主な登場人物紹介 ここまでのあらすじ
第2部のネタバレ注意です
これを読めば第3部についてこれます。
主な登場人物
木月流那/ルナティック/腰抜け
本作の主人公。気が弱い割には内心では周囲を見下しているねじ曲がった性格をしている魔術師。
仲間としていた黒魔術ごっこの末に魔法の力に目覚め、雷を魔術を操る。
施設で出会った不良チームと深い交流を持っていて、特に1個上の先輩であるハリーとは盟友。
アニメやゲームに精通したオタクであり特にカイジシリーズとFGOが好き。
ずっと戦いを共にした大切な私物であるウサギの耳がついたパーカーを愛用していて、変身後の衣装もそれを取り入れている。
初期のねじ曲がった性格からだんだんと不良仲間と交流をするうちに自身の中で大切にしているオタクとしての自分を貫くことが大事だと再認識する。
しかし、自身のせいで引きこもりになったと自称するシャドと遭遇。その暴走を止められずに大きな挫折を味わうことになった。
現在はすべてを失った喪失感を味わいながらもかつての強敵である東雲アニタと行動を共にしている。
東雲アニタ
「薫子」という人物との戦いに備えて魔術の研究をしているマッドサイエンティスト。
非常に倫理観のかけている人物で目的のためであればどんな犠牲も問わない。
元は政府から用意された研究所を持っていたものの、現在は流那と倉敷が起こしたクーデターにより亡命。その際、研究所に併設されていた魔法少女養成施設の「皐月ノ宮学園」の生徒会長としての地位を奪われてしまう。
ドローンを自在に呼び出す能力を持ち、それらに銃を撃たせたり自爆させることはもちろんのこと、手に持ってプロペラを使用し敵の肌を切り裂くこともたびたびおこなう。
現在は自身に代わり学園と研究施設を支配する倉敷を倒すため流那をリクルートした。
東雲一六/召使い
東雲に仕えるアンドロイドの少女。
過去作である妃美と全く同じ容姿をしている量産型だが、研究所を奪われた都合上最後の個体である。
プログラムにより、東雲アニタのことをお姉さまと呼び慕っている物の、彼女からはただの道具としか思われていない。
自身は魔法少女としての力を持っていないものの、操縦権を渡されればアニタが呼び出したドローンを操ることはできる。
倉敷博人
東雲アニタのライバルである青年。
政府に雇われている役人でもある。
東雲を打倒するために流那たちと接触して共にクーデターを引き起こし、現在はその立場を奪うことに成功。
さらに、彼女の最高傑作である杏を自身の手中に入れ、根回しを進めたことにより皐月ノ宮を潰す計画も最終段階へと向かうことに成功。自身の手で薫子に挑もうとしている。
大森杏/001
流那の数少ない初期からの友人であり他人思いの常識人。
魔術研究者である東雲アニタに改造されたがために、感情を失ったサイボーグにされてしまっている。
流那らの活躍により東雲の元から奪還されるも、完全に命令にだけ従うロボットになってしまったがために流那はその面倒を見るのに四苦八苦を繰り返すことになってしまう。
左腕が機械になっていて、それを含めて体を自在に銃などの武器に変形させることができる能力を持つ。
現在はその力を研究するため倉敷の研究施設へと運ばれてしまっている。
花笠心愛/ハリー
不良チームの一番下っ端であり流那の1つ上の先輩。チームに入ってから初めて不良になったために必要以上に悪ぶったり先輩風を吹かせたりする一方で、人一倍姉御への忠誠心や仲間、特に流那への思いは強い。
能力は何も持っていないが強い意志を武器に流那を戦いの場に立たせたり姉御の戦いを応援する。 おでこのところに傷があることからハリーポッターになぞらえてハリーというあだ名を持っている。
施設を脱出後は元カレである志太陽と再会。彼と激しい仲たがいを続けるものの、その強い意志を認めて自然と仲間になっていく。
姉御である世古島の不在と流那の危機を察知すると、彼女に代わり自身が指揮者となろうとしていた。
流那を救うため、志太と共に杏に挑むも敗北。その場で命を落とす。
志太陽
地上でずっとハリーの帰りを待っていた元カレ。真面目な性格である一方でオタクや不良のことを少し嫌っている側面がある。
最初は自身の記憶の中にいた元カノが明らかに様子が変わっていたことに戸惑い、元々の姿へと戻そうと悪戦苦闘していた。
しかし、彼女と触れ合ううちにその強い意志に気づき、同調。新たな恋人にもう一度恋をすることを決心。
