第195話
クラリッサの息の音だけを聞いてる間、私は肩をほんの少しだけ前のめりにするままに足を正座させるみたいな体勢でいるのに対して背中はまっすぐに伸ばす姿勢でいるけれど、一方で、周囲は私たち2人の体だけが残ってるだけになってて。それのせいで口をずっと紡いでいるこっちの視界には、クラリッサの口で何度も息をしている、その胸の動きだけしか見えない。
でも、急に私は歯を噛みしめながら強く両方の手をずっと力を入れながら自分の体の方に寄せる感じにして。それから両方の肘を自分の背中を通り過ぎる感じで持ち上げて、そのまま歯を強く噛みしめて両方に限界まで力を入れたままお腹を強く引っ込ませるみたいに。
そんな中でも目をずっと細くして相手のことを見ているこっちに対して向こうはたまに咳をするけれど、それ以外で丸めている背中の場所以外に動く場所なんて一か所もなくて。それを見てる間、目尻を落っことすみたいにしながらいるけれど、私は何とかそこから立ち上がって一度立てた膝を使って片手をそこに一度乗っけて手から立ち上がる。
「そうだよ、そんなこと、とっくの昔にわかってた。ずっと、ちっちゃいころからそうだろ」
大きく声がならないように、口も少ししか開けないくらいにするし、出す声もほんのちょっとだけにしておくのに対して、向こうはずっと顔を下へと向けたまま自分の足が向かってる方に視線を送ってるだけで全く動かない。それは、こっちが両方の手を斜め下に向けるみたいにしてる間も一緒だった。
数秒間こっちは手と腕をずっと同じ向きに伸ばしながらすべての指同士を遠ざけるようにしている間、ずっとどこも動かないままでいようとして。うさ耳パーカーに包まれた胸を張るみたいにするけど、周囲は暗闇のままなせいで、その形すら、まともに私も見えないまま。
でも、クラリッサの横へと私は数歩だけ歩いて行くみたいにして。その少し後ろの方に座り込むと、両方の膝がだけ相手の前に行く感じになって。でも、それに対して私はそっちへと顔を向けることで後頭部と背中に繋がる部分だけを見る感じにしてた。
「もう、いいんだよ、私はこれで……一生バカなままでいい」
言葉をいつも以上に声を高く上げそうなくらいの大きさで話してるのに対して、向こうはずっと同じ体勢のままにしてて。一方で、こっちはずっと両方の膝の上に腕を乗っけって。さらにその上に顎と首を乗せるまま、唇同士を少しだけ潰すまま、ただ砂やわずかながれきが転がってるだけの地面をずっと見つめるままにしてた。
でも、それで私がほんのちょっとだけ息を出しながら唇を横に伸ばす感じのまま目を細くしてるのに対して、クラリッサはいきなり体を上に飛ばす感じで立ち上がり、右の手を握り締めてるのをこっちに見せるような位置で落っことしてて。それに気づいてから私が顔を上へと上げるけど、向こうは今もずっと顔をまっすぐ前に向けてるだけでその視界の中に私がいるのかどうかすらもわからない。
「……ごめん、私も、もう、行くよ」
また顎を自分の側に付けながら一瞬だけ出すみたいにして出した声に対して、私は息を吸い込みながら目と口を開けて。それに続いて私も両方の手を膝に直接ついてから立ち上がり、両方の手を握り締めて、足を一方前に。
その音を確かに辺りに響かせながいるのに対して、さっき向こうが出した機械で作られた声は、ほとんど一瞬だけで消えててもう私のにかき消されたかのようですらもあった。
「どうしてだよ! もう、いいだろ! もう、こんなこと、なんでするんだよ……」
何度も声を出すたびに体を前に出すみたいにすることで話して行ってる私のそれが自分自身の喉を傷めそうなほどの勢いを保ってて。それに対してクラリッサの方は顔を上に向けてるだけにしてて。一瞬だけそっちの方を私も見るけど、すぐに顔を下に向けながら両方の折り曲げた膝の上に両手を乗っけながら肩を何度も動かし続ける。
さらに、唇の下のを上に押し付けるまま、足同士を内またにして。息を大きく吐きながらいるのに対して重心を下の方へとのしかからせるみたいな体勢をしてるせいで、私の体は小刻みに震えるけど、影の方は全く動かずずっと私のが左側に向かっているのに対して、クラリッサのが右側に伸びている姿を一切変えようとしない。
それが違くなったのは、クラリッサが首を出来るだけまっすぐにしたまま顔を回すみたいにするだけで下は向かないままにした後で、こっちはわずかな声を出しながらそっちの方を見るみたいにするだけだった。
「大森さんだってそうでしょ? 私も、兄貴がそうなの」
その言葉は飛び上がって上の階へと飛び移って、両足の膝だけをあげたまま二つの手をその間に伸ばして床に着ける様子を私に見せている。その風を切る音だけが私の辺りに聞こえるかのようになっていた。
むこうでクラリッサが下を向いていたのはほんの一瞬の間で。もう次の瞬間には目を細くしながらまた次の階の天井を見るようにするけれど、そっちを照らしているのは自身の体から魔力があふれ出るようになっていることで出来ている光だけだった。
「次に会ったときは殺す」
クラリッサが出した声はほんの一瞬の声だけで、それ以外に聞こえるのは何も聞こえないまま、次の階へと飛び立つのを何度も繰り返した結果、そこに取り残されたのは私だけで。そんななかで、顔を下へと向けながら鼻から息を強く吸うけど、それに対して辺りにその音が響くことはなくて。そんな中で私は自分の体に肘を強く当てるみたいにした。
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