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Lunatic  作者: コンテナ店子
第三部前編
174/216

第173話

「お楽しみはとっとけって言うだろ?」


 クスリが入ったままになっている注射器を手にした北川がその光を反射しているまま銀色の針をもう一度横目にしながらいた。そして、それを早々に終わらせると、先端についてたホルダーを歯で挟んで抜き取りながら光に反射させるような針をあらわにすると、そのまま口を細くするとこでどこかへと噛んでたものを捨てる。


 両方の手を強く握りしめながら目を限界まで開きながら数回体を動かすのに合わせて呼吸を繰り返し、それから一度上へと上げようとしていた彼女は前腕に針を差し込む。


「であればとっておけ。その時は今じゃない」


 その声がしたのは、また一歩下がりながら喉を締め付けるようにしていた敵の魔法少女と北川の間に入り込む形で現れた浴衣姿に一本の刀を差している銀髪のツインテール姿の少女が注射器を持っている北川の手首をつかんだまま立っていた。しかし、自身の楽しみにしていたクスリのタイミングを完全に奪われた彼女は顔を下げたまま一度舌打ちをする。


 続いて、北川は地面へと向けて胡坐を掻こうとするも、それで体を立ちあがらせるために両手を地面に着くと、そのタイミングでまた背中から血が噴き出して強くせき込むと、そのまま体を胸と一緒にアスファルトへと落っことしてしまう。


「その侍の衣装はただのコスプレか」


 刀を下げたままにしている浴衣の魔法少女は目の前にいた少女が気を失いつつあるのに気づいてから体を前へと向けると、それで後ろ側になった方から2人の皐月ノ宮生がやってきていて、北川を連れて行くようにする。しかし、ブーメランの方はそれに対して何もしないまま相手と向き合っているだけ。また手に新たな武器を生成してそれを地面へと斜めに落っことすような角度で構える。


 一方で、刀の方の少女も自身の腰に下げていた鞘の中へと剣を閉まったままにしているもののそこへと力を込めることで一斉に水をまとわせるようにすることで回転し始めるようにさせていた。


「我がこの学校を守ると彩芽とアニタに約束したからな」


 その言葉と共に刀の持ち手を握りながらわずかにしゃがむようなポーズをとるその少女に対して、ブーメランの方もだんだんとそっちへと近づくように歩き出していた物のそれをすぐに止めていた。一方で、敵が自身の方を見てないのに気づいてからツインテールの魔法少女もそれが見てる自身の斜め下の方へと視線を向ける。


 地面に寝転がっているようになってたはずの北川がそこでは、肘をついている左前腕の方にその筋肉を見せつけるように力を込めたまま注射器をさしていたけれど、それを一切隠さないままにしていて。周囲から聞こえてきた音は彼女が激しく息を吸ったり吐いたりを繰り返している以外には何もしないせいか、注射器が落っこちて高い音を立てるのすらもブーメランの魔法少女の所にも聞こえているようだった。


 一方で、しばらくの間髪の毛を落っことしたままなせいで顔を一切見せないようになっていたその姿が、一度手をついて肘をまっすぐに地面へと突くような体勢になると、そのまま立ち上がるせいで腕を体の前で何度も左右へとぶらつかせ続けながら肩と頭を上下に動かし続けていた。


 北川が髪の毛の間から大きく限界まで開いた目をそっちへと見せてるのを見ている2人はそこからわずかに足を遠ざけるために1歩だけ後ろへと下がってしまう。


「皐月ノ宮守るんだろ? やってみせろよ!」


 唾液を横から一筋だけ落っことす口元から大きな声が出ると共に、鞭を大きく上から下へと落っことすと一気に彼女の周囲を覆うような巨大な光が発せられると、その勢いもあり地面を覆っているアスファルトがひびが入ると共に砕け始めるのをブーメラン使いの方が目を大きくしながら息を吸い込んで歯を食いしばる。


 しかし、その音すらも一切消し去るようなほどの勢いで周囲の建物へと次から次へと鞭がぶつかりそうになるも、それよりも早い勢いで目の前の魔法少女が両方の手を自身の胸元でクロスさせながらそれをゆっくりと回転させることで自身の両方の手と建物の前に無数の水の壁が出来上がる。そこへと鞭がぶつかることで水が噴き出して地面へと濁流が落っこちるかのような


