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Lunatic  作者: コンテナ店子
第三部後編
208/216

第207話

 壁にもたれかかるような体勢のまま体中にできた傷と痛みのせいでとても動けずにいる私に対して、目の前に立ちはだかるように腕を横に広げてるハンの前に現れた腕たちは上へと持ち上がると一緒に東雲のドローンを破壊し続けるけど、その次の瞬間に無数のドローンが落っこちると一緒に爆発、足元の床を破壊する。


 さらに、魔法陣からまた次の攻撃が現れては腕の付け根を狙って突撃しては爆発を繰り返して。2人の間に出来上がっている穴がどんどん私たちの側へと近づくのを繰り返している。その上、辺りからたくさんの砂煙が起きているだけでなく、天井にもえぐれたひびが出来上がってしまっていて。その音を聞くタイミングで私も顔を上へと向けながらわずかな息を繰り返すかのようにしていて。一方で、ハンも東雲も一切動じないどころか、爆発の暴風にすら髪の毛と服をはためかせているだけであった。


 一方で、向こうの腕からは今も縫ってあった傷から出ている血が一切止まることなくずっと溢れていて、それは出来上がった穴の中にも落っこち続けている上に、その淵から噴き出した手たちもドローンが側面にぶつかるたびにそれも下の階へと落っこちていて。そっちから東雲の方へと襲い掛かろうにもドローンたちが魔法陣を作って別の空間へと続くゲートが出来上がっているせいで一切入れないようになってしまっている。一方でハンは体を前のめりにしながら何度も息を吸ったり吐いたりしながら相手にヘルメット側に向けるみたいにしてて。次から次へと手を伸ばしてドローンたちを捕まえては自爆される前に破壊しようとしている物の、レーザーガンに撃ち落されてしまっている物の数多くあり、それだけでなくプロペラが発している風のせいでどんどん血もこちら側へと吹き飛ばされてしまっていた。


 相手の猛攻にこっち側も息を荒くしながら何度も舌打ちと共にわずかな悔しい声を上げてしまっていて。私も顔から自然と力が抜けてわずかな声を出しながら顔をそっちへと近づけたくなってしまう物の、その瞬間にまた体の痛みが全身にこもってしまってて。手に力を入れようとしても全くの無意味であった。


 しかし、そう思った瞬間、敵の後ろにあった天井のひびから液体が垂れ下がってるのに気づいて、息を吸い込みながらそっちの方を見るかのようにしたものの、私の動きに対して体を回すこともせずに敵は水滴が落ちる場所に魔法陣を作り出し、それが何もない場所へと音もなくただ落っこちて行くことになっていた。


「やっぱ、そううまくは行かないか」


 鼻からわずかな息を出しているハンは肩を落っことしながら腕から出ている血の流れを一度止めていて、自身のキャスターのうちの1つのギリギリのところにまで崖が迫っている方を見るけれど、それで動かしているのは首だけで。他の部分は一切動かさないどころか目線だけを横に逸らしながらそこを細くするかのようにしていた。


 一方で、そっちにいる東雲は一度ドローンを出すのを辞めていて、ずっと自身の周りに既存の物を飛ばしたまま、それに付いている銃口を今も私たち2人の方に向けたままにしていて。その奥にある魔法陣の光がずっと出ているせいで、影が伸びているのを私の方へと向けるかのようにしていた。


「私が見てなくてもこいつらが見てるでありますからね」


 言葉をいつも通りの抑揚のない言葉で話しているというのに、首を上に上げながら鼻から息を出す東雲は、目線を下へと向けることでハンのことを見下ろすかのように。しかし、それ以外に聞こえる音は、ドローンがずっと羽根を回している音と血が水溜まりになっている物が一滴ずつ床へと向けて落っこちている音を1秒に一度程高い音で聞かせていて。私の足元にも血だまりの先端が着そうになっているせいで、私の足から洩れているそれも交じり合うかのようになっている物の、こっちの方には光がだいぶ届いていないせいでその場所はとても見えにくくなっていた。


