第187話
利根川が目を大きく出しながらわずかな笑みを浮かべてるのに対してカイジが今も自分の手元で立ててあるEカードを見ているのを、私もまっすぐに、目を見開きながら下の歯を上へと押し付ける感じのままに食い入って。前者側のカードが置かれた音は画面の中だけじゃなくて、部屋の中全体に響き渡りそうなほどだった。
でも、それよりも、カイジが奴隷のカードが出した音だったり、それで地下のみんなが歓声を上げてる声だったり、それの方が大きく聞こえて。それの途端に私は息をゆっくりと吐きながら、それを喉と口の周りだけで感じ取る。そして、それだけじゃなくて、背中をまっすぐに伸ばしながら力を入れずに脇を締めて自分の肘を、足の上に乗っけった両手を太ももの付け根に近づけながら体にくっつけた。
でも、カイジが遠藤さんに騙されて映画が終わった時には、もう一回さっきよりも強い感じで息を吐きながら体を後ろに落っことして体重を地面につけた両方の腕に乗っけるまま顔を上に向けて。そのまま勢いよく息を噴き出すままにして。上の方も左右と同じように瘴気がずっと渦巻いてそれ以外の姿は何一つ見えてない。しかも、それの隙間にもまた別の渦が出来上がっているみたいだった。
一方で私の体を一番外側で覆ってるうさ耳パーカーは今もこっちの体に乗っかってくる感じで張っている胸の上にのしかかってきて体重をかけてくるみたいな感じになってるし、それだけじゃなくて腕の所にもしわがダマになって手首の細くなってるみたいになってるのに気づいたら、また目を開けてたのと一緒に見始める時と同じ感じで両方の腕で膝を抱えながら、それの自分側になる太ももの広がっていきそうになっている様子を下に視線を向けたまま見つめることになる。
そんな中で私のすぐ斜め後ろの方で今もジャッキの上に乗ってるはずの向こうが体の重さの位置を変える感じの音を立てるのをこっちにも聞かせてその途端に顔をわずかに上げてみると、椅子の座面より下の部分は全部そうだし、座面の上の所も子供本人の姿のせいで影に染まりあがっている部分をほとんど作り上げていて。さらに、それだけじゃなくてその体自体もヘルメットで出来上がった影が汚れまみれのタンクトップの上に作り上げられていた。
「終わりか」
またもう一度顔を映像の方へと向けている間、そっちの方にはメインテーマの中に次から次へとスタッフや俳優の名前が出ているのに対して、体の向きをずっと変えないで言葉を発した後に首の上だけで私の方を見て来る。でも、そっちにあるヘルメットはずっと顎紐のところで引っかかっているのだけがセーフティになって落っこといたまま。
その様子を見つめてたらなんとなく体を前のめりにするまま背中を丸めて、それだけじゃなくて唇をずっとくっつける感じにして。おでこを足に近づける態勢になってると、でも、唇だけは鼻からゆっくりと吐きながら横へと伸ばす感じにして。全部終わってからもう一度相手の方へと視線だけを向ける感じにするけど、ずっとそっちの顔はわずかに笑う感じにしてる口元と頬。それ以外には全く動いてる様子がない鼻だけが見えてた。
「楽しかったか」
こっちは顔を言葉と一緒に勢いよくそっちからそらしながら距離を取って。それから両方の唇をくっつけたままわずかに視線を震わせる感じで上の方をほんの少しだけ下ののところで滑らせて、一瞬だけ柔らかい感覚を味わうけど、それよりも後に歯の硬さを再確認。
一方で、私が視線をそらした方からはほんの1つだけの音を立てながら椅子をきしませる音をあらわにして。それは最初の1回だけじゃなくてそれは後からも続いてまた聞こえる感じになってて。でも、そっちが出してる声は全く止まる気配がない。
「僕の元いた街に映画館なかったし、テレビではやんないから日本の映画は初めて見た」
「カイジは日本の漫画の実写化の中では最高なんだ。音楽も最高にすごくかっこいいし、藤原竜也の演技も最高だろ。それに、ストーリーもオリジナル入ってるけど、利根川を倒すっていう勧善懲悪でめちゃくちゃスカッとする。しかも、2ではまさかのその利根川が味方になるっていう燃える展開。そして、一条も原作小物っぽさから一転したかっこよさ、最強の2人が挑むのに最高の相手だ」
そっちを見ながら私は目と口を開けながらまた向こうの椅子の右に取り付けられてる手すりを掴んで、両方の足を最初は膝立ちにする感じにしたけど、でも、それよりも早く腕に力強く力を入れて四肢を全部まっすぐにする感じで、でもそれよりも前に顔を持っていてた。
一方でこっちの動きに対して、向こうが体をまっすぐに伸ばしながらずっといて、両方の手も重力に従わせたまま体の正面に落っことしてて。その体勢から首だけを横に回して口を横に伸ばす感じにしてるのを見てたら、やっと自分の体勢と唾を飛ばしそうなほど早くしゃべってたせいで息が上がりそうになってるのに気づいて。すぐに腕を下げながら足も曲げて顔を下へと向ける。さらに、後者を床にくっつける感じにしたらそのまま正座してその上に両方の手を置きながら顔を真下に向けてしまう。
