第190話
諸葉作り出した真水の剣で有刺鉄線を切った後に、諸葉、一六、北川の順で先へと進んで行っているのに対して、建物の壁に背中を張り付かせようとしたのの先にいた見張りの警備員がいたものの、剣から放たれた鋭い水の弾で首を切られることで音もなくその場に倒れてしまう。一方で、それを後ろから一番近い位置で見てたのは体を上へと持ち上げながらわずかな声を上げてしまいそうになってしまっていて。その途端にすぐに最後から来ていたのが口元を押さえるようにすることでそれが響くのを防いでいて。その途端にすぐ先頭が見つからないように近くの建物の影へと移動しているのをわずかに「行くよ」といった後に「はい」という声に続いてそっちへと進んで行っていた。
彼女ら3人が進んで行っていることで目指している敷地の中央にある背の高い塔の方は、周囲の高くても2階くらいで終わっていそうなほどの建物とは全く異なり、7階ほどは出来上がっていそうなほどの強大な施設で、それが縦長になるようにいくつも連なっているも、その建物の多くは南側から見ているというのにほとんど窓がないせいか、夜の闇と混じり合うかのようになっている上に、それのせいで灰色の壁がまっすぐに上へと伸びているかのようであった。
一方で、それを眺めているかのようにしている一六の動きは壁からわずかに離れそうになっているのを見て、北川の方がその首根っこを引っ張ってすぐに戻そうとしているのに気づいて、そっち側も首をくっつけるままに自分の体にくっつける感じのままわずかに謝る声を出しながら小走りで戻っていく。
また、諸葉の方は、体に魔力を込めるままにしていて、自身の胸の少し下の方で両方の手を重ねるままにして目を閉じたままわずかな声をぶつぶつと出す感じに。そして、それを横目に見ている北川は、わずかに体を斜めに傾ける勢いのままに顔だけを建物から出すかのようにしている物のそっち側に遠くを歩いている上に自分たちがいる方とは違う方へと進んで行っているのを見て、また体の後ろ側全体を自身のいた壁に付けてからわずかな息を吐いていた。
それに対して一六は、今も辺りを何度も見回すかのように視線をきょろきょろと向けるかのようにしているまま、脇に力を入れて体をわずかに体を縮めるかのようにしている上に、喉にも力を入れて、体全体をわずかに伸ばすかにしている。
ただ、そこで一番真ん中でわずかに剣から青い光をずっと放ち続けていた存在が薄くだけど目を確かに開けながら下へと目を向けているのに対して、そっちへと顔を向けている2人。挟まれている本人もわずかに眉を落っことすも、すぐにまた剣へとそれを元に戻した。
「2人とも、準備はよいな」
一切伸ばさない上にほんのわずかだけ出すかのようにしているその声を聞いた2人も先に北川が口を横へと伸ばしながら軽く答えるのに続いて、一六もいつもより若干高い声で返事をして。それが辺りから聞こえなくなった瞬間、その手にしていた剣が彼女の正面の位置で手首を使って回されると、そのまま地面に突きつけられ、同じタイミングで全員の足元に魔法陣が出来上がる。
一六が目を丸くした数秒後に激しい水流が空へとまっすぐに伸びる形で発射。それに全員が包まれるも、その中でも割と先端に近い辺りでとどまることになり、水に運ばれるままに空へと打ちあがる。さらに、奥にあった建物へと向けて角度を変え、まるで鉄砲水のような勢いでその高層ビルへと突撃した水がいとも簡単にその壁を破壊すると、その中へと3人が打ち上げられていた。
「一ノ瀬さんまでこういうことをしないでください……」
「しゃべっている場合ではない。奴らが来る前に逃げるのだ!」
「その必要には及びません」
びしょぬれになって髪の毛を落っことしたまま四つん這いになるような体勢で何度も肩で息をする一六が文句を大きな声で聴かせている一方で、壁に手を突きながらなんとか立ち上がる諸葉が、大きな声を出しながら手を突くままに歩き出そうとした途端に、その背中側から鋭い男の声が聞こえた。
