第185話
周囲に並んでいる正方形とそれの奥に取り付けられた階段。そして、それと平行に並ぶようになっている上部に取り付けられている機械。自分が閉じ込められている物以外からもここと同じ色のである緑と水色が交じり合ったような色の光がわずかに出ている様子が出ている。しかし、4つの中で部屋の入口に近い列の右側の機械に閉じ込められた東雲は何もせずに片方の足だけを持ち上げてもう片方を無造作に伸ばしたままただただ斜め下へと視線を向け続けている。さらに足を延ばしている側の腕も体に沿わせるかのように落っことしたまま何もしていないのに対して、もう片方の手は肘をわずかに斜め上へと向けたままその先に伸びている側の前腕はそれと真反対側になるような方向へとまっすぐに伸ばしたままに。
一方で、彼女の表情は顔を下へと向けているままに瞼を上から少しだけ下に落っことして唇をくっつける感じにして目全体を落っことしたままになっていてて。その体がずっと続けている呼吸に合わせるかのようなペースで肩を上下にゆっくりと動かす。しかし、それに対していつも通りの濃いめの灰色をしているセーターに包まれている姿もスカートもアパートでの戦いにまみれた時の砂煙とほとんど同じ姿を残しているのが青と緑色の中間の色の光に照らされているままになっているのを一切隠していない。
それに対して、灰色の鉄の色を一切隠さないままにしている自動ドアが斜めに重なっているのが一瞬だけ浮かび上がるような形で奥へと浮かび上がるとそれに合わせてスライド。それから、中から黒い影が出来上がっている姿がほんの一瞬だけ2つ映るも、そっち側はすぐに姿を現すように倉敷とその妹である亜里沙が前者はまっすぐに顔を前へと向けながらもう片方はわずかに顔を下へと向けながらいるのがまっすぐに進んできて、その場から後者が東雲の様子を見つめるかのようにしていた。
「いい加減渡す気になってもらいたいところですね」
東雲のいる機械の方が段差になっているせいで本来は自身の方が身長が低いというのに、背中側に手を回してそっちでわずかに指同士を絡ませるに近いような位置にしていることで話している倉敷。それよりも早く亜里沙が近くにあったパソコンを弄り始めたせいで体を前のめりにし始めたせいもあり、硬いガラスの奥にいるアニタの方にもその声が鳴り響き始めた。それのせいもあり、そっち側にいるのもわずかに顔を上へと持ち上げるかのように。
しかし、それに対して目線をそっちへと向けている物の、首から下の部分は一切動かさないままに乾燥してしまって荒れている肌の様子や目の縁取りを作るようになっている黒いくま。そして何より、目の間を一線に描いている火傷の跡もまっすぐに相手の方へと向けながら、目を細くした鋭い形にしている。さらに、鼻から息を繰り返している様子は一切隠さないままであるものの体の動きはほんの少しであった。
「たまには頭を冷やす必要もあるでありますからね。いい休憩になるであります」
いつも通りの言葉のペースで話す東雲は、ほとんど口調を変えないままにその話を続けていて。視線もずっと倉敷の方ではなく自身の足が伸びている先の方へとつながっている床を見つめているだけ。しかも口以外の部位は一切動かない様子を隠していない。彼女の制服のスカートも片方の足でわずかに持ち上がっている物の、それは膝に引っかかって垂れ下がっているだけでそのプリーツのデコボコの形が変わる様子すらない。
一方で、倉敷の方はわずかに口元から息を吸い込む音を聞かせている物の、それに対して辺りからは自身の後ろにいた亜里沙が回る椅子を回転させて自身の方を見てきている姿だったり、周囲に設置されているパソコンが動き続ける音を立てている姿だけで。それ以外には何も聞こえないまま。
そんな中で倉敷の方が未だ誰もいない捕獲機械が置いてある方へと数歩歩いて行くことで東雲の方にも背中を見せるようにしたまま途中で止まる。そっち側から見る様子のままだと、わずかに曲がっているのをそのままにしてると思いきや、すぐに振り返りそこから相手の様子を見つめた。
「あなたには意味はないと思いますが、1つだけ忠告しておきます」
歩くこともなく、ただただ足をまっすぐに立てている体勢のまま倉敷が発した声を東雲も聞くことになり、一度目を瞬きさせる動きと一緒にそっちを見る。しかし、未だ足も手もずっと同じ体勢にしている。
一方で、亜里沙の方は自身の手に鋼鉄のブーメランを両方の手に召喚し、その音を部屋中に響かせている物の、そっちへと手のひらを見せながら倉敷が腕を斜め下へと伸ばして指を広げているせいで、一度鉄製のマスクの向こうにある口同士をくっつけるままに止めていた。
「あなたの考えはすべて読めている。せいぜい後で後悔しないことだ」
その言葉だけ言い残すと、倉敷はまっすぐにさっき入ってきたドアの方へと戻っていくと、東雲に何もしないまま亜里沙も戻っていくかのようにしている。一度左右の壁の中へと格納されて行くかのように戻って行ったドアがしまわれた後、また彼女は部屋の中で1人取り残されることになる。
ずっと硬化ガラスに頭を押し付けるかのような体勢でずっといるままにしていた東雲は強く息をはしながら顔を下へと向けて。ただそれよりも早く辺りを照らしていた電気が消えることで、周囲にはパソコンがスリープモードになっている物の、わずかな光だけを残して点滅している様子を見せる青や緑や赤い光だけがわずかについている様子だけを残す。そのファンが回っている様子がわずかに聞こえるようになっているだけであったが、そんな中で東雲の目のわずかな光が目全体を周囲の影と溶かすような形で残しているのをずっとそのままにするかにしているだけだった。
