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Lunatic  作者: コンテナ店子
第三部前編
155/216

第154話

今回から第3部開始です。

現状作中で一番強い2人の東雲と流那が倉敷に挑みます。

 ハリーや志田が杏を倒すために選んだ公園の周囲の道路には次々と黄色いテープが貼り付けられては人がどんどんその外側へと警察によって追いやられ、そっち側を何とか人たちは見ようとしている物の、かなりの距離ができているせいで公園は見えなくなってしまっている。それに対して野次馬たちは次から次へと文句を言い続けている物の、警察たちはそれに取り合わずに黙って作業を繰り返していた。


 周囲がパトランプの赤色に染まっている様子のままいるそこのすぐ横にあるビルの天井に降り立っていた東雲は、上から降りた後もその勢いを殺すために数歩先へと歩いて行っている物の、それの足音は周囲の喧騒の中に消えていて本人も聞いていないほどであった。それから、彼女の背中にいるジャケットをマントのようにしているそれもゆっくりと彼女の降りた体の勢いと同じようにその体へと降り立つと、体をまっすぐにしたまま両方の足を斜めにする感じで歩いて行く彼女は、頭は前のめりにする感じで進んで行っている。


 その影響もあり、数秒も立たないうちに体がもう手すりの前にまで来ると、いくつもそれを支える縦向きの柱が並んでいる様子がその視界からなくなる。そして、それの上に片方の手だけ置きながら地面の方を首を下の方へと向けるような形で公園の方をいつもの表情のないまっすぐな視線でじっと見るようにしていた。


 そっちでは、黒い大きなコンテナの中へと、鉄製の担架に乗せられた杏が体を何重にもベルトで封じられた様子で運ばれていて。彼女は一切動こうとしていない。それを運んでいる人たち以外にも他にも多くの人間が辺りで現場を処理する作業をしている。しかし、公園の門のところの血まみれになっている場所を平気でみな踏みつけていた。


 十秒ほどただただまっすぐに下の光景を見ていた東雲は、すぐに足元にベルトで括り付けたポーチからトランシーバーを取り出すと、その腕の動きの勢いのままに自分の口のところにまで持ってくると、その途端に彼女の後ろや建物のすぐ前の辺りに次から次へと魔法陣によって作り出されたゲートの中から光に包まれたドローンが現れ、その数機が一斉に地面へと向かって突撃を繰り返し続け始めていた。


 その羽が回転する音が辺りに響き渡っているのをまっすぐ立ったまま目線だけを下に向けている彼女はずっと見下ろしているのに対して、そっち側にいる人たちは次から次へと一瞬にして音もなく垂れていくのを繰り返す。さらに、コンテナを運ぶためのトラックの運転手も窓を開けっぱなしにしていたせいか、そこの間に体を落とすような形でぐったりとする。さらに、担架を持っていた人たちもその場で一瞬にして倒れるも、何も音をさせていない。


 ドローンたちの攻撃が終わり、その場にいた人間たちが全員倒れたのを確認すると、数秒後に片手を手すりの上に乗っけると共に曲げた両足をそこと同じようにして、しゃがんでいる体勢になった瞬間、いきなり背中から押されたのに気づくと、もう触られた後だったせいでそのまま地面へと向けて東雲は落っことしてしまう。


 しかし、空中で体を勢いよく翻すと、曲げてた足を勢いよくまっすぐにすることで重力に従って落っこちながらも、砂煙を立ててビルの壁に魔法陣ごしに滑っていく形になっていた。そのまま両方の手を握り締めて斜め下の左右に握ったままの両方の手を出すように。


 一方で、手すりの向こうにいた東雲とほぼ年齢差がないくらいの少女が上からそっちを見下ろしているのも一瞬で、肩より少し下のところまで伸びているはずのそれを一瞬で飛び越えてすぐに両方の腕を体にくっつけたまま弾丸のような形となり顔を敵側へと向けて一気に落っこちてきていた。


 それを見た途端に、東雲も眉間にしわをわずかに寄せるような形にして体に力を入れると、彼女の水色の魔力が足元の魔法陣から一気に浮かびあがり、それからその胴体にも力を入れることで腰を落としながら四肢に血管を浮かび上がらせる。一方で、体を勢いよくそっちへと進めている少女は、そちらの方が落ちるペースが速いというのに、一気に飛び降りるまま握った片方の手の肘を曲げながら勢いよくそれを伸ばしながら東雲の方へと手のひらを伸ばすことで、そこから無数の縄を発射。それの先端についているダガーも含めて敵を向けて飛び出す。


 一方で、彼女もほとんど表情を作らないまま自分の前で一度手を重ねてたから腕全体を使って手の平で円を作ろうとすると、その体の前に飛んできた縄と同じ数の輪っかが同じような形で出来上がると、ゲートの中へとダガーが入ってしまう。


