Lunatic

第三部後編

第189話

　おかっぱになっている髪の毛を車の動きと並ぶようにずっと揺らし続けていた一六は、唇同士をあまり力を入れないままに平たくしている一方で、眉は真ん中あたりを目側に向けて丸くすることでわずかに下を向くようにしていて。でも、その揺れがいきなり止まると共に目も大きくさせるかのように反応していた。そして、それと一緒に下へと向けていた顔を上へと向けるも、そっちにあるのはトラックの荷台を外から見た時と同じような角ばった形をしているのが緑色の灯りに染まっている様子だけで、口をわずかに開けていたのを勢いよく元へと戻すようにしているだけ。

　一方で、それに同じく気づいたようなそぶりをしている北川は、近くでスマホを見るみたいにして長椅子の上に寝っ転がっていた体勢を一度だけ顔を上に向けていたところからお尻の左右に両方の手を当てて、そこをわずかに持ち上げるとすぐに一六のすぐそばまで行くとその腰の辺りに抱き着く形にしていた。

　それにされた方は当然のように驚きながら目を大きくするような動きをするのに対して、喉を強く締め付けるままにしているままに手を大きく上へと持ち上げるままにしているのに対して、している側はそのセーターに鼻を当てて何度も深呼吸するかのように動かしていた。

「大丈夫大丈夫、めっちゃかわいいって」

　その声と一緒に体を上へと持ち上げて背の高さ的に相手の前髪を見下ろすような形でなでる北川。それに対して一六は両方の手を自分のお腹の少し下の辺りで腕を落っことしたまま体を立った状態で縮める感じに。さらに、顎を自身の首に近づけるままわずかに肘で自身の体を押し込んでいた。

　一方でそんな光景を見ながらわずかに笑う声を出している前者はずっと自分の顎を相手の肩に乗っけながらそのすぐ横で頬の辺りをわずかに撫でるままにしてて。その動きのせいか、後者は眉と目尻を落っことしながら両方の手をずっと上下に動かして、擦り続けるような動きをしていた。

「ヤリたくなるよ。私が男だったら絶対ナンパしてる」

　そのゆっくりと耳元でささやく感じで出している声に対して、言われた方は顔を逆側の斜め下に向けるままに目を細くする感じで頬に力を入れる。しかも、眉に力を入れながら口をわずかに開けたり閉じたりを繰り返すかのようにしているのに対して、言った側はまたいたずらっぽく笑う音を相手にわざと聞かせるかのようにしていた。

　しかも、一六はさっきと同じ方へと顔を向けながら口を強く紡いでいるように唇の中にたくさんのしわを作りながら前へと出す感じになっていて。そのまま数秒間ずっとじっとしているようであった。

「信用なりませんね、本当にあなたは……」

　一度ため息を付きながら体と共に頭を落っことす感じにしているも、口を横に伸ばしながら目を相手の方へと向けてわずかに上へと向ける。しかし、その間腕に入れて下に力を押し込む感じにしてたのを抜く感じで腕の降り曲がっているのを下げているままにしていて。

　一方でその視線を向けられた側は椅子から離れていて、体を伸ばしながら声を出すのに対して数歩歩いて行っているけれど、腕を落っことして腰骨に当てると背筋を曲げて喉を鳴らしてて。先に進みだしている諸葉が追い越して行ったのをまっすぐに追いかけるかのようにしていた。

「いちゃつくでない。北川、行くぞ」

　声を出している側も一瞬だけすれ違った直後に振り返るかのようにしている物の、それに対して北川は歩き出した足を途中で止めてて。トラックの中の荷台から降りようとしている側はもう下の砂利の上におりてその高い音を立てているのに対して、辺りから何も聞こえないのに気づいて視線をそっちに向けるかのようにしていた。

　しかし、見られた側は体を斜めにする感じで相手に寄り掛かるかのようにする。さらに、それに続けて腕を回して反対側の腕を掴むままに鼻から息を吐く。そして、それをされた一六も腕を曲げて胸の前辺りで両方の指を曲げたままに自分の胸の前で重ね合わせ顎を自身の体にくっつける。それに加えて、唇を両側から縮めるかのようにしていた。

「オナホはいるでしょ」

　笑う声を上げる感じの音を立てながら体を傾けるままにして片方の腕で相手を抱える感じにするその声は反対側に首を傾けるまま笑みを作っていると、さらにそれに続けて首を上へと上げるまま同意を求めるかのように小さな喉を鳴らすような音を立てる。

　一方で、それをされた諸葉は鼻から息を吐いた後に顔を下に向けると両方の手を組んだままに一度顔を下へと向けて何もしないままになっていて。それを数秒間だけ体を止めていた物の、すぐにそれを辞めてトラックから歩き出すと全くそっちを見ないままに。

「好きにせい」

　北川が一度一六に向けて一瞬だけウィンクをしながら顔を向けると、そのまま「よし」と言ってから体を車から落っことして、向きを変えないままに背筋を伸ばしてて。そのまま上のパーカーのポケットに手を入れたまま歩き出していた。一方で、一六もわずかに体をまっすぐに伸ばしたままそっちの様子を見ていた物の、それに対して目線を斜めに落っことすかのようにしている。

　それから小刻みに足を進めている感じでいるその姿は、一度体を振り返らせて手を床に乗っけるまま地面に体を落っことすと、すぐに北川の元へと忙しく進んで行ってた。何も言わずに頬を膨らませるような形にしている姿を一切隠さないままに追うようにしていて。相手のわずか後ろの辺りを歩いて行くようにしていた。