東雲と別れた後、一緒に歩いている倉敷と亜里沙はずっと足をまっすぐに進めるだけで道なりに進むことしかしないせいか、それのせいで顔も道と同じ方を見ているだけになっているせいで、お互いに目線を向けることはない。しかも、それは反対側から人が来た時も全く同じで。そっちから来た白衣と眼鏡の研究員が自分の手にしていたボードを胸元に強く押し込みながら壁に背中を押しこむ感じにしているせいで、ずっとそのままだった。
一方で、この通路の照明は天井にできたわずかな縦長の穴の中に電球が埋め込まれているのが球になっている箇所の先端の方だけを出すみたいにしているのが等間隔に並んでいるせいで、そのほとんどが感覚ごとに明るい場所と暗い場所を繰り返しているかのようであった。実際、スーツ姿の大人の姿と白いシャツの上に黒いブレザーを着ている女子中学生の姿もそれに合わせて明度を変えているかのようで、頭で短く切りそろえられている黒髪や同じ色の瞳孔の光を反射している位置も少しずつ変わっていくかのようであった。
「兄貴、今日は献血をしなくていいのか」
わずかに顔の向きを変えながら、機械音声を出している亜里沙の声がしたのは、2人がエレベーターの前でまっすぐに立ったままそれの到着を待っている状態から数秒間経った後であった。顔の向きをそっちへと近づけている物の、完全にわずかな上に向けるわけでもない彼女は、目線をそっちに近い位置に向けながらも上の方で表示している階層の数字をじっと見るかのような角度を一切変えないままにしている。
一方で、その横でただただ数字を見つめるかのようにしている倉敷の方は顔と体をまっすぐにしているだけで。高い一瞬だけ聞こえる到着を知らせる音に気付くと顔をまた前に出して歩き出してしまう。それを見た亜里沙は、わずかな呼吸の音を口から出すかのようにしていて。一瞬くらいのスペースであるけれど確かに歩くペースを遅らせてしまう彼女が通り過ぎて数秒後にドアが閉まり、上へと進み始めていた。
「明日も訓練だ。それに備えて眠っておけ」
倉敷の言葉が止まると共に辺りから聞こえて来る音がなくなってしまい、それのせいで2人覆う縦長の箱は内側から見るとただ入り口の横の所と壁のところに取り付けられているボタンのところ以外は何も特別な物がないせいでほとんど四角形に近い形になってしまっていて。そんな中で2人はただただ目の前のドアを見ているだけになっていた。
しばらくずっとエレベーターが下へと進んで行っている音や、その到着を知らせて入り口が開いている音がした途端、すぐに出ていくと、また2人とも足を進めていく音だけが廊下の中で何度も反響を繰り返す絵に一度の足を進める音がするのと一緒にそれを繰り返し何度も聞かせているかのようで、止まったのは倉敷亜里沙と書かれた横長のプレートが取り付けられているドアの前に着いた時だった。
「……バーの事件に流那はいたのか」
顔を自身の部屋のドアがある方向、兄がいる方角とは逆向きの壁へと向けるかのようにしている亜里沙に対して、目だけを向ける形でそっちの様子を見ている倉敷は一度自身の片手に持っていたパッドの電源を付けてそれを片方の肘で支えながらもう片方の指で操作。その間、目線も眉も下に落っことすことでそっちを見ている。
それに対して、亜里沙は両方の手を握り締めながら顔を上へと向けるようにしてそっちをじっと見続けていて。表示されていたメールボックスを数回引っ張って動かし続けることで再度読み込みを繰り返した後に一番上の物ではなく3番目にあったものを指のお腹で一瞬だけ触れることでその詳細を起動していた。
一方で、その横に立っている亜里沙は未だメールの中身をじっと確認している兄の様子を見ずに違う方向に顔を向けながら両方の手と歯を噛みしめる形のままおでこを前にするかにしていて。さらに、それの後に斜め上になる感じのままに相手の様子を見ている物の、それで倉敷はずっと自身の指だけを使って片方のグラスを覆っているフレームの位置を親指以外の4本の指を使って位置を戻していた。
さらに、兄の画面を眼鏡で反射している姿を見ている間、一度息を飲みこんで、その動きが終わった後、誰もそこから動くことはない。数秒間指の腹から触れようとしている物の、それに引っ張られるように爪が画面を叩く音も付随してしまうのを一切隠さないままにしていた。
「あそこ下品な親父どもが集まる場所。一般人しかいない」
一言だけ、ほとんど抑揚のないままに言い残した倉敷はその場で背中を相手に見せるようにして去ってしまう。それのせいで、その場にただ1人取り残されてしまった亜里沙は唇同士に力を入れるようにして数回その位置を整えるかのようにしている間、ずっと顎を限界まで下に向けるまま、瞼も落とした感じに。兄がその場からいなくなることで、辺りからは静寂に包まれる。そのまま部屋の中に入ると共に、ドアを強く叩きつけた後に、彼女はまっすぐにベッドメイキングされているそこへと体を投げていた。
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