第147話
さっき何度も登りながら体の向きを変えるのを繰り返され続けていた階段をただただ一歩ずつ歩かされている間、私の背中は両側から手を出されて支えられるようになっているせいでとても普通の力だけじゃ何にもならなそうだった。私の後に続いて数人の警察が歩いているのを確かに感じるけど、でも、それでも自分の口が床の階段を叩き続ける音は確かに聞こえ続けていて。それを感じている間、顔を横へと向けながらわずかに下の方を見てゆっくりと、さっきの半分にもならないペースで進み始めてることしか出来ない。
それから、私はうさ耳パーカーのフードもかぶれないままに建物の外になる冷たい空気の中に放り出されるけど、でも、辺りには警察が野次馬を制御しているのとそれらが出している声しか聞こえなくて。それに対して私は一瞬だけ顔を上げることしか出来ずにすぐにまたデコボコとしてるもののアスファルトにできたわずかな隙間の方はほとんど見えてない道路へと目線を落とすことにした。
そのままの勢いで車の上に乗せられたら、真っ黒なシートの上に私の両方の足がほぼほぼ直角に立ったはずなのに膝が上へと持ち上がらない様子をじっと見ることになるし、その先になる太ももへとかかってるスカートの上に手錠をしたままにしてる両方の手を乗っけたままにしてる。
一方でパトカーは私の背中がその勢いでわずかに揺れるのすら一切お構いなしに発進しだして。それに対して一度揺れて体を前に出すようにしていたけれど、それが治まった後はもうただただ首だけを曲げるままにして私はずっと同じ体勢のまま両手と両足の方だけをただただひたすら見るみたいに。
パトカーが止まると、辺りは赤信号の色の灯りに染まりあがるし、窓の向こうでは横断歩道の所色んな人たちが行ったり来たりを繰り返しながら歩いているのが聞こえている一方で、それは普通に歩いてるのとほとんど変わらないペースのままで、それが遅くなったり早くなったりすることは全くないまま。その様子を私はずっとただただ同じ姿勢のままいることになった。
しかし、私の視界の中が青く染まっていることに気づいても、車がいつになっても進まない瞬間があって、それのせいで口を強く紡いだままでいようとしている私に対して、顔を上へと上げようとするものの、それで気づいたのは、私のうさ耳パーカーや警察の人の様子はすべて信号の色に染まっているのに対して、私の顔はルームミラーに映ってる様子ではそうなっていない。
ただ、正面から高い小さな音がずっとなり続いてる音がするのを、車のエンジンが止まったタイミングで気づいてそっちを見るようにしていると、四つの羽をずっと回し続けて、赤いレーザーポインターを飛ばしているドローンがまっすぐにただただ飛んでいる様子をこっちに見せ続けているのに気づく。
それをわずかな息と共に見続けると標準が私の顔にあい、その瞬間息をわずかに吸い込むけど、いち早く向こうが下側のハッチから小型のガトリング銃を取り出して、そこが回転するのと一緒にまばゆい光と無数の弾、そして異常なほどに大きな音をこっちに向けて乱射されてた。
でも、こっちは目を開けてわずかな息を吸い込むことしか出来なくて。それに対して向こうはいつまでもただただ私の左右へと弾丸を大きな音や光と共にずっと放ち続けてて。私は両方の口を強く閉じたままじっと見つめてるけど、次から次へとガラスが吹き飛ばされ、外側へと破片が飛び散り続けているのをただただ見ているだけにしてるのに、車はずっと上下に激しく揺れっぱなしで。
いつの間にか小さく口を開けながらその光景を眺めるままにしてたけど、それに対してドローンはただただひたすらにその位置を横へと逸らしながらいて、車のボディをへこませるだけでなく、貫通させるにまで至っていた。
銃弾の雨がようやく止まりを見せたころ、それでもわずかに回転していたのか、ガトリングがその様子を見せていて、こっちはまっすぐ前に来る位置で飛んでいるのを見ることになる。一方で、私の左右の斜め前に座ってた警察たちは血を後ろ側のシートのこっちの体がない場所へと吹き飛ばしていて、それだけでなく何のものかわからない内臓の姿までそれに引っ張られるようにふきとばされているし、それが今もぐちゃぐちゃした音を立て続けていた。
鼻からだけじゃなくて口からもほんの少しだけ息を吸ったり吐いたりを繰り返している間、私は自分の股のところに両方の手を当てるみたいにしているまま膝も押し付け合うような形にしているのに対して、近くで地面に高い音がしたのに気づくと、一度喉を飲み込むような動きを嫌でもさせられる。そのまま両方の腕を自分の力で体を締め付けるようにしたままにしていると、息もできずにその場でずっと体を小さくするままにしている。
しかし、そのままでいる私に対してそっち側にあったドアはすぐに吹き飛ばされてどこかに投げられると共に落っこちる音がほんの小さくだけ聞こえてた。
「001はどうした?」