　3人が歩いている足元の細かい砂利たちはその足が落っこちるたびに石の形を変えるかのようにしていて。進んできた道を形作るかのように足跡を残しているかのようになっていた。そこにある石たちは非常に傾いているそっちの方は、次から次へと白い中に細かい点々を残しているかのようにしていて。しかし、それらはすべて夜の闇に染まっているせいで本来の色を隠すかのようであった。

　さらに、闇の中に溶け合うかのようになっているのはその間から斜めに伸びている枝が朽ちかけている木も同じようで、それ自体も含めて葉も重力に従って落っこちているのを一切隠さないままに。しかし、どんどん前へと進んで行っている3人は誰一人としてそっちへと視線を向けることはない。

　さらに、彼女らが進んで行っている横を流れている川はほんの浅い物で、暗い中でも近づけばその底が見えているかのようであるが、その水のほんのわずかな流れに対してそこで積もっている石の形や位置が変わることは一切ない。一方で、そこにわずかに生えている植物たちはそれに従って姿を傾けていて。下の方で伸びている方が抜けそうになっているというわけではなかった。

「着いたぞ」

　足を止めたまま、有刺鉄線が何重に伸びた形になっているのを目の前にして、一六と北川がそっちを上に向けるままにしてわずかに口を開ける感じで見ているも、すぐに北川のほうがそっちに近づこうとしたのに気づいて、もう片方もすぐにそこへと手を伸ばそうとして。しかし、その途端にわずかに高い声を出しながら手を諸葉が叩き落とす。

　それにびっくりする感じで後者がその場所にもう片方の手を重ねるかのようにしているのに対して、前者がその間へと向けて体を前へと伸ばす形で体を傾けて前のめりになっていた物の、一方で自身の足元にある土がほんのわずかな音、辺りのメンバーにすら聞こえないくらいの音を立てる形でいるのに対して、諸葉はまっすぐに立っているだけにしている。

　また、体を折りたたむようにして拾った木の棒を、目を皿のような形にしながら体を戻す勢いと共に有刺鉄線の方へと近づけると、一瞬でその棒は炭に変わってしまっていて。それに気づいた途端、一六もわずかな高い声を上げながら背筋をまっすぐになる。しかし、それで燃え盛るそれが止まることもなく、周囲のほぼ黒に近い青色の闇の中がほんの一瞬だけ明るい光に照らされるようになることはあれどそれで他の何かが起こることはなかった。

　残った枝を地面へと放り投げた諸葉の動きによって雑草がわずかな音が出るものの、２人が諸葉の方を見るようにしてその次を求めるかのようにしているのは一切変わらない。

「心配するな、我とて考えがある」

　言葉が終わるよりも早く自身の手元へと召喚した剣を握り締めると、目を閉じると一緒に、周囲がわずかに明るくなる物の、それはほんのわずかな物で、２人の体も中央のラインが照らされているだけで、有刺鉄線のすぐ向こう側にいる建物の壁にすらそれは映っていない。

　目線を下へと向けるようなままに目を閉じていると、その光が一本の線となりその背の低い体の周りを渦巻くかのようになっている。一方で、まっすぐに立ったままにしている北川は近くに生えている木へと体を寄りかからせるままに自身の頭へと手から伸びている肘をくっつけて体を斜めにしていた。

　それに対し、2人の間くらいに立ったままにしている一六はわずかな息を口から吐き出すままにしていると、一度視線事顔を下へと向けるままに体の前に向けている両方の手を強く握りしめるかのようにしたまま目を閉じそうになっているのに対して、辺りでは諸葉が数秒間意識を集中させる光が出ているだけで。完全に閉じるまで行かないままにずっと顔を下へと向けるかのようになっている体勢でずっといるのを崩さないままにしてた。

「覚悟はよいな」

　光が動いていたのが止まりそれが持っていた剣のところに集まって行っている後に、目を開けたそっちが言葉をいつも通りの声で出している。ただ、それが止まった瞬間に北川の方が寄りかかっている方とは異なる方の手を使って親指を上へと向けるままに口を横へと伸ばしていた。

　一方で、声の主は体の向きを一切変えないままに顔だけをそっちへと向ける感じで反応があった方へと向けていたのを、自身の召喚した水をまとわせている剣を境にして視線をもう1人の方へと変える感じに。

「一六、お前に聞いておるのだ」

　一瞬だけ声を大きくするようにして出したその名前が呼ばれた途端、両方の手を上へと持ち上げる感じで反応して。両方の手を肩の前くらいに持っていきながら息を吸い込む音を聞かせていて。でも、すぐに両方の手を落っことしながら一瞬だけ北川の方へと視線を向けた後に手と同じ方へと視線を戻す。

「はい……！」

　自分の灰色の、姉と同じデザインのセーターを一度握り締めるまま視線を下に向ける感じのまま瞼を落っことす感じにして、それから横を向く感じにしながら一度口を閉じ直す。

　ただ、その様子を見た北川が、体を同じ体勢にしたまま一度にやりと笑うようにしてからその肩に体をのしかからせるかのようにしていて。その体重で相手を押し倒すかのようにしているようで、その途端に一六はわずかに驚くかのような声を上げると一緒に目を大きく開けるものの、でも、数秒後に瞳を細くする感じで視線を横へと逸らすかのようにしていた。

　一方で、今も相手の首に手を回している側は、一瞬だけいたずらっぽく笑うままにその頬へと曲げたままにしている人差し指のでっぱった関節を押し込むみたいにしている。

「なんだよ、もっとお姉さんに頼ってもいいんだぞ？」

「……うるさいです」

　語尾がやってくるたびに声をおっきくする感じにしている北川は、そのたびに声を伸ばす感じにしているのに対して、一六はほんの少しだけしか声を出してない。その上、小さく口を動かした後にはもう口を閉じてそこにしわを作るかのようにしているだけで視線も動かそうとしなかった。

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