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Lunatic  作者: コンテナ店子
第三部前編
169/216

第168話

 ヘルメットと髪の毛の向こうにある目からじっと水色の髪の毛の少女がずっと自身の様子を反射している姿を見つめてる映像を見ている。右側の足には何もないのかオーバーオールの袖が途中で無造作に破れてるところまで何も中にないせいか完全に反対側とくっついてしまっていて。一方で逆側は今も端の側は同じようになっている物の、未だ真ん中の部分は骨と血管の形がくっきりと映っている。


 股の間のところに両方の手を置く形で前のめりになっている向こうの様子を私はわずかに口を開けながらずっと見つめてるのに対して、ずっとただただそっちはまっすぐに映像を見ているだけ。その間わずかに上瞼を上げながら顎を近づける感じにしてるまま視線を外したり戻したりを繰り返す。その間も、わずかにまれに体を動かし続けているだけで、それでオーバーオールの袖がわずかに揺れている一方で茶色に染まってる元はたぶん白いタンクトップで体の様子がほとんど何も動かない。


 私とキャスター付きの椅子に座ってる子供の様子を見つめるままにしてるのに対して、その視線が続く先は今も渦巻くように動き続けてる青紫色の煙が渦巻いているようになってて。それがわずかに動き続けているのもあってるけれど、私たちがいる場所がサークルのようになっている形自体はほとんど変えることもない。その上、地面の白い色に染みなどが出来てることもなく私たちの影が円の外側にできて行っている様子くらい。


 一方で、映像の中にいる水色の少女は口を大きく開けながら白とわずかな灰色が混じり合うかのようになっている雲の様子を左右へと視線に向けるようになっていた。一方でそっち側のわずかな隙間から見えているのは緑色の田んぼやそれよりも深い色の木。それ以外にも赤色の屋根や白色の壁がある民家がまばらにある様子。それを濃いめの灰色の戦闘機の側面がわずかに見えているだけで。その一方で、その風景よりも近いすぐ場所にある透明のハッチが外を見えにくくしてしまっていた。


 ただ、それでもそっちにいる少女はずっと見続けているようで、そんなままになっている中で、顔をよりそっちへと近づけるように動いているがために目の位置が変わることで、その色をもう一度見える。そしたら、頬を下へと持っていくまま息を小さく吸い込む音をわずかに立てることになった。


「これ、東雲か」


 最初の声を出す後に数秒間時間をおいてから話を続けるように言葉を続ける私はほとんど何も抑揚を出さないままになっているのに対して、向こうは体を何も動かさないままずっと顔を映像の方へと向けたままにしてジャッキを動かす音も立てないままにしてる。


 頭の上に乗っかってるヘルメットの砂や泥がくっついたままになってる所にも映像の色が反射しているくらいしか動きがないままになっていた。


「そうだよ、さっき記憶を吸ったやつ」


 向こうも向こうで私が出したのに近い感じで声を出してきて毎度止めるタイミングでちょっとだけ上へと抑揚を持っていく感じのまま話を続けているそっちの姿を見ている間、口元は動いてるのに対して私も視線だけでなく顔もそっちへと向けるままになって、辺りが薄暗いせいもあって一度目を眩しさを再確認するようにそこを一度擦る。


 口を閉じてからもう一度小さい東雲が飛行機に乗っかっている様子をただただ見るように顔を向けてるのに対して、体はずっとヘルメットの方へと向けるままにしてる私に対して、向こうはわずかに頭を動かすようにしているのか、そこに乗っかってるのが動く音が確かに私にも聞こえて来てた。


 でも、それから私は東雲の映像をじっと見てて、それがわずかに透けてるのもあって、その映像にも青紫色の煙がわずかに交じり合っている。でも、そっちが動いているのを見ている間も、私の視線が向かっているのは一切変わらなくて。体の位置もずっとそのまま。


