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Lunatic  作者: コンテナ店子
第三部後編
210/216

第209話

 流那が走って行った数秒後にはもうそこには東雲とマリオネッターの2人しか残されていない状態になって。前者は何度か息を繰り返しながら顔を下へと向けたままに立ち上がろうとするも、その後は片方の手を落っことしながらもう片方の手でそれの肘を掴む感じにしながら目を瞑るようにしていた。


 一方で、それとは崖の反対側の方で背中を向けたままにしている後者は今も傷の所から数滴ずつ血を飛ばし続けているまま手を組んで腕を正面に伸ばすと、小さな声をずっと伸ばす感じでまっすぐに出している。さらに、背中も折り曲げながらそっちへと近づける感じにしてて、小さな声を出し続けるみたいにしてる物の、その体の腰に近い方は今も背もたれとくっつけるままにしていた。


 さらに、マリオネッターが座っている椅子のキャスター側の所には今も流那と自身の血が交じり合って渦を描くかのようになっている様子が残っている物の、それに対して当の本人は一度前腕をまっすぐ上へと伸ばしながら肘を曲げている体勢になると、そのまま自分の血だまりから腕を召喚し、その勢いで近くにあった溜まりを一気に吹き飛ばして壁や崖の下の方へと落っことすようにして。ヘルメットがないせいもあり、その動きでまた脳とそれを浮かべる体液が揺れ続けていた。


 しかし、それを背中の降り曲がった体勢のまま見つめ続けていた東雲は、一度目を強く瞑るようにして体の痛みに耐えようとするも、すぐに下へと向けている手のところにトランシーバーを召喚。それから自身の足元の横辺りに魔法陣を召喚することで辺りに色を作り上げる。


 一方で、ずっと新たに出した2つの手をずっと上へと向けて伸ばしたまま腕を揺らし続けている間にいるマリオネッターは壁へと向けて体を前のめりにした体勢で数秒間いた後、そっちへとまっすぐにした背中を向けるまま顔も同じ形に。しかし、それで頬や口の形で表情を作ることはなく、本来人間であれば目があるはずの部分の空洞も正面へと向けるままになってた。


「逃げるんなら今のうちだぞ」


 確かにその声変りが来る前の高めの声をかなり低く出す感じにしてる物はそこまで大きくなかったものの、それのせいか次から次へと現れ続ける魔法陣の間から出続けているドローンの音に消えてしまう。そして、それから後も辺りはそれらの羽が回転し続けている音に辺りは支配されたままとなっていた。一方で、歯を噛みしめる足を肩幅よりも少しだけ大きく開くままにしている東雲は顔の辺りを影に染めるようにしたまま相手の方を見続けている。


 しかし、それに対してマリオネッターも口元の辺りをほんの少しだけ右側を持ち上げながらその中の歯を見せる感じにしてた。


「さっき言った言葉、撤回する」


 さっきと同じような大きさで出す言葉をつづけた側はそれが言い終わるまでの間はずっと目の前のたださっきまで流那が倒れてた方を見つめるままにしていたけれど、一方でそこに出来上がっている壁はもちろんのことそれ以外のがれきの上にも沢山の血が吹き飛んだのが未だ残ったままになっていて。それらは彼自身やその下にある椅子の影はもちろんのこと、左右にずっと伸びたままになってるせいでそっち側に東雲の光はもちろんのこと、それ以外の夜の月からあふれるみたいになっているのもそっちへは届かなくなっていた。


「さっきまでは流那のため、こっからは薫子のためにやるってことだよ」


 言葉が言い終わった瞬間と一緒にいくつもの腕が敵へと向けて一斉に発射されその瞬間東雲は一気に腰の辺りから魔力で出来上がった糸を発射すると、それがドローンと連結するよりも先に一気に後ろへと飛び上がり、さらにすでに開いていた空の上へと浮かび上がる。


 左右にいる機械のすべての下部分からミサイルを発射させ、今もマリオネッターがいるはずの方から幾度も振動と周囲のビルがどんどん崩れていく様子が目に映って、そこが燃えている様子を見せていた。


 しかし、それに対してすぐに次から次へと召喚されたミサイルたちは、煙の中から現れた巨大な手によって掴まれると、そのまま東雲自身の方へと投げ飛ばされてしまっていた。一方で、すぐに相手も気づいて自分の側にドローンを利用した魔法陣でゲートを作り出すと、また雪国の方へとミサイルは吸い込まれて爆発したと思ったその瞬間にはもう閉じられてしまう。


