い込んで。それから肘を下に向けたまま口を小さく開けているとまっすぐに相手の様子を顔の角度を変えたまま見つめる。


 一方で、両方の腕を体と同じようにまっすぐにさせたまま寝かされてた側は瞼の辺りに強く力を入れておでこを引っ張るまま指を動かすことで自分の肌にその爪を立てるみたいにしてから、それを顔にも同じくして顎を上に持っていく角度に変えたら、その瞬間にまたもう一度横の所からその名前を呼ぶような声がしていた。


「あの、北川さん?」


 一度名前を呼んだ後にそれよりもゆっくりと、声の高さも大きさも抑える感じで体を前のめりにしながら話しかけたのに対して、言われた側も顔に指を当てながらもそれ以外の平の所は持ち上げるみたいにしてずっと隠している。一回下唇を上にほんの少しだけ力を入れながら、手の中で目を細めたままどこも見ないで頬を前へと出す形にしている。


 ただ、それは耳の近くに冷たい手の指が当てられた瞬間にまた元の表情に戻るみたいになって。その主である一六が足を滑らせる感じに相手に息を吸い込みながら近づいたら、手を相手の持ち上がって先端だけをくっつけてる指の間に自身のを差し込むみたいにしたら、相手が自身の手の平とそっちの甲を両方ので重ねるみたいにして。そこに確かな力を感じ取る。


「ありがと」


 一瞬で消えるくらいの言葉だけど、文字同士の隙間を確かに短いながらも存在してる感じで言葉をつづると。一六の手のひらを自分の頬に当てるために動かそうとしたのに相手も気づいて、すぐに寝転がってる体の上に跨がって相手の顔と自分の顔のオデコ同士をくっつける感じで目を閉じた。


 お互いの鼻すらも触れ合ってしまいそうな距離なせいで、下側から繰り返されてる息の音が相手にも聞こえてしまいそうになっている物の、一切気にせず顎を相手の方へと近づけるような顔の向きのまま相手を見つめたままにしてて。下側も頬を持ち上げながら目尻を落っことしながらもわずかに相手のことを見つめ続けてた。


 2人はしばらくの間一切動かないままにしていたが、それに対して周囲ではがれきの山同士の間にいるせいでそれらの影にならないせいか、北川が一六の影になっている物の、それ以外の箇所はすべて月の灯りの斜め横から入りこんでくるのをずっと浴びるようになっている。


 一方で、今も背中を向けたままにしている側でがれきの山の上に座り込んでいる形にして体育座りした諸葉は、膝の上に乗っけた肘のさらに上の手で自分の口を隠すかのようにしている物の、そこを強く締め付けるまま眉を下へと落っことすことで顔を暗く影にしているままにしている周りでは何も起きないで冷たい空気の中でいるだけになっていた。

読了ありがとうございます。

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