表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lunatic  作者: コンテナ店子
第三部前編
159/216

第158話

 東雲の激しい攻めにより、一矢報いることもできずに倒されてしまった相手は、地面に叩きつけられて以降びくともしない状態を一切隠さないままにその場に倒れることになってしまってて。それを私は顎の角度はほぼ変えないものの、それに込める力を上の方へと押し付けるままにしていた。


 私の反対の二の腕を掴むままにしている両方の手の指同士の間にそこの肉を挟む感じになってるまま肩を上へと持っていく体。そこにも雨が降り注いで、もう服のどこも水びだしになっていることから、ただただ体の下にまで落っこちて行くだけ。それはもう変身を失ってうつ伏せになってる体にも同じようになっていた。


 ただ、近くにあった電柱にただただ寄りかかっている私に対して、周囲で動いている音が聞こえているのは、遠くの十字路で車が走っているわずかな音が数分に1度のペースで聞こえて来るくらいで、一方で、それに伴う風の勢いは全くと言っていいほどに感じないままになってしまい、唇同士が触れ合っている感覚が端の方では一切感じないのをそのままにしていた。


 そんな中にいる私たちに、東雲が昇って行った階段からさっきよりも明らかに早いペースで降りてくる足音が聞こえて。そっちから以前殺された妹と同じ見た目をしている召使いの少女が降りてきて、足と腕をまっすぐに下ろしながら歩いて行っている様子を、一切動かない私の視界にも見せてくる。しかし、こっちの様子には目もくれずに倒れている灰色のパーカーとジャージ姿の体を何とかして背負おうとしている様子をこっちに見せるだけだった。


 数秒間色んな持ち方を試した後に、一度それをバウンドさせるような感じで相手の腕を自身の肩に通すみたいにしてから運び始めたら、そのまま体を左右に揺らしながら歩き始めるも、数秒も立たないうちに一度息を吐きながら足を止めてから一旦体を持ち上げるように。


 それから、口を横に開けて息の音を立てながら一歩ずつ踏みしめる感じで歩いてきてる様子をじっと見てる間、私は視線だけを動かしてそっちの様子を眺めているも、向こうはこっちの横の所を通り過ぎて2歩ほど進んだところで数回高い息を上げる。その後、こっちを振り返るようにすることで一旦相手のことを地面へと下ろしてからこっちに両方の手を握り締めて腕をまっすぐに落っことした状態のまま歩いてきてた。


「お姉さまからお前もつれて来いと言われてます」


 召使いが出したしっかりとした声は東雲ほどじゃないけど、かなり声が一定間隔で進んで行っているも、肩をずっと前のめりに動かしながら口から息を何度も動かすままにしていて。それの息が白い様子を私にも見せていて。そっちに首を動かすまま目線を数秒間見つめるままにしているけれど、だんだん口を紡いだまま顔を横へと落っことすようにしていた。


 そっちには斜め下に向かうようになることで柱にぶつかっている肩とそこでつぶれたままになっている服、さらにはその左右へと割れながら落っこちて行っている雨の様子。それらを私は口を紡いだままただただ見つめるみたいにしてるけど、視線を向けてないそっちからは「早くしろ」と語尾を持ち上げる感じで出ている声と水がはじける音がわずかにするけど、そっちからはずっと雨の音がするだけでそれ以外の音は何も聞こえないまま。


「あれ、もしかして腰抜け?」


 最初の2文字を勢いよく上と下に抑揚をつける感じの上に、その間を大きく開けたまま話してきてるその声がした後、思ったよりも大きなそれに私も体を柱から盛り上げて。同じくそっちに視線を向けてる召使いの横を通る感じで起き上がってる灰色のパーカーを着てる少女は、先端だけがわずかに緑色になってる髪の毛に一度指を入れることで前に来てた髪の毛を戻すようにしているままにいる。


 足を一旦持ち上げて中腰になった後、胡坐を掻く両方の足の間の手前側で重なってる箇所に手を持ってきて体を前のめりにしてるその人の様子を見てる間、私は口を小さくする感じのまま見ている物の、向こうが一度だけ息を吐きながら目をほころばせるのを見てもずっと同じ感じのままにいることしか出来ない。


「私だよ」


 同じ姿勢のまま体をわずかに後ろへと傾けてから戻す感じでいるその人は、一度動作が終わった後また同じようにしていることもあって、それからまた両方の足が重なっている位置が浮かんでいて。それのせいで、頭もその顔の位置が傾くみたいになってるのを一切隠さないままに。それもあって顔を一度頭の上に向かうようになってた。


 一方で、こっちは柱から体が離れて自分の体に両方の手が自然とくっつくみたいな体勢になったまま小さな声を出すようにしているのに対して、数回目線を道路の方へと向けてからそっちにもう一度戻すみたいなのを繰り返している。けれど、そっち側に靴を置いてる召使いの人の方へと顔を向けるけど、顔を電柱とブロック塀の方へと向けたまま両方の手を組む感じにして顎を自分の体にまでもっていくと、数歩そっちに近づくままにしてゆっくりとした足の動きを止めてた。