ハリーが杏に挑む戦いに協力するも、同じく敗北して命を落とす。
シャド
性別、年齢、本名、居住地すべてが不明な配信者。何年も前に診断を受けた障碍者手帳を持つ精神障碍者。
自身と同じ社会的弱者をいじめる物たちに同じ苦しみを与える様子をyoutubeで配信することを生業とし、そこでもらう投げ銭で生計を立てていた。
流那のせいで精神が追い詰められ人生が破壊されたと自称し彼女のことを付け狙う。
流那の人力により一時は和解の道を選びそうになる物の、2人のことを面白がった星田の妨害により失敗。さらに彼女の誘導により見ず知らずの男からレイプを受けて精神が崩壊してしまった。
星田遥/ちゃこ
東雲の研究所から出た流那が入ることになった孤児施設に住んでいた少女。
非常に世渡りが上手く、大人たちの前では優等生をしている一方で、裏であくどいことをする。
ネット上にいる頭の弱い人物たちをおもちゃにして遊ぶことを何よりもの楽しみにしていて、それを活動内容とするグループをSNSで運営している。
社会に合わせることが出来ない弱者たちを心底見下していて、強く自己責任論を信仰する。
シャドと流那の2人のことを面白がってグループの仲間と共にその行動へ遊び半分で参加する。
世古島小虎/姉御
不良チームを率いる頭でありそれに見合った非常に強いプライドとカリスマ性を持っている。
自分を慕う舎弟たちに対して強い信頼を寄せている一方で苦しんでいるときには絶対に見捨てない強い意志も持ち合わせる。
寡黙で普段はあまり話さないが必要な時には流那たちに助言をして導く役もたびたび果たしていた。
変身後は背中に背負ったバックパック型の機械から出たエネルギーを武器に地面すら破壊するこぶしや蹴りを放つ。
第2部ではその存在を一切現さなかった。
北川加奈
不良チームのメンバーであるがあまり姉御への忠誠心は持たない。
元は流那たちからは想像もつかないような場所から来たらしいが、彼女らの戦いぶりに感化されて敵味方問わず戦いを挑む非常に好戦的な性格へと変貌を遂げている。
その性格のせいで手痛い敗北を経験して以降、現在は消息不明。
変身後は自在に鞭を操ることで敵を翻弄することができる。
芦田はかた/マナ
不良チームのメンバー。メンバーではあるものの、不良のような姿はほとんど見せない。
流那やハリーの面倒を見るお姉さんのような人物。
マナという名前は苗字が芦田であることから。
鶴田紬/コアラ
不良チームのメンバー。
漫画のワンピースを愛読し、特にサボが好きであるため、彼の相棒のキャラから取ったコアラという名前がつく。
漫画でのエースの死をきっかけに応急手当へと精通している。
メアリー、セレニア、クラリッサ
かつて流那と同じ学校に通い、同じく日陰者だった友人たち。
現在は喧嘩の末に距離を置いてしまっている。
これまでのあらすじ(第1部の物は第2部冒頭の物を参照)
第2部前編
東雲の施設を脱出後の流那は杏を連れだって倉敷が斡旋した孤児院に住むことになっていたが、そこでは指示に従う以外のことは一切できない杏に手を焼いていたことや、特別な力を持ちながらも何もしないことに不安を感じていた。
そんなある日、元カレの家が身柄を受け取ることとなったことで、同じく居場所を失っていたハリーと再会。それによってまた不良として先輩風を吹かしたい彼女は、スーパーへと万引きを仕掛けようとするも、流那と口論になり失敗。元カレ本人である志太陽が身柄を引き取りに現れた。彼のことを異常に嫌う姿に疑問を感じながらもその場では別れることになった。
一方、youtubeでは正体不明の精神障碍者であるシャドが、同じく社会的弱者をいじめる者を成敗する配信を続けていた。同じ弱者たちから応援され天狗になっている中で、次のターゲットとしてハリーの名前を上げていた。
そして、施設へと戻った流那は、管理人である先生から素行が悪いハリーとの接触禁止令を出されてしまいショックを受けてしまう。そのまま自身の部屋へと戻るも、志太から呼び出しを受け、公園にて自己紹介をされた後にハリーの情報を聞き出される。
それでしょぼくれた流那だったが、彼のことを尾行してその場にやってきていたハリーと再び遭遇。そこで放置されていた自転車を盗んで2人乗りをしたことから、羽目を外す楽しさを互いに再確認。お互いに窮屈な毎日を過ごしながらも2人でいる間は羽を伸ばせるのに気づいた。
