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Lunatic  作者: コンテナ店子
第三部前編
173/216

第172話

 閉められたままになっている校門の前に立っている北川は、そのまままっすぐにそっちの建物の影になっている場所がほとんどで窓の中も電気が消えたままになっている様子をわずかに息を出しながら見つめているのに対して、辺りからは誰もいなくて、歯を隠しながらも唇同士の重なっている箇所をだんだん横へと広げるようにしていて。辺りでは何も音がしない。


 窓の中だけでなく、白い色で塗装されているはずの外壁のいたるところが薄い鼠色のような汚れが付いているだけでなく、それ以外の個所にもサビたような赤茶色の液体が垂れた跡も見えていて。それを1つ1つ確認するかのように目線を動かしている彼女は目だけを動かしているだけで顎をわずかに上へと持っていっている動き以外には何もしないままただただじっとしている。


 そう思ったけれど、近くから足音が聞こえた途端、勢いよく校門の上に手をついてからその片手だけを縁にして力強く体を持ち上げて横側に倒す感じで乗り越えてその上にしゃがみこむと、そのまま飛び降りて靴の音を立てる。


 その音がわずかに後者にまで音を響かせている物の、それに対してわずかに走るようなペースで中を進んで行っていると、さっきまでずっと音を鳴らしていた警備員のおじさんの声がこっちに来ていて。それに気づいてそっちに顔を向けるけども、それで足を止めながらも自身の指同士を背中側で絡めさせながらわずかに笑みを作ってそっちへと自分から向かって行くと、向こうも早々のところで足の動きを止めていて。少しお互いに離れるくらいの位置で目線を合わせることになった。


「お嬢さん、悪いけど、ここは学生以外は進入禁止でね」


 両方の手を握ったまま下へと向けていた北川は、その2つを勢い良く振るいながら広げることでその前に鋭い音を立てながら魔法陣を作り出し、空が曇っているせいで薄暗かった周囲に黄色い光を照らす。その様子が彼女の足元はもちろんのこと、近くにあった花壇も同じようにしていた。


 さらに、それに続いて彼女は変身を完了させるとまた一瞬だけ足を後ろへと滑らせながらそれを蹴りだして、大きく自身の上半身をひねるような形で飛び上がったらそれを戻す勢いで召喚した鞭を振るうと、勢いよく無数の攻撃が飛び出す。


 その高い音が聞こえるよりも早く質量となって激突された警備員からしたら、いとも簡単に吹き飛ばされてしまい尻もちをついてしまうだけでなく、その衝撃で服を突き破りながら作った傷から血が飛び散り始めていて。辺りにたくさんの水滴が飛び出し始めていた。


 そのまま倍以上年が離れた男が地面の上でわずかに震えるようにしながら今もとても動けなさそうにしているところにゆっくりと歩いて近づいている物の、そっちにいる男は今も血が流れているだけでそこを体の痛みのせいでほとんど手で押さえることすらできずにいた。


「おら、とっとと倉敷のやつを呼んで来いよ」


 その声を出すと一緒にスニーカーを履いたままのつま先で何度も目の前の体を小突くようにすることで、体を回転させそうになっている警備員の体だが、それをしている北川はずっと視線を顔事下へと向けるようにしているだけでそれ以外の場所はずっとまっすぐに立ったままのような形にしているせいでそのうめき声が聞こえているのかも怪しい。


 そこから視線をそらしたのは、近くから人が歩いてきた音が聞こえてきたタイミングで、口を紡ぎながら同じ体勢のまま90度横から歩いてくるその姿に気づいた時。そっちから聞こえて来る足音に向けて横目にじっと相手の方を見つめるままにしている間だった。


「その必要には及びません」


 まっすぐに伸ばすような、はきはきとした声と共に、顔を横へと向けて背筋をわずかに曲げている北川のすぐ横へとやってくるようにしている倉敷の部下の女性。相手に気づいた途端言われた側もわずかな息を出しながら一度体を整えるわずかに跳ねるようにしながら体の向きを整える。


 さらに一度伸びていた自身の手にしている鞭を元に戻しつつ円を描くような形に元へと戻すのに対して、女性の方も自身の武器である警棒を両方とも手に取るも、それよりも早く、彼女が来た道から頭巾とブーメランを操る魔法少女の姿があり、それに北川も気づいた途端目の中央辺りを上へと持っていくように頬を持ち上げて笑みを作っていた。


「やっと来たね、お前らが身内でパコってるせいでずっとムラムラしてんだこっちは」


 語尾を限界まで大きくしながら感情をダイレクトに込める形で出したその声と一緒に、足元に自身の魔力で作りあげた黄色い光をまとわせた直後に、もう部下の女性の腹をサンダルの裏で蹴飛ばした彼女は周囲にその衝撃で突風を巻き起こし、地面に倒れていた警備員と共にその人も敵へと向けて吹き飛ばした。


 一方でそっちもそっちで飛んできた女性のスーツ姿の胸元だけを掴む感じにしてそれを受け止めていた物の、もうその頃には北川が放った鞭がもうそこにまで来てるのに気づく。続いて、一度勢いを殺させた部下の女性の体を地面へと投げすてると共に自身の前へと魔法陣を作り出し、その動きを止めたと思いきや、後ろ側へと下げていた足のかかとを持ち上げて踏ん張ることで目の前の動きをまっすぐに緑色の魔法陣と北川の方へと向ける。しかし、そっち側からは次から次へと鞭の攻撃と伴われる突風のせいでとても見えないままになっていた。