「そっか……じゃあ、しゃあないか」


 目線を下へと落っことしながらいるハンは、何も言わないまま手をゆっくりと上げてヘルメットを最初の一瞬だけ音を立てて持ち上げると、顎紐が引っかかるもそれも本当にわずかな時間だけで外れてしまい、すぐ後に暗い中でもその収縮したり戻ったりしているのをわずかに見せている脳みそとそれで揺れている中の体液がわずかに揺れている姿があった。


 でも、それをこっちも見てると思った数秒後にはもう私の方へと振り返るように腰を回した瞬間にその液を周囲に跳ねさせている音を一瞬だけ立てるのをこっちの方にも聞かせてきてる。しかし、こっちもこっちで口をほんの少しだけ開けながら首を上に向けるくらいしか体を動かせなくて。何とかそっちを見るみたいにしてた。


「流那、先に謝っとくね」


 肩を顎が来ない辺りでこっちに真っ黒な空洞を向けてきてる向こうの姿は、それ以外の場所も光が当たっていないせいで影になっているのに対して、体から力を抜いて両方の肘を曲げたくなるけど、でも、そっち側には私が壁にぶつかったことで出来上がったがれきがあるせいでそれができなくて。でも逆に立てようとするのは体の痛みのせいでとてもできそうにない。


 一方で、顔を東雲の方へと戻したハンは私が一度名前を呼んでもその顔の向きを変えようとしないどころか鼻から息を吐いて自身の左右に後ろから伸ばした2つの手を使って横中の長方形の半透明の壁を作り出すと、そこから大きな甲高い声が聞こえだして。そのいきなりの大きさに私は目を横に向けて強く瞑ってしまう。


 数秒間するくらいのところでゆっくりと息を出しながら顔を横に倒した状態から元に戻すようにすると、そっちで顔を上へと上げながら東雲がずっと膝を折り曲げてただただ白目の範囲を限界まで広げるように目を開けながら瞳孔を小さくしていて、口を大きく開けている姿があって。その制服のセーターとチェックのスカートが砂ぼこりまみれになっている様子を変えないまま目の前から出ている赤い炎の光にずっと照らされている。


 けれど、ハンもそっちへと向けて同じ色の光に照らされながら顔を上に向けて。地面も同じように照らされている物の、まっすぐ私の方へと伸びているその体とキャスター付き椅子の影が伸びているところ以外は赤色に照らされていた。


 一方で、私は2人とその間の穴の上に広がっている小さな女の子が炎の中を顔を隠しながらずっと走っている姿が映る映像の姿を見ているけれど、小さく横に広げる感じで開けた口から息を吸い込みながらずっと鼻も目も動かさないままただただそっちの方を見続けてて。何も動かさないでいるせいか映像から聞こえて来るずっと高い声以外に辺りからは何もしなくて。


 そっちの方をはっとしながら見てみるとドローンたちも地面の上に転がってその形を一切変えずにただ羽根も回さずに転がっているだけで。魔法陣の光によって影を作っているのを私たちから遠ざかるように作っているのに気づくと、東雲の物も水色の方で見えにくくなっている物の、確かにそっち側に薄くなっている影が出来上がっていた。


「あの、ハン……」


 私は、わずかな声を出しながらそっちの方に体を伸ばそうとしたけど、さっき無理やり無力化した体の痛みが一気に舞い戻って全身を壁に押し付けそうなほどになってしまう。それに対して私は首を上へと向けながら何度も息を前後に動かして、首を上へと向けながら目を細くして何度も呼吸を繰り返し、視界を瞼でずっと封じたままにしてしまう。


 一方で、今もハンや東雲がいる方からはずっと炎が燃え盛り辺りをずっと焼いている音が聞こえて来るのと一緒に、崖から落っこちる血が何度も滴っている音を繰り返し私たちの方へと聞かせ続けていて。それと重なったりずれたりを繰り返すような形で私も上へと息を出し続けるようにしていた。


