第186話
今回から久々に流那が出ます。
ジャッキの上に低い手すりとそれよりも一回りだけ大きくなっている座面の上に座っている相手はずっと空中に長方形で表示されている姿へと視線を向けながら、両方の刺繍の跡をいくつも残している腕を垂れ下がったままにした感じでわずかに体を上下させながら動かしていて。胡坐を掻いて座っている私が下からそっちを眺めているせいか、無造作に伸びた髪の毛の間から真っ黒な穴がちらちらと、ヘルメットに隠れたり元に戻ったりを繰り返しているようで。しかし、私が両方の手で持ってるFGOの画面に私の顔が反射して映ってて。一瞬だけ相手の様子を見てたけどすぐにそっちに戻る。
もう何回も見てる同じ雑魚相手にスカスカで溜めた宝具を使って。また終わったら溜まってる宝具を使って。それでまた同じステージを再開する。片方の親指だけを使って操作するのを繰り返している間、空いてる方の手の肘を膝に当てて。もう片方の手首も同じ場所にくっつける感じのまま鼻から息をわずかに出している間、私は瞼を落っことすのと一緒に視線をそっちにただただ視線を向けるだけにしておく。
次々と現れては私のランスロットの前に現れては倒され現れては倒されを繰り返している炎腕たち。また一度の戦闘が終了するとまた再開。何度も何度もそれを繰り返している間、辺りから聞こえて来るのはわずかな私の呼吸とそっちにいる子が体を動かしている間わずかに体を動かしている間になる椅子がきしんでいる音がするだけ。スマホを私がタップしている音はそこから全く聞こえないどころか、スカスカが術の方も水着の方もスキルを使っている間も光が起きているのに対して、音は起きなかった。
一方で、そこから視線をそらしてまっすぐに向けている間も、視線の隅っこではランスロットが宝具を使っている物の、ずっとそっちでずっと同じ色の瘴気が渦巻いていてぱっと見ではどこも同じ形になっている場所はない物の、そっちを私は遠めに小さく瞼を伸ばすまま見てて。でも、それだけじゃなくて、自然と東雲の視点で天井の方から私が降ってくる様子が長方形の薄い映像の中に映ってて。勢いのあまりに私の顔が横へと広がりながらいる姿を見ることになるけど、スマホの電源を切ってから両方の手を足同士が重なっている所に置く感じのまま背中をほんの少しだけ丸めるような形のままにして下唇がわずかに落っことしそうになったのを息で吸い込みながらなんとか元の位置に戻す。
「いつも、これ見てるのか」
私のわずかな、画面の向こうにいる私が大きな声を出しながらみんなの名前を1人1人読んで行きながら、顔を東雲の上で覆いかぶさるみたいな感じにしてるせいで影で暗くなってしまっている様子をただただ見てるみたいにしてたけど、でも、それに対して東雲の顔はほとんど動いていないどころか、顔のところに両方の手をくっつけているままにしているだけ。それにより、向こうにいる私の顔よりも手前に東雲の肌の赤色と黒色が交じり合っているような色が見えていた。
一方で、ずっと画面の方を見てたはずの子供の腕はそのままの位置にしたまま首だけを使って顔の角度を向けてただまっすぐに人形であるかのように角度を変えると、一瞬だけ、止まった時にこっちにもまた黒い空洞が目に入って一度唇同士をくっつけるみたいにした
「木月流那は、いつもそれやってるの」
それから、そっちが顔の向きを変えながら言葉をゆっくりと話したせいもあって、ヘルメットの位置がかくんと動いてその茶色い傷だらけの姿を緑色の表面の前に作り上げている姿を私の方に見せてきてて。それの先頭についてるなんかのチームのマークが私の膝の所に置いてあるスマホがスリープになって私の顔がわずかに反射している様子を映している物の、それは首元とそこを覆ってる私の体に垂れ下がってるうさ耳パーカーだけで。その内側に着てるはずの制服はどこにも見えてない。
顔は相手の方に向けながらも目線だけを数秒間ずっと続けているのに対して唇をくっつけながらずっと瞼に力を入れてほんの少しだけ落っことすままにして。わずかに息を吐く。
「スタミナ溜まったら周回するみたいな感じ」
スマホを足同士の所からずらして床の上に置くために両方の手でその先端同士で持ち上げようとするけれど、またそのタイミングで視線を左右に動かすみたいにしてしまって。ほんの少しだけだけど肘を曲がってるのが落ちそうになる。でも、それを折り曲げながら持ち上げた両方の膝で押さえる感じにして、体育座りするみたいな体勢のままその両方の肘を自分の顔に近づけながら前のめりの体勢になる感じで出来だけ手を中へと入れる感じにするために肘の裏側のくぼみに膝の横へと伸びている所を入れこむ感じになった。
「面白いの?」