しかし、そんな2人の前に突然シャドが現れた。その存在は宣言通りハリーのことを殺そうと襲い掛かるも、ナイフやロケット花火を振り回し、相手のことを一切考えない猛攻を前に苦戦。流那も一般人相手に魔法を使うことに躊躇してしまう事態に。
2人が追い詰められていく中で、途中で探しに来た流那の施設の先生が彼女を保護。しかし、木月流那の名前を聞いたシャドは激昂するのだった。
施設に戻る流那に対して、もうハリーと会わないよう再三注意をされてしまい、さらに置いてきた杏が暴行事件を起こしてしまっていた。その2つで強いストレスを感じている上に、得体のしれない存在に命を狙われている危機感から、杏に強く当たってしまう。
そんな彼女に対して、一度撤退したシャドはまた他人のWi-Fiを盗みながら配信を再開。暗がりの中でしか暮らせない上に転んでも誰からも助けられないひもじい姿をさらしていた。
次の日、落ち込みも相当なところまで来ていた流那は学校をさぼっていた物の、そこへ同じくさぼっていた星田が現れた。同じく施設長に不満を持っていた彼女は、自分のことだけを考えて落ち着いた方がいいとアドバイスするも、流那は手に負えなくなっている杏を見捨てることだと勘違いして激昂。そのまま追い帰すことになる。しかし、以前共に協力した倉敷の部下の女性と再会した際にも同じことを言われた彼女は、杏を自身の元から手放そうと考えてしまう。
しかし、そんな中で自身の部屋へと不法侵入していたシャドと再会。自身を破滅させておきながら学校に普通に通っている流那に怒りをあらわにする相手に困惑するも、施設長はそれを野放しにしたこと、自分の力で杏を守ることが出来ることを証明したいことから、自身の手でシャドを倒さなければと確信。協力を申し出てきた星田が、障碍者をいじめるクズであることを知りながらその手を取ることになった。
第2部中編
流那と会えずにいたハリーは相当にやさぐれてしまっていた。そんな中でまた憂さ晴らしもかねてコンビニで万引きをしようとするも、それを志太に邪魔されてしまう。一番の目の上のたん瘤である彼に怒りをぶちまけつつ、こんな時に頼れる姉御の存在がないことを改めて確認。そこから、自身が姉御のような存在になることを決意した。
それに対して、流那と星田はシャドを倒すため、なぜ恨みを持っているのか確認するために流那の過去を探ろうとする。その手掛かりとなる卒業アルバムを手に入れようとするも、母親は新しい赤ちゃんに、かつての親友であるメアリーは恋人と、それぞれ新しい物に夢中になっている2人の様子につらい思いを感じるだけであった。
帰宅した流那の前に、以前不法侵入していたシャドが仕掛けた罠である、生きた虫が襲い掛かる。それに精神的強いショックを受けると共に、そんなことを素手でやってしまう相手を間違いなく障碍者だと確信した流那は倫理観から手を引こうとするも、相手のことを人間だと思っていない星田はそれを強く突き放した。
一方、その頃、流那に罠を仕掛ける動画を見た志太は、ハリーが彼女へと強い信頼を寄せていることを知っていることからシャドの討伐を決心。嫌われていることを確信しながらも勇気を出してハリーにも協力を求めたところ、過去にこだわっていることを嫌っていただけなことや、流那の姉御として彼女を守りたいハリーは現実との戦いに乗りに気になる。
2人の挑戦を受けることになったシャドはただ1人でさみしく公園で必死にWi-Fiを拾おうとしていたところを邪魔されてしまい、スマホの画面を割ってしまっていた。
シャドとの決戦を控えたハリーは流那が精神的に参ってしまっている様子を早々にキャッチし、彼女と再び遭遇。その際、言いづらいと思いながらも、大切な後輩を守るため、杏はもう元の杏とは別人であることを告げる。しかし、当然それを受け入れられない流那は激怒し、取っ組み合いの喧嘩になってしまう。最初は、人間としての力では圧倒的に勝るハリーが優勢であったが、流那が杏に協力を求めたタイミングで形成は一気に逆転。力を制御できない杏に一方的な勝負をされてしまい、命の危機になってしまった。
親友を傷つけてしまったショックから再び孤独になってしまう流那であったが、シャドのTwitterを発見したことから、その内容を読み、彼女もわずかな希望を胸に勇気を振り絞って戦っていることを知り、自身との共通点を発見。和解の道がある可能性を考えた。