 ただ、それも最初の数秒だけで止まってしまい、すぐに諸葉も体を落っことして膝立ちになってしまうと、そのまま片方の手で反対側の二の腕を掴みながら激しく息をする体勢になる。一方で、今も異常なほどに目を大きく開けながらそのあたりを充血させている北川は鞭を振るい続けるせいで、建物が大きく揺れて砂煙を起こす。


 それは同じように3人の所へとやって来たところで、それぞれに相手の様子が見えなくなる。と思った次の瞬間、また北川が大きな声を出そうとした途端、その声が一瞬で止まることとなった。




 一度気を失っていたことを北川が知ったのは、上半身を一瞬で起こしながら目を開けたことで自身の体にかかっていたブランケットを吹き飛ばすようにしたタイミングだった。それから、辺りの姿を見る前に、自身の頭痛に響いたのか、片手だけをおでこに当てながら数回鼻から息を吸ったり吐いたりを繰り返す。さっきまでまっすぐに落っこちてた髪の毛は今では相当に乾燥しているし癖が出来上がるようにぼさぼさになってしまっていた。


 一方で、近くにいた人からわずかな息を吸う音が聞こえた途端、目の色や顔の形は明らかに違う物の、東雲と同じ形のニットを着ている少女が小さな声を上げながら北川の方から視線を離すと、小走りで数歩離れていくようにしながら生徒会長の名前を呼ぶような少し大きめな声を出す。


 今北川がいる部屋は周囲全体を灰色のコンクリートで覆われている上に、上の方でわずかに揺れている傘を付けたランプが吊るされているのに照らされている。それ以外この部屋には灯りがないせいで、部屋の隅の方は薄暗くなってしまっているし、それだけでなくアイアンラックが壁を覆っている場所も多いせいで見えにくくなっていた。


 それの上には薄汚れたカバンや中身が出てしまっている工具箱、そのほかにも資料の山が崩れながらいるのがそのままになっていたり、たたまれてはいる物の汚れがまだ残ってしまっている作業着や、立てたままになっている電池などが置いてある一方で、それらは無造作にそれぞれの段で並ぶこともなく影になりながらそこに置いてあるだけだった。


 周囲の荷物がたくさん置いてある様子をさっき薬を入れた時よりは目を小さくしながら一度瞬きしつつ肩を落っことすような体勢で目線だけでなく顔を使って辺りを見渡している彼女はまた目を強く閉じながらその周辺へとしわを作り、おでこへと手のひらを叩きつける音を辺りに聞かせていた。


 そんな彼女の元へと、先ほど浴衣姿で腰に刀をさしていたツインテールの少女が両方の腕を組むようなポーズのままゆっくりと歩くことで近づく。その足音に気づいてわずかな声を出しながら北川は同じポーズで視線を向けると、そっちはそのポーズのまま近くに合ったらアイアンラックに体を押し付ける。


「アニタからもらった薬はやはり強烈か」


 そっちでわずかに体を前のめりにするようなポーズをしながらも顔を笑うこともなくまっすぐにしてきた側の様子を見つめている会長と呼ばれている少女に対して、北川の方はそっちをわずかに上瞼を平たくするような表情をしてから勢いよく体を落っことしてため息を付くと、両方の手で頬付けを突くようなポーズをしながら自身の腕を下へと向けるようなポーズをしたままになっていた。


 彼女ら2人がいる部屋からドアもなく通路もほんの1歩にすらならない道しかなく、そこから先にある少し広めの部屋には数人の女子が何かを話しながらわずかな笑い声を出すようにしているのが聞こえてて。それに対して2人とも何もしないままにしているけれど、そっちでは椅子に座ったままにしてる2人が談笑をしていたり、1人でスマホを見るようにしていたりするだけにしていた。


「そうおもったんだけどね」


 一度わずかに顔を下へと持っていきながら、ゆっくりと息を吐く勢いに続けるような感じで、わずかな声を出している北川は、相手の方ではなく、ソファの上で横向きにいる自分の体のそばにある道の先に広がっている隣の広い部屋の様子を目をわずかにだけ細くするままに見つめているけど、それでも相手の様子は変わることもなくじっと見つめているだけにしていて。ほとんど力を入れないまま口元に力を入れて下の唇を上のにくっつける感じに。それで頬の先端をへこませるような形のままにしていた。

読了ありがとうございます。

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