ほんの少しだけ目を開けたままにしている私に対して、以前東雲の実験施設で妹が殺された後に出てきた召使いの少女は、施設にいた時とほとんど変わらないままの声を出してて。外にあるお店だったりが放ってる光の影をこっちの足元や太ももにも作るような位置にいる。
一方で目を強く閉じるような体勢でしか入れなくて、そのまま口を強く紡いでいるのに対して、召使は私の肩をそっちへと強く引っ張るようにすることで体を血の海の片方へと無理やり落っことさせた。
そしたら、向こうの、あの時死んだ妹を自称する女の子と髪の色や形、目を含める顔のパーツすべてが全く一緒な様子を私に見せてきてた。音を立てて息を吸い込みながらいるけれど、それに対して向こうは相変わらずのほとんど表情を変えないまま。
「お前……」
ほんの少しだけ出すような声と共に、召使いの様子をじっと見つめているまま口から何も意識しなくても息が行ったり来たりを繰り返しているのを感じている間、相手のことを見つめているように。
しかし、今の寝転がっている体勢のままいると、手首に手錠の尖った内側が私の体に突き刺さって。小さな声を上げながら目を閉じないまでも、そのあたりに強いしわを作るようにしていた。
一方で向こうは靴を強く踏みしめてるのかそっちから小さなガラスを踏みしめて押しつぶしている音を立てていて。それに対して私は手錠が付いたままになってる手をシートに付くと、それと共に血や細かく破壊されてる肉体がぐちゃりと音を立てる。しかし、それは自分の体を起こして、シートの背もたれへと体を伸ばすまま乗っけて、また上へと顔を向ける形で目を細くしている間も一切変わらない。
「このまま刑務所に行かれたらお姉さまが困る。あいつの居場所を教えろ」
首を上へと曲げるままこっちを見下ろしている召使の様子を見ていると、その顔はどちらかというと空の方を向いているはずなのに、影の色に染まりきっている様子を見ていると、目線を勝手に横へと逸らしたくなってしまう。
両方の手を握る形で自分の太ももに押し付けるみたいな体勢をしてるのに対して、東雲の召使いは「早くしろ」と言いながらも制服姿のままただただ風でわずかにそのスカートと髪の毛を揺らしている姿を一身に見せているかのようで。ただただその場でじっとしているのを空気の動きで感じてるけど、それに気づいた途端すぐにその感覚を遮断。体に出来るだけ力を入れないままに。
「それが、私にもわからなくて……」
私がそっちの方から視線を逸らすと、自然とまた両方の腕がある方に向かうけど、その瞬間、近くにいたドローンがその回転させているファンを一気に近づけてその鎖を切っていた。それでそこにあったそれが高い音を立てるも、一方で私の腕が一切動くことはない。
「あいつがまた騒動を起こしてる。それを止めたらすぐにまたお姉さまの元に戻る」
その声と共に体を翻すままにしている召使いの足跡が聞こえ始めたのに気づいて、数秒経ってから上瞼を伏せがちにしてそっちの方を見る。しかし、そっちはわずかに顔を前のめりにするみたいにしたままそっちへとまっすぐに進んでいて。
向こうに様子をわずかな声を出すまま見ている私は顔を上へと向けるままにしているのに対して口をわずかに開けたままにしてる。そのままでいるままに相手のことをじっと見ていようとしたいけれど、パトカーのフレームだった残骸が残っているせいでその様子を見ることが出来ないままになっていた。
「行くなら、1人で行け……」
上半身はそっち側に向けたまま両方の手を自分の前で伸ばす体勢で顔を横へと向けるまま斜め下を見ているけれど、そっち側には足置きマットの上に残骸からこぼれている細かい砂が並んでいるだけで。でも、それの上に乗っかっている足を動かすことはほとんど出来ない。
ただ、先に行くことでその足元すらも私からは見えなくなっている召使いの音は確かに聞こえていたと思った次の瞬間それが止まって。それでそっちに向けて両方の腕を立てながら体を前のめりにしてそっちの様子を見るみたいにするけれど、それに対して向こうは少しだけいつものまっすぐにしている顔と平行にする感じでスマホを合わせてるせいか、そこを見ている目線を垂らすままにしているのを一切変えずにいて。それからそれの電源を親指だけを動かすことで切ると、すぐに視線を私の方へと向ける。
「001の居場所が分かった」
両方の足をさっきよりも素早く動かす早歩きのような形で歩いてくるその姿に対して目を開けたまま同じ姿勢をしている私。一方で、またパトカーの残骸の所にやって来た向こうは、こっちの手のすぐそばに手をついてからもう片方に持ったスマホを地面と平行になるような感じで私に差し出してきてた。
縦に長い様子全体に白い背景を映している1つのツイートを表示している状態の中に、「今日連続で事件起きすぎじゃない?」の文字がただただ表示されていて。それの動画のサムネは倉敷さんの部下の女性と会った施設の砂煙が上がっている中に私の紫色の光が映っている様子が見えていた。