 それから、東雲は空中で宙返りするような形で大きく後ろへと飛び、すぐに道路の反対側にあったビルの屋上へと映る。ただ、ロープがあったせいで敵はすぐにはそっちに追いつくことが出来ない。そのため、それを巻き取ろうと先端がゲートのまばゆい光の中にいるせいで見えていないそれに魔力を込めると、勢いよく手の平の魔法陣へとそれが巻き取られる物の、ダガーが刺さったままになっているドローンも同じく引っ張り出されていて。それのどれもが赤いランプを点滅させ続けていた。


 本人もそれに気づいたのか、すぐにロープをゲートの中へと吐き出そうとするも、それよりも早く次々に爆発。一斉に振動でビルの窓ガラスが割れるのは、彼女が足場にしていたものはすべてがそうなってしまうのはもちろんのこと、それだけで済まずに東雲が立ってる物も同じ。さらに、彼女自身の変身した後の衣装も勢いよく風になびいている上に、公園に生えていた街路樹たちもその暴風にさらされてしまう。


 しかし、その中でも、次々にドローンは召喚されては煙が上がる場所へと向かい、小型のミサイルを次々と発射し続けている。そのたびに、ビルが崩れながら建物が一段ずつ破壊され沈むのを繰り返していた。


 その様子をミサイルが巻き起こす風によって吹かれている東雲は、いつも通りただただ顔をまっすぐにそっちへと向けるだけで。何を話すでもなくいる。しかし、それも数秒の間にし、体をまた自分がいるビルの手すりの所にまでやってくると、また下を見て担架が地面に落っことしている物の、縛られて両方の手を体と平行になるように置いたままになっている杏の様子を見てまたそっちへと降りようとしていた。


 というのに、片足で床を蹴って飛び出そうとしたのに対して、その体は飛ぶことが出来ずに今蹴った場所へと叩きつけられてしまう。すぐに両方の手をついて彼女が振り返ると、そっちには円状のゲートが出来上がっている所からロープが出ている上に、それが東雲のもう片方の足首を掴んでしまっていて。それを見た側は舌打ちをしながら引きずられそうになった瞬間に両方の手で手すりを掴むと、床と固定しているねじが次々と吹き飛んでその形が湾曲すると共にその体もどんどん穴へと床を這いずって近づいてしまう。


 しかし、それに気づいた東雲はすぐにドローンをそっちへと次から次へと飛ばし。その次の瞬間にはそこからはもちろんのこと、それだけでなく、反対側のビルの側面に立っていた方からも絶叫が聞こえて来ていて。それから、ゲートが閉じる直前に血を噴き出す勢いが噴水のように出てきているのに飛ばされる形に続いて、血管や骨を露出している手首が飛んできてた。


 当然のように東雲の魔法少女としての衣装にも血の噴水が降りかかり、それだけでなく、血管や肉だった物の破片もぶつかっている物の、一切気にせず立ち上がりまた道路の方を見ると、ゲートが開いている所から次々と別の少女たちが現れると共に担架を使って杏を運ぼうとしていた。


 すぐに行動へと移し、走って指を回しながらゲートを開くことで道路の前へとやってくると、同じようにさっき腕を切ったドローンたちも向こうのビルの所からゲートを通ってすぐそばへとやってきていた。しかし、もうトラックが出発しようとしている上に、その前にゲートが出来上がっている。


 コンテナの入り口についている取っ手を掴むことでそれに付いて行こうとする物の、その瞬間に足元へとまたあのロープが掴まれてて。先ほど新たに現れた少女たちが東雲の体を無理やり引きはがそうとする。ただ、彼女自身も離れまいと強く腕に血管を浮かばせながらいるのもあって、魔力を込めることを見せている。


 しかし、残りの魔法少女がコンテナのドアを破壊することで東雲は空中に浮かぶことになり、その上へとよじ登るような形で滑るドアの残骸の上へと乗っかっている間に自身の前へとドローンを呼び寄せることで障壁を作り出そうとすることで自身の体を伸ばしていたロープを切断。それから振り返るも、そっち側にいるはずのトラックはもういなくなってしまっていて。唯一あるのは魔法陣が消える光だけであった。


 両方の手を握り締めながら顔を横へと向けるようにしている東雲は、そのまま舌打ちをしながら障壁の向こうにいる魔法少女たちの様子を見るも、そっちにいる人たちは作り出した魔法陣を発射しては投げつけることでそれを破壊しようとしてる。その高い音がしていると、そこからまぶしい光の粒子がいくつも飛び続けているのに東雲自身も気付く。


 さらに、体を前のめりにしながら走り出す彼女はその姿が消えた瞬間、そこにいた少女たちの首筋から一斉にまた噴水でもあるかのような量の血が一声に噴き出して、周囲が血の海に代わると、その先でまた羽に血を付けている小型のドローンを持っている東雲の姿が現れていた。


 一方で、東雲自身はそのドローンを握り締めたまま歯を噛みしめているような表情をしたまま、自身の肘をわずかに上へと持っていくような形で顎を縮める。しかし、目はしっかりと開けたまま下を見続けていて。そのまま変身を解いて制服姿に戻るも、頭の上に乗っかった倒した敵たちの血はそのままになっていた。

読了ありがとうございます。

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