第196話
亜里沙が流那と別れて上の方を目指し始めた一方で、まだ上の階層の方にいる北川と一六はずっと抱きしめ合っていたけれど、後者がほんの少しだけ口の両端を上に上げながら鼻からほんのちょっとだけ息を吐くみたいにしてわずかに手に力を入れながら顎を下げている。それに対して、前者の方は、今もその自分よりも小さな体に顔を当てながらおでこをずっとその頭に当てるままにしていて。そのまま息を吸ったり吐いたりするのを自分にだけ聞かせるみたいにしたまま、それ以外には顔に全く力を入れないままに。
その間も、2人の数回上の階では諸葉が振り回す剣の音と東雲が操縦するドローンが周囲の空気を吹き飛ばしながら飛び回るのや銃弾を発射するのを繰り返して。その大きな叫び声と液体が噴き出す音、そしてそれに続いて周囲の環境を貫くような音がしたタイミングで、足を落っこむのが聞こえる。
当然のように2人もそれに反応したのか、一六が顔を上へと上げるような形で息を吸いながら、斜め上の何層もの穴がつながり合っている様子を下の唇で上のを押すままにして見つめている。一方で、北川は、今も自分のおでこと鼻の先端を相手の体にくっつけるまま顔を横に向ける感じにしてるまま、一層に大きな深呼吸をして。それからその体を強く締め付けるみたいに。
それに気づいた一六は、一瞬だけ間抜けな声を出しながら、相手が自分のお腹と胸の間の辺りに強くおでこを擦りつけるみたいにしたのに気づいて。両方の手をその背中から放しながらわずかな声を上げてて。数秒間だけ乾燥した髪の毛の中で頭皮が見えそうになっている姿を見てたら、またドローンの銃が発射される音と剣がそれを弾く音が何回も繰り返されているのに気づいて。それのせいで、何度も小さな言葉でそっちに問いかけるような形にしているようだった。
2人を照らしている光は空を雲が埋め尽くすかのようにしているせいで、そっち側はずっと暗いままになってるし、星は何一つ見えないままになっているようになっている。でも、そんな中でも銃弾が弾かれるたびに高い音を立てるたびにまぶしい光が辺りを支配するかのようで、一六もそのたびに一度目を閉じてしまいそうになっている。しかし、一方で、今も北川は相手の体へと自身の体を押し付けるまま息を殺すかのようにしているだけで。その間ずっと静かに一切動かなくなっている。その顔には顔の半分ほど、両側の端から光が入り込むようになっている形になっているせいで、その内側はずっと暗闇にまみれているかのようであった。
しかし、そんな中で顔をいきなり上げたと思ったら、そっちを見てなかった一六も急にそっちへと目線を戻すことになるし、一瞬だけにっと笑うような表情を北川は作る。そのまま、自分が膝立ちになってるのに対して唇をしまうかのような表情と一緒にゆっくりと相手の体を滑らせる形で、自身の手を太もものところまでもっていくと、そのまま目線もそっちに。
一方で、何度も足の付け根を撫でられる側は体をビクンとするかのように背中を息を吸い込む動きと一緒に上下に肩もろとも動かすのに対して、目に強い力を入れるままにしてて。そのしわも一切隠せていない。さらに、わずかな熱い息を吐き出しながらいるその姿は体から汗を滲み出せていて。それが何も光を反射しないでいる物の、脂のようにおでこを中心としてそこにとどまっているのに、体同士を上下に動かすような擦り合わせる動きに対して一六はその場で何度も形を一切隠さない白い息を斜め上に向けて出すだけだった。
「きっ、たがわっさん……」
ギリギリ出すくらいで止まりそうになっているその声に対して、北川は目をにやけさせるのと一緒に得意げにわずかな笑い声を出しているけれど、一方で一六は今も何度も音を聞かせる激しい息をずっと、相手のゆっくりとした撫でまわしが終わるまで続けてた。
一度手の動きが止まったところで、また来た道を戻るみたいに右手を上へと出して、相手の斜め上へと伸ばしている顎を元の角度に戻しながら息を吐いているも、一方でされた側も生唾を飲み込むように動かしながらいて。向こうが口の中を舐める形で唇を閉じたまま動かしたのをただ見ることになった。