「私にも出来るのか」


 気づいたらその声があふれてて。その唇が動いている感覚すらほとんどしないままだったし、当然のようにそれ以外の体の部位もそのまま。鼻からわずかにあふれてる息の感覚だけをわずかに詰めたくなっているような感覚を味わうけど、でも、その音は聞こえないし、私の近くには何もないせいもあって鼻の下の辺りでそれを感じる以外には何もしない。


 一方で、向こうで今もキャスター付きの椅子の上に座り込んでいるのはわずかに動いてるのか、それがきしむ音が確かに聞こえて来てて。でも、それも数秒間の間だけで、それからまたしばらく向こうが視界の隅の方で肩を前に出すような体勢をしているの以外には何も起きることはない。


 そのまま首を曲げて私の方を見てきている間、いくつもの黒い縫った後を残してある腕を前へと伸ばしてぶらぶらとしているそれを座面よりも下へと持っていってる様子が気になってそっちへと顔を向ける。でも、向こうはそれでも、鼻から一度音を立てて息を一度だけ吐き出すだけで。それ以外には何も反応することがない。


 そう思った次の瞬間、私が見る向こうの髪の毛の間からしっかりと、確かに見えている真っ黒な空洞。光も闇もないようなただただの真っ黒。その穴を細い糸の間から確かに見えていて、そこから目線をまっすぐこっちに向ける感じのままにしているのに対して、向こうは口元を横へと伸ばしながら、そこに並んでいるデコボコした歯をこっちへと見せつけてきてて。それに対して私はわずかに喉を引っ込ませるような感覚のまま唇同士をくっつけた。


 一方で、そっちはそっちでずっと体全体を椅子から落っこちそうなほどに前のめりにするような形のままにいて。それのせいで髪の毛と腕がずっと行ったり来たりを繰り返してて。空洞の前にいるそれもずっと左右に揺れ続けていて。体と顔の向かっている方向が同じになっている私は、ただただ今も私の方へと顔を向けながらヘルメットに映像の光を反射している様子でずっと動かないまま出ていて。そのまままっすぐに髪の毛同士の間から見えてるそれへと吸い込まれるように足を一歩ずつ進めて行ってるけど、でもローファーと地面が触れ合う音はどこからも聞こえてこなくて。でも、そこの硬い感覚はつま先から順にかかとを触れさせて行っている動きに対して何も変わることはない。


 ただ、それも十数歩歩くころにはもう全部終わってて。もういくつもの場所にサビている場所を一切隠さないままこっちに見せつけるみたいになってるままにして座面も中の黄色い中にわずかな黒い点が残ってるようなクッションを見せつける感じになってて。


 向こうは私のことをじっと見上げるように首を曲げて顔を出来るだけ地面と平行にするような感じでこっちを見てきているのに対して、口を半開きにしてるのが見えたら、一歩だけ後ろに下がりそうになって、自分のうさ耳パーカーを腰の横の辺りで腕を下へと下げたまま握り締めるみたいにしてるけど、それで互いの目線がぶつかり合ってるのからも離れてこっちは数歩後ろへと下がるようになった後はもう何も出来ない。


 それに対してそっちは一度勢いよく音がしそうなほどのペースで顔を前へと出してから横目にこっちを見てきてて。私はそれを見ている間一度口を整えるような感じにする。さらに、その後でもう一度そっちへと近づいたら、向こうが髪の毛の間を擦るような感じでこっちの頭の横の辺りを軽く撫でるようにしてきて。その指のわずかな弾力を味わうけれど、その一方で中の硬い感覚は一切変わらない。さらに、髪の毛が擦れる音も感じている間、それで先端がくすぐったいような気持ちにもなって、それのせいで首の辺りに力が集まりながらも、だんだんと顔を上へと上げるようになっていた。


 しかし、空の方にも例の煙が立ち込めているせいで、ドーム状になっている先には何も見えないまま。そっちをじっと見ている私に対して、そっちではいまだただただ煙が出口を探してさまよっているだけで、それ以外には何もない。一方で、今も私の両方の側面を擦り続けてる感覚は一切変わることはなくて。そっと目を閉じるようにしていた。

読了ありがとうございます。

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