「何、忘れたの? 東雲の施設で会ったじゃん、北川加奈」


 一旦息を吐くみたいにした後に出たその声を聞いた後、私はわずかな声を出してから、もう一度雨でびしょぬれになりながらも、目線が私の方に向いてるのか向いてないのかわからないままになっているその目を見る。しかし、それに対して向こうは今も口をだらしなく笑みを作るような形をしたままほとんど変わらないままに。


 一方で私は目を大きく開けたまま両方の手を自身の体から離れてしまったのを戻すことが出来なくて。その上に外の空気が口の中に入ってきてるのを感じるままになってしまう。同じ体勢のまま、ずっと何秒間もいそうになってたけど、何とか声を出したのに対してそれが意味のある言葉になることは全くなくて。何とか何かを言おうとしているこっちに対して向こうはわずかな笑みを浮かべているだけ。気づいたら両方の手の先端が小さくこすれ合う感じになったままになってしまってた。


「良子さんにも紹介しなきゃだね」


 一旦小さな声を出したと思った後に出たその言葉は思ったよりも勢いなしに出てて。


その声を私も聞いた後に慌てて体を前に出すと一緒に止めようとしたけど、でも体を後ろへと倒す勢いと一緒に両方の手を後ろ側の地面に付いて。それから顔を倒すみたいにしながらさっき曲がってきた角に向けて良子さんの名前だけを呼ぶようにしている北川さん。


 私も声を聞いた後に小刻みに足を動かすことでその姿へと近づくようにしてから息を吸う感じにして。数歩進んだ後に膝を曲げたまま目を大きくする後に、一度召使いがいる方へと向けて振り返るけど、向こうも両方の口同士を締め付けるままにしている様子でいるのに対して、それ以外には何もしない様子をこっちに見せていた。


 一方で、私はわずかな声を出すままに目線を何度も北川さんからそらしそうになるのを繰り返してるけど、それを何とかせき止めてもう一度両方の手を突いた方に体重を乗っけたまま肩を張る体勢をしてるその様子へと視線を戻した。


「行こう」


 息を吐きながら体をまっすぐに戻した私は、顔を下げたままにして、伝ってる雨のしずくをそのままにするようにしているのに対して、一切体の位置を変えるようにはしないままにしている。けれど、それに対して北川さんは今も良子さんの名前を言いながら私の背中の方へと声を出すみたいにしているの以外ほとんど動かないままになっていて。それを目を閉じたままじっとただただ聞くようにしていた。


 ただ、後ろの方にいるはずの召使いの人もほとんど足を動かす音はずっと聞こえないままで、私の正面と同じようにただただ雨が地面へと向けて落っこちている音が聞こえるだけになっている。


「行こう」


 さっき1回言った時よりも大きな声を出すようにした私は、両方の手と同じ向きに向けたままになっているのもあって、周囲で聞こえている音の中でも一番大きくなってしまう。それから手を前へと出すみたいになってるこっちに対して周囲ではもう雨の音以外しなくなってしまうも、その手に北川さんが手を重ねた後すぐに腕を引っ張って起き上がったら、その後両方のポケットに手を入れたまま口からをふうと息を吐くままにぐっと腕を下へともってく感じにしてた。


 さらに、私らの前で召使いの人が勢いよく濡れたままになってる黒いコートの前で肘を持つみたいにしてる姿勢のまま体を前のめりして歩いて行くと、何度も金属でできてる階段を音を立てながら登り始めてて。その様子を私も上へと視線を向けることで、その灰色になってるところ全体が屋根と周囲を覆う細い塗装が完全にはがれてるせいで暗くなっている手すりの様子だけになっている物の、それらによってできてるはずの影の様子がほとんど見えていない。


 そんな姿を見ている間、もう手が離れて北川さんがそっちへと向けて足を等間隔だけど一切止まろうとしないままになってるペースで足を進めているのを眺めるままにしているのに対して、私はもう一度自分の体を見るみたいにしてる。それから、一度喉を閉める感じで先に進もうとして階段に手と足を当てたら、高い音がするのと同じくしてそこがきしむ感じのも聞こえて来ると、眉を上に持っていく感じのまま喉を閉めるのを一切遠慮しないままにしてて。塗装が剥げて赤くなってしまっている様子を下に視線を向けるままに見る。


 でも、そこに落っこちた水が同じ色に染まりながら地面へと向けて落っこちて行ってしまっているのを一切隠さないままにしてて。少しの間私もそれを見てたけど、すぐにまた視線を上に戻して、顎を自身の体へと近づけるまままた歩き出した。

読了ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