しかし、聞いた側は足を止める物のわずかに中腰に近いような体勢をしている体の位置は一切変えないままに顔を下へと向けるまま、歯を食いしばる表情をしていて。でも、それに対してしゃがむ体勢をしていたのと、もうすでに両方の足でまっすぐに立ちながらパーカーの内側になるシャツを何度も絞り続けている側は同じ体勢のまま声を出した倉敷とその隣にいる亜里沙の方へと視線を向けていた。
水やビルを破壊した砂にまみれている一方で、そっち側にいる2人は今もきれいなままにスーツと皐月ノ宮の制服をしわ一つない様子を見せているかのようで、諸葉が体を壁から離し、一六の体に支えられるかのようにしているまでずっと濡れた髪の毛を顔に張り付かせたままそっちを見ているかのようだった。
「待っていましたよ。どうせなら正面から来てほしかったですね」
体を落っことしながら今も片方の手を真横にある肩に乗っけて、体重もそっちに乗っけるままにして、相手にも肩で息を繰り返している音を一切隠さないようにしている諸葉は、にらみつける目つきを一切隠さないままにしてた。
一方で、話をしている倉敷もその目と視線を向けている物の、眼鏡の向こう側にいるその目線が変わることは一切ない上に、話が終わっても口を紡いでいる様子は、それを横へと伸ばすかのように。さらに、横にいる亜里沙も一切動かないどころか、魔法を使う様子すらもない。
「そうか、なら入り直した方がよいかのぅ!」
その言葉が出た途端、体を勢いよく地面の下にある水を利用することで自身の体を一気に後ろへと下げながら、それによって前方向へと伸びた水辺が倉敷らの足元まで行ったせいで、そのまま両方の手に込めた魔法の青色の光を一気に下へと落とすことで両者を転ばせた。
北川が始めたその数秒後に一六も続くことで激しく水面を叩く音を聞かせながら廊下を走り始める2人。当然ながら即座に亜里沙の方が変身することで斜め前へと飛び出すことで天井へと一瞬だけ張り付き、そこからまた飛び出すことで一気に後ろの2人へとたどり着こうとするも、それくらいのタイミングでそっちも諸葉の元へと到着し、素早く北川が笑みを作りながら後ろへと振り返る。さらに、そのタイミングで両方の手を上から下へと握り締めるままに落っことすことで力強く光をそっちへと落っことして変身を完了した。
「北川さん! お姉さまはこっちです!」
亜里沙が両方の手を振るうことで諸葉に2つのブーメランを落っことそうとしたタイミングで後ろにいた北川がその体を鞭で絡め取って体の向きを自身の方へと向けるかのようにしていて。それから水びだしになった床を利用として相手の足元まで滑り込むと鞭を天井にあった灯りに絡ませることで体を起こし、その勢いで相手に頭突きを披露する。
相手が数歩後ろに下がるままにしているのと一緒に顔を斜め上へと伸ばすことでそっち側に顔を向けながらウィンク。さらに、両方の手をそれの前で重ねる感じにしてた。
「ごめん、一六」
言葉と一緒に投げキッスを披露する北川に対して、諸葉をおんぶしていた一六は一度だけ顔を下へと向けてため息を付くも、すぐに顔を上げてウィンクをし返してた。でも、それは口を開けたままにしてるし、最初は一瞬だけ両方とも目を閉じるままにして、もう一度戻す感じで目を元に戻してから自身の手を見てからまたもう一度することになっていた。
「……一応、言ってみただけです」
ウィンクする表情から軽く笑うまま頬を膨らませる感じにしているそっちは顔を横へと傾けるも、すぐに諸葉から「はよせい」と言われたところで、すぐにそっちはまっすぐに走り出して。そのタイミングで亜里沙がブーメランを片方そっちへと投げようとするも、その手首に黄色い光をほとばしらせている北川の手があった。
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