それも功を奏し、ハリーらとは違い、因縁の始まりの場所をかつて流那自身が通っていた小学校だと特定した彼女は、見事シャドと遭遇。再び戦いが始まる。その末に、何とか和解の糸口を発見するも、星田に邪魔をされてしまうせいで失敗。シャドが孤独なのに対して、彼女の周りにはたくさんの仲間がいるという圧倒的格差を見せつけることになってしまった。
さらに、2人と別れた後も星田は次の作戦のステップを始めようと画策していた。
第2部後編
シャドと流那が学校で戦うことになった一方で、ハリーと志太の2人は最初に遭遇した川辺で敵の到着を待っていた物の、もうすでに決着が付いていたことを騒動の記事をアップしたまとめサイトで知ることになる。それを見た彼女は、もう1つの流那のたん瘤である杏を倒すことを決意。ただ1人決戦の準備を始める。志太もその作戦に参加しようとするも、拒否されてしまった。しかし、今までずっと思い描いていた元カノでない今のハリーも一緒にいて楽しいと気づいた彼は、今のハリーを受け入れることを決意することで、共に戦うことを決めたのだった。
それに対して、施設を追い出されていた流那は倉敷の部下の女性と共にその研究施設へとやってきていた。しかし、シャドとの和解に失敗したことで杏を守ることにしか自身の価値を見出せなくなった彼女は、一方的にその間を断ち切られたことに激怒。魔力で無理やり奪い返すことになってしまうも、それでほとんどの力を使い果たしてしまった。
何とか杏を取り戻した流那はボロボロの体を鞭うつようにしながら逃げ惑うも、魔力を開放した際にビルが破壊されてしまったことが世間を騒がすニュースになっていることと、シャドがその犯人だと疑われていることを知ったことでより焦りを覚えることになるも、もはや彼女の心身は限界を迎えつつあった。
一方で、シャド本人は配信もできないまま夜の街をさまよい、あまりのひもじさで支払いを考えずに漫画喫茶へと入ってしまい、配信の視聴者に投げ銭を懇願。温かい激励を受けてお金を何とか手に入れるも、社会的弱者たちを数多く背負っていることを再確認したことで流那打倒から引き下がることはできなくなってしまう。
シャドに無実の罪をかけるわけにはいかないという気持ちと、心身どちらもの荒廃で自暴自棄になった流那は交番で自身の罪を自供することにしていた。しかし、話をしている途中に意識を失ってしまう。ただ、そこで警察の男性から優しく介抱されたことから、数日ぶりの安らぎを経たことにより、今までの激しい倫理観との戦いに疑問を持ってしまうのだった。
ただ、その安らぎは警察の元へと爆弾魔が現れた通報が入ったことで終わりを告げる。このままシャドを見捨てるわけにはいかないと1人で戦いに向かうも、途中で拾おうと思っていた杏が見当たらなくなってしまった。
その頃、ハリーと志太は杏を倒すための準備を終え、SNSを頼りにその姿を探していた。2人は互いに世古島と昔のハリーを未だ離したつもりでも離しきれない気持ちに互いを強く励まし合うも、ついにその時がやってくる。2人の決死の作戦で杏を爆破させることに成功するも、仕留めるには至らず敗北。そのままどちらも命を落とすことになった。
そんなことを一切知らない流那は、爆発犯がいる現場にやってくるも、それも星田の罠であったことを知る。それにまんまとハマってしまった彼女は、無事警察のお縄となってしまった。パトカーで運ばれる彼女は、これで世から離れることになり、ある種安心を覚えていた物の、そこへとかつて東雲に働かされていたアンドロイドの少女、一六が現れ、シャドも同じく星田の罠にかかり見知らぬ男からレイプを受けてしまったことを知り、すぐに飛び出す。
駅でシャドとまた再開した流那は、絶望の淵にいる相手のことを何とかしないとと思うも、たくさんの弱者の期待を背負うシャドは負けることが許されないため、流那に何度も必死に襲い掛かり続ける。自分は何度も救おうとしているのに聞かずに無意味な攻撃を繰り返す相手の様子を見て不毛な気持になる流那は、その後線路に落ちて気絶したのを救出するべきか迷いが生じてしまう。自身の正義感で何とか相手のことを救出した流那は、怪我をしているシャドを助けるよう辺りの人に求めるも、誰一人助けようとしないことに絶望するのだった。
そして、そんな流那の前には、かつての強敵東雲アニタが現れるのであった。
明日から第2部開始です。
そっちもよろしくお願いします。