 数秒間同じ体勢でいるそっちに対して、北川さんはまた何度も大きな声を上げながら鞭を持った手を左右に振り回し続けているままいるも、その喉からあふれている物がだんだんと言葉にならない声ではなく笑い声に代わっていき。それは魔法陣に当たる高い音の間からも確かに敵の方へと届いていて。その途端にそっち側は両手で魔法陣を押さえるようにしていたポーズから一度肘を曲げてからを強く押し込むようなポーズをして一気に正面にあるそれを押し込んで敵へと飛ばすように。


 魔法陣が自分から離れたことで、彼女の元にも横から飛ぶ鞭が襲うも、それも即座に手にしたブーメランを使いこなすことですべて敵の攻撃はじき返すようにそれを投げてはまた召喚、また投げて召喚してを繰り返しながら周囲に金属特有の高い音をずっと鳴らし続けていた。


 さらに、そのままの勢いで北川の目の前にまで迫った彼女はハンドスピナーのようにそれを回転させながら相手の首へとそれを叩きつける。当然、それにされた側も気づくと共に素早く相手の足元へと一瞬でスライディングするかのように滑ると、そのまま頬から一筋の血を流してしまい、それを飛ばす。


「やっぱこうしてるとセックスみたいなガキの遊びやってらんねぇよ!」


 自分の血が出てる頬を一度だけぬぐいながら素早く上へとジャンプしながらも相手の上空を一直線に飛ぶ形にしていて、そこに着たタイミングでまた鞭を上から無数に振るい続ける攻撃のせいでブーメランの魔法少女は勢いのいい重力を味わう羽目になってしまい、それのせいで肘をそっちに向けるままもう片方の手で攻撃を防ぐ魔法陣を作り出す。


 しかし、辺りは力強い技と魔法陣で防がれなかった攻撃が地面の上へと落ちてアスファルトで塗装されているそこを次から次へと破壊し続けていた。ただ、守っている本人も何度も上から降り注ぐ鞭攻撃の前に歯を食いしばるようにしているままわずかな口から唾液のような音を立てる形に。しかし、その様子は前を鉄のマスクが覆っているせいで人には見えない。


 一方で、北川の方はだんだんと飛び上がった前の方から離れていくように体が勢いと重力に従うように落っこちている物の、敵へと向けて顔を向けながら何度も口から熱い息を繰り返すかのようになっている。ただ、それもほんの数秒の間だけで着地すると共に膝を曲げながら背中を斜めにするような姿勢のまま腕をほんの少しだけ前に出すようなポーズで着地。そのまま、体を振り返らせようとしたが、彼女の体は背中を大きく反らしながら顔が向かっている方へとそのまま倒れるまま、背中全体を覆うほどの長さで血を上へと向けて飛ばしてしまっていた。


「お前は私には勝てない。どうやっても」


 悲鳴を上げながら地面へと倒れこみ、体全身に力を込めるままびくんびくんと反応させてしまっている北川を見下ろすようにしている敵の魔法少女。しかし、体をまっすぐに向けるだけで目線だけを下ろしているその姿は大きく出し続けている痛いに対して何もしないまま。


 それに対して、ずっと両方の前腕を顔と出来る限り平行にするようにしていた側は、肘を曲げながら口と喉に限界まで力を入れることで何とか立ち上がろうとするも、それに対して見ている側は少し足を後ろに下げながらも、目の前の背中ら次から次へと違溢れ続けている姿を眺めるだけにしていた。


「安心しろ、魔法少女の武器で人は死なない」


 また代用発声によって出てきたずっと抑揚のない機械の音を出し続けている敵はまた自身の手に魔法の武器であるまた同じ形で黒い鉄製のブーメランを2つ召喚すると、そこのわずかな位置に光だけを反射して白い部分を作るだけにしている。


 一方で、北川の方も何度も咳こみながら血を吐き出しているだけで終わらず、さらにそれとほぼ同じタイミングで背中からも同じものを出す。それのせいか、両方の手の平を地面につける姿勢でいた彼女は何とかして体を起こそうにも、肘をついて動けなくなってしまう。しかし、その体勢のまま彼女は強く顎を引いて地面へと向けて口を大きく開いた。


「てめぇの兄貴に言っとけ、私も東雲も遊びでやってる訳じゃねぇってな」


 その言葉を言うと共に、一度歯を強く噛みしめてから同じ姿勢のままポケットへと手を伸ばそうとするも、それで体に力が入らないのか、体が崩れそうになって浮かせた方にあるから肩から地面へと落っこちそうになる。


 しかし、それに対して敵の方は大きく目を見開きながらも一歩足を後ろに下げてしまっていて。そのまま目を大きく開くようになってしまう。ただ、それでも北川の方は手を自分の腰の方へと伸ばすようにしているのを辞めずに、そこから流那と一緒にいた時にやろうと思っていた注射器を取り出して、口元を横へとまた伸ばす。


「お楽しみはとっとけって言うだろ?」

読了ありがとうございます。

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