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Lunatic  作者: コンテナ店子
第三部後編
206/216

第205話

 諸葉もビルの下の方へと落っこちて行ったのを数秒だけ見つめるかのようにしている東雲は、すぐに両方の足をまっすぐにしたままわずかに力を入れようとしている物の、その瞬間に後ろの方で高い金属の音がしたせいでその動きを止めることになる。


 一方で、そっちの方で両方の肘置きに手を乗っけたまま首だけを動かして口を相手の背中へと向けたままにしているマリオネッターは、口元で笑みを向けるまま、自分の下にある椅子のキャスターを動かすものの、それで椅子が動くのはほんの一瞬だけであった。


 その周りでは、今も辺りに建物そのものを燃やす炎が今も残っていて。そこからあふれている煙が充満していて視界が悪くなっている物の、2人はそれで一切息苦しくしているどころか、ほんと体を動かすこともなく、東雲の方は魔法で作り出した円形の障壁を作り出している一方で、もう片方は赤く燃え滾る煙の中にずっと体をさらしている物の、その白と赤が交じり合う色の中で顔を出したり消したりを繰り返しているだけ。


 しかし、今も現在進行形で建物は崩れているようで、ずっと静止している2人に対して次から次へとがれきが落っこちて振動で低い音を立てながらその辺りを揺らしている。その間も、マリオネッターの方は体を一度前のめりにしながら勢いよく前に戻すことで反動を利用し相手の方へと近づいている物の、そのペースは本当にわずかな物で、相手からしたらそれが近づいているのが高い金属同士がこすれ合う音でしか気づけない。


「そろそろ、こっちの相手をしてくれるかな」


 手すりの前の方を掴んだまま何度も息を激しく繰り返しているのに対して、今も東雲はただただまっすぐに相手に背中を向けたまま、周囲に水色の障壁を作りまっすぐに立っていた。一方で、その背中へと向けて出された声はわざと演技がかったみたいな声を出している物の最後の方はすぐに言葉を止めているし、首の向きもほとんど変えることはなくて。相手の下を向くかのようにしている目線が前へと戻った後に顔が自分の方へと向いてきたのに対して、マリオネッターはすぐに自身が座っている背もたれへと体を落っことしてくつろぐかのように。


 東雲は今も辺りが煙と陽炎で見えにくくなっている相手の方へとまっすぐに歩き始める物の、そっちへとがれきが落っこち始めたのに対して一切何もしないまままっすぐに歩くのを辞めないが、周囲の障壁にぶつかった瞬間に大きな振動を起こしながら大きながれきの方が2分割されて床へと落っこちて左右に分断されてしまっていた。


「あのさ、大森杏にしたこと、そう簡単に許すつもりはないよ?」


 最初の言葉を強調するかのように話し始めたその声に続いて、後半部分でも一番自分が強調したい部分をその大きさで相手に伝えるかのようにしている。もう一度口元を横へと伸ばしながら顎を自分の側に近づけるまま両方の腕を前へと伸ばすマリオネッターは、数秒間斜め上に手を持っていったまま指を落っことすポーズをそのままにしてて。ヘルメットのわずかな隙間から鼻の左右の斜め上に出来上がった真っ黒な空洞の下の辺りだけ見せて顎を自分の上へと持っていく感じに。


 続いて両方の手を強く握りしめた瞬間、筋肉が浮かびあがるかのように膨れたのと一緒に、腕の周りに出来上がったいくつもの刺繍跡が苦しそうに傷がその糸を外側へと持ち上げ始めたと思った瞬間、次から次へとそれを突き破り、漏れていた黒の方が近い色をしている血液が一気に量を増やす。


 椅子から先へと手を伸ばしたせいで血が直接地面へと落っこちると、それが一瞬だけ円を作り出すように均等な形で広がる。しかし、ある程度の広さになった途端に蛇のように左右へと蛇行しながら尖った指をした腕が次から次へと東雲へと一斉に襲い掛かり始めた。


 無数のそれがマリオネッターの方から襲い掛かる一方で、東雲の方は一切動じないどころか、それに対して足を動かすペースを一気に速めて腕を振りながら走り始めるだけで。一気に持ち上がり床から実体化した腕たちは威嚇するかのような動きをしてから襲い掛かるもそれのすべてが障壁に弾かれて高い音を立てはひるんでしまっているだけ。とはいえ、今もマリオネッターは大きな笑い声を上げながら次から次へと自身の血だまりの範囲を増やしていくのを一切止めないどこか笑い声を辺りに響かせて、次から次へと血を落っことしてはそれを自身の触手へと変えるのを繰り返す。


 相手の攻撃をもろともしないままに進んだ東雲はすぐに水滴の元へとたどり着くと思いきや、そこへと足を踏み込んだ瞬間、足が一気に落っことして、その瞬間に笑うのを辞めたマリオネッターは手すりを掴んで体を椅子から投げるとすぐにキャスターの車輪がある場所の辺りから広がる水面へと自身の体を投げ入れてしまう。


 血だまり以上に不快その中へと落ちたことで、すぐにその場から姿が見えなくなる東雲だが、それに続いて無数のドローンたちが次から次へと穴に突撃。数秒後にはその中から持ち主をサルベージされると、宙返りするような勢いで体を浮かばせると、その体の回転を利用して目の前の血液の上に魔法陣を作り出す。