「かわいい……」
頬を使って唇を横に広げたその姿が終わった後、そっちから相手の両方の肩に手を乗っけてたから、そのまま足を曲げてる状態からだんだんと上へと持ち上げているようにしているのに対して、一六は背中を限界までまっすぐにして、目の前の下から自身の体と胸を滑らせながら近づいてくる様子を見つめながらいようとするけど、また上の方で大きくて高い音がした瞬間に目を大きく開けた。
「あの! あの……! まってください!」
何度も何度も勢いよく切る感じで高い声を上げてしまう一六が手を目を瞑るまま自分の顎をつまんでいる北川の顔に対して体をオーバーといえるレベルで動かしながら下げて距離を取ってるけど、離れた側がお尻を硬い床の上に落っことすことで自身の体の横側に足を曲げている姿をそのままにしてるのを一切隠さないままにしてて。唇を閉じて顔を下に向けてるまま、そっちに両方の手を並べる感じでくっつけてた。
それに対して、一六は両方の手を自分の背中の後ろの方へと手を突いたまま顔を斜め下の方へと横に向ける感じでいるけれど、ずっとその体勢でちらちらと相手の方を見続けるままにしてた。さらに、それから強い息を吐きながら重心を持っていき、眉を落っことして相手の方を細めにした状態で見つめるまま顔を下に向けたままにしてた。
一方で、相手の方もそっちと同じように体育座りしそうな形になるけど、自分の膝の上で両方の手の頬杖を突くようにしたら、そっちもそっちでまた目を下に向けながらいて。それから片方の足を横側に倒した後、開いた方の手で頭の後ろを掻き始めてた。
「ごめん、でもさ、私、今回だけはマジでやばいんだよね」
掻き終わった手を自分の足のところに落っことすのと一緒にため息を付くその姿は、またもう一度繰り返しため息を付いていて。それで辺りは静かな音にまみれているかのようであった。しかし、そう思ったのは本当に一瞬で、またそれに続いて諸葉の叫び声が聞こえて来るが何度も繰り返し彼女らの階層に響き渡っているかのようであった。
一方で、北川は本当に目を閉じるところギリギリになっているような形にしていて。それをしばらく見ていた一六は、勢いよく体をまっすぐにすると、そのままそっちへと向けて歩き出すどころか、そのまま相手の横を通り過ぎている間、腕を体にくっつけるままそれを上へと持っていくかのようにしていた。
「木月流那を探しましょう」
互いに背中を向け合うようにしている間、ずっと立っている側は自分の前にある下の方へといつまでも続くかのようになっている穴の方を見ているのに対して、もう片方は顔と肩を下へと向けるまま、落っことしていた手を自分の顔に当てるままにしているままに目線を落っことしていた。
一方で、しばらくずっと首を曲げて下を見るままにしている一六は一度大きく声を出して辺りに出すようにしたまま足を一度踏みしめて、それから体を回して相手のことを背中側から見るようにした。
「あの! 私たちにだって、性欲はあるんです!」
その言葉を聞いた瞬間、北川はすぐに相手の方に振り返ろうとしたけど、それよりも先に、そっちの方が両方の手を伸ばしながら相手に抱き着くようにして。それのせいで、完全に相手のことを見るよりも早く体が固まってしまう。
「ほんとに、勘違いしないでくださいね」
その声を出した一六も、顔を相手の肩を通り越すみたいにさせている一方で、逆の方に視線を向けるような形にして横へと向けるままにして。そのまま口を閉じる形にしていて。それに対して辺りではずっと静かな時間が経過しているだけだった。
しかし、それもほんの数秒で終わることとなった。上部からまたさっきと同じように岩が転がり落ちてきて。それのせいで彼女らがいる場所ですらも、それにぶつからずに済んだとしても、彼女らのいた床はいとも簡単に倒壊し、また体を下へと落っことし始めていたのだった。さらに、それと共に、諸葉も落っこちて来ていて、北川が何とかそれを捕まえる物の、それで彼女の両手はふさがってしまった。
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