向こうの顎をわずかに上げるのがヘルメットの頭蓋骨とぶつかる高い音で気づいて。でも、私は顔の下の方を自分の体の側に近づけるような体勢のまま目元より下を全部両手と膝で隠すみたいな体勢にしてて。ずっと正面を見てると、東雲に銃で撃たれた後に次から次へと倉敷さんをはじめとした、ハリーを含めた仲間が向こうから入ってきてるのに気づいて。その瞬間に私はほんの少しだけ高い声を出してしまいそうになるけど、すぐに喉に力を入れる感じのままにしてしまう。それからおでこに両方の手と膝をくっつける感じにしている。
そのまま自分の体の方へと向けて強い息を吐き出すと、でも、歯に強い力を込めながら目尻同士を落っことすことになってしまう。でも、それでもスマホのカバーが私に向けて訴えかけてくるつるつるとした表面は一切変わらないどころか私に対してその冷たい感覚をずっとこっちに訴えかけてくるみたいに。
「最近あんまりやれてなくて、シナリオ追うのめんどくてあんまり」
最初ほんの小さくて自分でも唇同士の震える感覚以外で本当に出てるかすらもわからないままになっているような感覚を味わってしまい、それに続ける感じで必要以上にあげてしまったような気がして。それでこの空間の中を反響しているかのような気すらもしてしまうのに気づいた途端、顔を少しだけ上げそうになっている間、そこから何も音が聞こえない時間を過ごすことに。一緒に気づいたら瞼をゆっくりと上へと上げたままにして、唇同士をくっつけながら今も膝の上に重なった状態で乗っかったままになっている両方の腕の上に耳を乗っける感じにしたまま最後の方の声を出す。
一方で、辺りからまた音が聞こえなくなったと思った瞬間、子供の方がほんの少しだけ声を出しているかのようにしてるような感じのが聞こえて。でも、その間も私はずっと唇の先端を前に出すみたいな口の形にしたまま歯に力を入れて。今もずっと暗い部屋の中で杏がいた培養ポッドからその体が取り出されてるのを見てたら、両方の手で頭を抱えるようにしながら大きな声を出して。目を強く瞑って目の中に映るのを暗い瞼の裏側だけにする。でも、それに対して辺りからまた音が何も音が聞こえない中で、私の声と言ってもいいのかすらもわからないくらいの音が口の中からあふれるように感じるのを一緒に鼻から息を吐く。
「あのさ、これ」
向こうから聞こえてきた声は、さっき出したのとほとんど変わらなくて。でも、それに対して私は何もしないどころか、ほとんど視界の様子を変えないままに正面に向ける感じのままにしてるけど、そっちには白い床の上に映像が出ることでそこから洩れている黒い光の様子がずっと映っているだけ。
でも、それも斜め横に細長く床の上に光の線が出来上がっているだけで、それに気づいたけど、少し視線を逸らす感じにしたら、私の後ろに出来上がっていたこっちの影の私以上に暗くなっている姿がわずかに映ったままになっている。
「カイジってなに」
一瞬で終わった言葉に顔をわずかに上げそうになったけど、でもそれよりも先にまた両方の腕の上に頭を落っことす感じにして。目を限界まで落っことす感じのままずっと上の唇を下のにくっつけたまま喉を締め付ける力を入れて。もう一度膝を抱える腕の位置を整える感じに。
「それで、東雲アニタを倒したんでしょ」
最初は持ち上がったみたいになったけど、そこからだんだんと音の高さが落っこちて行ってるのを感じているのに対して、向こうはそれ以外に聞かせてくる音は何もなくて。私の体の心臓の音すらも何も聞こえないままにただただ膝を抱えて、一旦上に持ち上がってた肘から腕をずっと下へと落っことす。
「……映画、藤原竜也の。私の記憶に入ってる」
私が声を出すのは辺りの静寂の中にほんのわずかな音をぽつりぽつりと出すだけに。けど、それに対して辺りでは何も音が聞こえないままになっているせいで、周囲から聞こえて来るのは私のわずかに震えそうになってる声だけで、何も乗っかってない膝の上に顎だけを乗せるみたいにしてから限界まで足を体に近づけるままに。
でも、こっちの途中で急に早口になって、それも声も大きくなってるのが終わった途端に、ジャッキの中から高いきしむ音が聞こえたのに気づいた途端、私は息を飲みこみながら視線をそっちの方へと向ける感じにしたら、わずかに口元を緩めて上の方から私を見てきてる向こうの姿があって。向こうは顔の前の所に傷だらけのヘルメットを見せているせいもあるけど、その部分の後頭部を本来守ってる部分が大きくへこんでクレーターみたいになっているのを私の方へと見せつけてくるかのようであった。
「人の記憶は楽しいことよりつらいことだけ残る。だからこの能力を選んだし、だから木月流那をここに入れていいって思った」
向こうがその言葉を出してきた後に、両方の手をわずかに出た肘置きの上に乗っけたままだし、お尻から上を背筋をまっすぐに伸ばしたまま顔を横へと向けるままに口元を使って頬をちょっとだけ膨らます姿をこっちに見せつけるみたいにしてるのに気づいた。
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