 それのせいで、遅れて自身の領域から出ようとした側は完全にその魔法陣の中へと吸い込まれてしまい。そのまま冷たい床の中へと叩き落とされて、その瞬間に顔の筋肉を使って空洞を広げるまま顔を左右へと向ける。しかし、辺りに見えている物はほとんどないどころか、突風と周囲の雪によって出来上がった吹雪と自身の下の真っ白な雪の上に出来上がった血が湿っている場所以外には何も見えず、辺りへと視線を何度も向けてもそれが変わることはなかった。


 一方で、相手を雪山へとゲートを利用して飛ばした東雲は、すぐに穴の方へと戻ろうとする物の、その一歩の足を動かそうとした瞬間に、周囲に激しい振動が起き、まっすぐに起立するようなポーズをしていたところから足を両方わずかに広げるような形にして。そのままに歯を噛みしめるかのように。しかし、ほんの数秒で元に戻すと、小さく息を吐いてまた同じ体勢に戻ろうとするも、その瞬間に一気に足を引っ張られたせいで床の上に体を落っことすと、そのまま引きずられてまたマリオネッターの領域へと吸い込まれそうになると、自身のすぐ横に呼んだドローンの羽を突きさして地面へととどまろうとした。


 しかし、振動で広がった血液が相手の足元へと来たことでそれを掴むことに成功したマリオネッターは雪山の雪原に出来た自身の血の跡へと伸ばした腕を敵のいる足元へとワープさせている。そのまま、自分の体もその中へと入りこませることで相手のすぐそばへと現れると、東雲の足の表面をいくつもの腕が次から次へと現れてはまた太ももからお尻、さらにお腹から胸を通って頭へと伸びて行ってて。体中へと限界まで力を入れることで少しずつ消している物の、敵の攻撃も激化の一途をたどる。


「さすが、流那はわかってるね」


 意気揚々と大きな声を出したそっち側が骨と血管が残っている足もすべてこっち側に戻したことで吹雪の音は鳴りやみ、自身の右手の傷口からどんどんあふれ出る血を影の腕に変えて自身の腕の肌の上を通しながら東雲の方へと次から次へと流し込んでいる。


 しかし、ずっとそのままでいるつもりだったというのに、近くに急に大きな振動が起きたせいで後ろにいたマリオネッターの方から体を吹き飛ばして自身の血で出来上がった空間の中へと落っこちて行きそうになっていた。それに、彼は両方の手で何とか両方の端を掴んで耐えようとする。


 一方で東雲の方はドローンを掴んでいた体を何度も息を体でしながら立ち上がり片方の足を引きずりながら立ち上がろうとしていた。それのせいもあり、2人の内どちらもただただ自身の体の状態を整えるのでいっぱいいっぱいであったが、一方で、横の壁を破壊しながら現れた流那は、ただただまっすぐにそっちへと向けて立っているまま1人でただ顎を自分の側に近づけながらずっといるだけであった。


「流那! 噂をすればってやつかな」


 ようやく空間から這い上がるような形にして持ち上がったマリオネッターは明るくて大きな声を出してしまうだけでなく、口を大きく開けながら話す。そして、それだけでなく軽く笑いながら続けた言葉は終盤の方でだけまた持ち上げるまま。それに続くように口を横に口を広げる。


 一方で、そっちの方をわずかに見ている東雲は今も自身の体についている砂ぼこりを払っているが、目線も手の方へと向けたままにしてて。ほんの少しだけ息をしながらまっすぐに立ちあがっているだけだった。


 しかし、流那は顔をしばらくまっすぐに顔を向けているだけにしていた物の、動かすのはほんの少しだけにしておくことにして、息を溢れさせることもなく、そのまままっすぐに立っている方と血管を垂らしたままにしているまま両方の手を地面について体を起き上がらせる体勢をしてエビ反りにしながら笑みを作っている方を見つめていた。


「流那、今度は沼で勝負する?」


 顔を少しだけ下げながら顔の向きを変える感じにしているのに対して、言われた側は今は何もしないで立っているだけで何もしないでいて。手をまっすぐに下ろしている側も這うようにして椅子に腕を伸ばしてそれを持ち上げるかのようにしながらいる物の、何度もそこへと昇るのに失敗してしまうがために、体内の肉がむき出しになった足が血だまりの中へと持ち上がることでそのぐちゃぐちゃな音を立て続けていた。


 一方で、そのわずかな声変りが来てない高い声を出しながらずっと息を強く閉じるような勢いで登ろうとしている背中を見ている2人は今も何もしないままにしていて。しかし、流那の方から曲げた両方の手を握り締めて、自分の胸の横辺りに紫色の光をその中から洩れさせていた。そして、本人の顔もわずかに下へと向けているのもあり、月の灯りがその顔を照らしていなかった暗い中をそれがわずかに照らす。


「待って待って、別にやるのはいいけど、天翔龍閃がかっこいいのは最初のポーズがあるからでしょ?」


 そういいながらまたもう一度息を強く吐きながら何度の腕を這わせることで何とか椅子の上に戻ることが出来たマリオネッターは、すぐに手すりを使って体の向きを自分側に戻し、そのまま深いため息を付いて肘と腕を落っことす。さらに、それに続いて口を横に伸ばしながら両方の手をまっすぐに前へと伸ばすと、そのまま薄目で下の方を見るかのようにして次から次へとまた自身の血を下へと垂らし続けていた。

読了ありがとうございます。

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