 下の瞼を開けて、そっちの方を見るけれど、ハンは肘を直角に近いくらいの角度で曲げたまま、崖同士になっている場所にアーチをかけるような形にすることで敵のいる岸の方へと手を落っことすとそこからずっと蛇行しながら床の中を進んで東雲の体へと到着するとその体の上も進み頭に掴みかかっているけれど、一方でされている側は今も一切動かないまま。


 向こうの今も、目の前の映像を見て、口を開けたまま喉をほんの少しだけ震わせる感じで音を鳴らし続けている姿を見てる間、全然その体を動かしている様子はそれ以外には全くと言っていいほどなくて。そんな光景を私も見てたら、歯を食いしばりながら体を起こそうともう一度肘に力を入れる。


「こんなこと、もう、辞めにしよう」


 何とか体を起こそうとする動きの間に、わずかな声を出そうとするけど、でも、その直後に顎を上に向けながら唾液を飛ばしてしまって。それは私の方にも飛んできて肌の上に付いてその冷たいのを感じてしまうけど、でも、また両方の手を握り締めて体中に電撃を込めることで体を起こしながらなんとか立ち上がろうとするけど、それのせいで体にかけた魔法の力が弱まってまたクラリッサに作られた足の傷が開いて正面に倒れこんでしまう。


 一方で、こっちが床の上に落っこちる音を部屋全体に響かせる感じでいるのに対してハンが大きな声を上げながら私の方へと振り返るけど、その反動で車輪がほんのちょっとだけ後ろに下がるけど、私の体はおろか、血同士が混じり合っている場所にだって届いてこなくて。でも、その動きで液が私の体の方へと押されるみたいになったことで、こっちの髪の毛が濡れてその重みで頭にくっつきそうな感じで私の体に重みを訴えて来る。


「流那!」


 向こうが私の名前を呼んでこっちに体ごと向きを変えて手を伸ばすみたいにして。その様子を見た瞬間、私は口を横へと伸ばしながらゆっくりと息を出してその音を相手にも聞かせる感じでゆっくりと出していくけど、でも、向こうは両方の手を背もたれの一番上の所に両方の手を乗っけながら体を前のめりにして目線を横に数回向けた後に体をひっくり返して。


 そっちに作り出した手を使って自分の体を椅子から下ろすとそのまま私の隣に着てくれて、そのまま背中が赤い炎の光に照らされている一方で、こっちに近づいている眉毛とその下の空洞もある顔の正面側は全体が影に包まれて暗くなっているようで。それがこっちの正面に出来上がっているみたいで、そっちをまっすぐに見てるだけで私は肩を落っことしながら目尻も同じように。


 私のわずかな前の辺りで両方の自分の肩から伸びてる手とズボンの破れた袖と血管を使いながらこっちに近づいてきてて。向こうの眉が下がっている姿を見てたら、その黒い空洞をじっと見つめるみたいにしたまま鼻からゆっくりと息を吐いて肘を落っことす。


「ありがと、こんなこと、もう、いいよな……」


 私がハンの体の脇の下に手を通すみたいにしたまま相手の肩のところにおでこをこっちがくっつける形にして。そのまま目を瞑ったら。その間に向こうが息を吸いながら頭をこっち側に傾けたのが、頭の中の水が揺れる音で感じ取って。さらに、私の足元に広がっている、向こうの黒いのと私の赤い血が交じり合っているようになっているのが動いて2つが混じり合う音を聞いていた。


 しばらくそのままでいようとしたけど、少しだけ目を開けてみたら、私の体からあふれ出てるのがずっと渦を描くみたいになって一度外側に回ったのが元に戻っていくみたいな形になっているし、それで内側になったのも外側になったのも、どっちもハンの黒いのに包まれているかのようであった。


 一方で、もう小さな東雲を映してる映像はすでに真っ白なただの四角になっていて、暗い夜のほとんど何もない場所の中で、私はわずかにその温かい感覚を味わうと、肩で息をしながらもちょっとだけそのペースを緩くしながらいた。

読了ありがとうございます。

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