「……ごめん」
ほんの一瞬だけ顔を目だけで上に引っ張るままにしてるのに対して、すぐに声を一瞬だけで終わらす感じで出した後にまた唇の位置を整える感じで力を入れたり抜いたりする。でも、それに対して一瞬だけ鼻で笑う感じの声を出してる向こうの方へとわずかに視線を向ける。椅子の分だけ私よりも上の方にいるそっちは、こっちが横から見てるだけあってこっち側から見えてる箇所を全部影で作るみたいになっているのを一切隠さないままに私の方を見てるのか見てないのかみたいな角度にしている。
そう思ったけど、でも、向こうは一度笑うみたいに息を出しながら口を横に広げて。それだけじゃなくてわずかに頭を正面側に傾ける感じで背中も後ろに下げてから、それを戻すようなムーブと共とに肩を勢いよく上へと持っていく感じの後に背中をまっすぐに伸ばすともう一度鼻から息を吐き出す。このタイミングで体を元に戻しながら一瞬だけこっちを見たような気がした。
「いいじゃん、軍にいた時は町で下っ端探すのに映画流すんだけど、スターウォーズ見た時は先輩とライトセイバーごっことかやったよ」
子供が出した声は最初は少しだけ持ち上がるまま一瞬だけ消えそうな物で出てたと思ったけど、それに続いた言葉は確かな形で私の方にも聞こえて来てて、私の時ほどじゃないけど言葉同士の隙間を相当に少なくしてる向こうは、目線をこっちにたまに一瞬だけ向けるみたいにしてるような気もするけど、それよりもどこに視線を向けるでもないような形でヘルメット越しに顔をまっすぐに正面の、今はもう真っ黒な映像の方へと向ける感じにしてる。
でも、私は正座したまま体に力を入れないで顔を上へと向けるままわずかな声を出す感じにしてて。口をいつの間に開けたままにしてるような気がしたけど、だんだんと口をくっつけながらまた膝の方に視線を戻して行ってて、気づいたら完全にそっちを見てたけど、頬をわずかに膨らませてる一方でほとんどそこに力を入れないままにしてる感じにしてた。
「何? 毎日銃ぶっぱなしてるだけだと思ってた?」
わずかに笑う声を出しながら顔を下に向けることもなく逆に顔を斜めに上へと向ける感じにしてる向こうは、最初は声の抑揚を上から下に落っことす感じで話しているのに対して、そのまま長く伸ばしていってて。笑い声をまた数回鳴らす感じでこっちに聞かせて来ると、背中をわずかに丸める感じのままこっちを見て来て、ヘルメットの位置は変えないままにそれを傾げる感じで動かしてて。
私はそっちの様子を目線だけを向ける感じのまま見てると思ったら、唇同士をくっつける感じにしたままそっちの方を見てて。両方の手を下にくっつけたままにしてると思ったら、今度は向こうが私の方から顔を反らして正面に戻したと思った次の瞬間には顔を下へと下げる感じで顎を体に近づけたと思ったら、そのまま小刻みに体を上下に動かして音もないのに笑うのを表現する。
「そんなこと、したことないって言うか、僕はただの捨て駒だから」
ほんの数秒間だけ聞こえた、ずっとトーンを落としてるみたいな声。それと一緒にヘルメットの限界まで正面側に傾いているような角度はそのままに、それをまた戻すと思ったけれど、顔は確かに地面の方、自分の縫い合わせた後がいくつも残っているタンクトップから露出した腕や完全に血管と骨しか残ってない破れた袖の先しか残ってない方へと向ける。そのままの顔の角度でわずかに息を吐くみたいにしてて。それに対して少しだけこっちが声を出すみたいにしたけど、でも、それに対して向こうは口を横に伸ばしているのを片方の面だけでこっちに見せつける感じ。
しばらくその様子を見てから顔を下の方に向ける感じに戻して、また目同士を近づける感じのままに唇に力を入れてその形をわずかに縮める感じに。一方で、向こうにいる子の方からは何も音が聞こえないままずっといる気がする。そんな中で、私は目線を横へと向けそうになったけど、でも、もう一度唇の左端の方にだけ一瞬へこませる動きをさせてから顔を上へと上げて。すぐにそっちへと勢いよく立ち上がった。
「もっと、おすすめの映画見よう。カイジほどじゃないけどるろうに剣心もいい。これも藤原竜也の志々雄がかっこいいんだ」
両方の手に持ったスマホの指を使って素早く検索ボックスにるろうに剣心のタイトルを入力して。それから相手の方へと肩だけを近づけるみたいに斜め横へと体をスライドさせる感じでそっちを進んでた方向に傾けるままアマプラの画面を相手にも見せる。そしたら、私だけじゃなくて向こうもこっちに近い側の肩を私の方に傾ける感じのままにわずかに息を吐くままにしてくれてた。
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