 それに対し、マリオネッターの方は崩れ落ちたがれきの上で立っている椅子の上で笑みを作るようにしているまま相手の方を見ていて。その場が斜めになっているせいもあり零れ落ちた空中の血液のしずくから次から次へと腕を召喚しては相手へと突撃させ、ドローンによって作り出された球状の防壁へとぶつかってはその爪を折りそうになっている物のその直後に数本の攻撃たちが一か所に集まり大きな1つの物になると、そのまま相手を障壁事握りつぶしていた。


 それから、障壁の上から手が膜へと変化し相手の障壁を完全に埋め尽くすことでそこから出ていた魔法の光すらも外側からは一切見えない状態となってしまっている。一方で、マリオネッターの方は地面へと砂煙を起こしながら落っこちてしまっていて。ずっとそのまま上の方をわずかな口を開けながら見つめ続けるも、周囲では次から次へと落っこちてくるビルの残骸が周囲の建物を破壊するのを繰り返していた。


「あのさ、別に兵隊だって殺し合いが好きなわけじゃないんだよね、とっととしてくんないかな」


 その声を自分の口の横に手を当てたまま声を張る感じにしているマリオネッターだが、それが向かう先に出来上がっている自身の血を増幅させた膜の中にいる東雲は今も一切外側から見ると応答がないかのようであった。


 当の本人は、歯を噛みしめながら魔法陣を両方の手で作り出そうとするも、その光がわずかに起きて線を描くも、すぐに途切れてしまう。それでも、繰り返しまた魔法陣のゲートを作り上げるために何度も片方の手でトランシーバーを持ったままもう片方の指を立てて回すようにするみたいにするも、また空間が焼けるような音がするだけで。それに気づいた途端魔法の武器を口元へと持っていこうとするも、その瞬間それらは空中から地面へと落っこちて機械がぶつかる音を立て続けていた。


 しかし、彼女は今も何度も左右を見渡すことしか出来ずにいるも、それに対して辺りではずっと自身が作り出した魔法陣の障壁とその半透明な姿の向こう側に敵の作り出した壁があるだけ。それを何度も繰り返すかのようにしてから、一度ため息を付いて目を前に出すような形にしたまま、息を吸い込むとそれから顔をわずかに下に向けたまま歯を噛みしめつつ皮膚のところにたくさんのしわを作り出し、さらにそれだけで終わらず、両方の手を強く握りしめながら宙に浮くままにしているのを一切変えないままにしてて。数秒間そのままにしている間に辺りから激しい魔力の電撃が次から次へと起き始め、その音を自身の周りはもちろんのこと、周囲にも聞かせ続けていた。


 一方で、そっちを見ていたマリオネッターも辺りの小さながれきが何も力なく少しずつ持ち上がり始めたことに気づいたのか視線を左右へと向け始めつつ息を吸い込み、それから顔を上へと向けることで相手の様子をまっすぐに椅子の上から見続けている。ただ、彼の椅子が乗っていたがれきも辺りの空気と同じようにずっと揺れ続けているようだった。


 それが一瞬だけ止んだと思った瞬間、その内部では東雲が自身の縮こまらせていた体を一気に解き放つみたいにして。そのまま辺りに大きな衝撃を起こそうとする。ただ、彼女の前にまた、小さな、その顔よりもほんの少しくらいしか大きくない白い長方形が現れて。それに目を大きくするかのように視線を向ける瞬間、息を吸い込みながらいる物の、目を背けようとして顔を動かしたと思いきや、そっちにもまた新たに召喚されるようになっていて。そっちでは機械に取り付けられて四肢と腰の辺りを金具で固定されたままになっている女の子が、体を切ってその中に細長い機械を入れている様子であったり、肉塊を集めてゴミ袋の中へと入れている様子だったりを建物の壁からわずかに斜めにとらえるかのようにじっと見続けているのをずっと映し続けていた。


 息を吸いながら体を次から次へと色んな方へと視線を変えるようにしている東雲に対して、ずっと笑い声を聞かせるかのようにしているマリオネッターはずっと椅子の上でもう揺れる音がしなくなったがれきの上に立っている椅子の上から笑い声を相手に聞かせるのを一切隠さないまま笑い声を出し続けてて。その瞬間、そっち側からも見えている自分の血で出来上がった膜が一気に中身を押しつぶすかのようにぐしゃぐしゃになってしまっていた。

読了ありがとうございます。

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