第146話
星田さんは今も自分の指先で手悪さするみたいに左手の親指と人差し指をこすり合わせるままにしてる様子を私に対して一切隠さないままでいて。その一方でそれで出てるはずの音は私の方には聞こえてこない。
そう思った矢先、そっちは自分の足を一切膝を曲げずに弧を描くような軌道で持ち上げてからそれを前に進めるようにしていて。それをまた逆の足でも同じようにしてたら、そのどっちのタイミングでも足音を鳴らしているようだった。そんな光景を顔は最初にいた位置にしたまま目線だけで追ってる私はだんだんと見える範囲が狭くなっていって。気づけば音とわずかな空気が動くことで感じる気配の動きでしかそれを認知できなくなるけど、それに対してこっちはただただ目線を正面に戻しながら顔の向きを下に向けるままにしながら両方の手を握り締めてる。
その体勢でいると、なんだか肩が小刻みに震える感覚を確かに味わうことになるし、顔の向きも横に向けて目を閉じてるけど、それは向こうが今私の周りを歩くようにしているのとは真逆の方向で。そっちが立ててる音で私の周りを歩いてるのが終わって最初にいたパイプ椅子の方へと戻るみたいにしてるのが分かったあたりで視線を元に戻す。
顎を進行方向へと向けるようにしながら右側の目を垂らすように瞳孔を動かしながらこっちを見てきている姿と視線を合わせることになって。私は両方の肩を落っことすままにじっとそっちの様子を見つめるみたいに。
しかし、向こうはこっちの様子を一切気にしないみたいに進めてる足と顔を同じ向きに戻してて。それから再び私の方を見てきたのは座り込む直前で、そのタイミングに体を回しながら鼻からわずかな息を吐く音をこっちにも聞こえさせてきてた。
また右手に持ってた手にあるスマホへと目線を向けるけど、そこで数回親指で操作してる間も、シャドが語尾を持ち上げる感じで話している声がわずかに音割れしながら入ってきてるのをこっちでも感じさせられる。でも、私はそっちに向けて体を前のめりにする前に一度息を吸い込みながら体をほんの少しだけ反るみたいな感じになってしまっているのを一切遠慮しないままに。
それから、星田さんがいる方へと向けて歩き出そうとしたけど、それに対して向こうが近くにあった石を蹴飛ばすみたいにすることでその勢いで落っことしてた視線を上に持ち上げる。向こうは組んだ足の上に自分の両方の前腕を重ねる状態で、体を前のめりにしてた。
「あのさ、正義面してるけど、変なこだわりを持ってて周りに合わせられないあんたの方がよっぽど世間的には邪魔なんだよね、世の中はお前みたいな空気読めないやつが必要ないの」
最初は一文字一文字を強調するように話し始めた星田さんは、最初は体を前のめりにするみたいにしてるけれど、言葉が進んで行くうちに手の重ねてる位置を手のひらだけにして両方の指同士を絡めるみたいにしながら話してて。途中まではまたゆっくりなペースになってたと思ったのに、気づけばまた体を前のめりにしながら少し早めになってて。
でも、そんな声を聞いてたら歯を強く噛みしめながら眉をぐっと自分の側に近づけるままにしてて。力がこもったことに気づいたタイミングではもう私の背中側を覆ってるうさ耳フードのマントが一気に辺りの空気と一緒に持ち上がって、周囲に雷の音が何度も感じたまま顔を下げた状態から少しだけ持ち上げて目線をそっちに向ける。
目だけをそっちに向けたままにしてるけど、それに対して向こうは鼻から一瞬だけ息を吐きながら肩を持ち上げるままにしていて。組んでる両手の膝に自分の両手を当ててからそれを持ち上げて自分の側に持っていくと、唇を横に向けながら一度お尻を使って体を持ち上げて足を数歩歩くようにしていた。
さらに、私に近づくまま両方の手を広げながらいると、口の右側を持ち上げる。
「やりたきゃやれよ」
その声は息をわずかに出すような感じでいて。それのせいでこっちの体の周りをずっとはじけ続けている電気の音にすらも反応するような形になっていて。それ以外に聞こえてるのは置いてあるスマホから聞こえるシャドのわずかな声だけだった。
自分の周りに電気を貯め続けているこっちに対して、向こうはもう一度腕を広げる動作をしてからそれを戻す。喉を小さく音を鳴らすままにしているのに対して、一度両方の手を頭に押し付けて指を強く上へと持っていくけれど、それに対してそこの腹がそれと並行になるように力を込めている間も喉が痛くなりそうなくらいそこから勢いよく言葉を発して。それから背中を曲げたままにして大声を出す。
さらに、両方の足を曲げてそこにしゃがみこむと、肘を曲げたままにしているせいで自身の体が相当に小さくなっているのを感じるし、それと共に辺りに渦巻いていた電気の力が一切抜けないままになっているのをずっと感じてた。
一方で、星田さんの方はちょっとした声と一緒にジャンプして地面の上を歩いていくと、スマホを地面の上にスライドさせながら取ってる音を立ててて。そのまま私の横を歩いて行きながらまた小さく一瞬だけ笑う声を出してた。
「私は別に、何も悪いことなんてしてないじゃん、でしょ?」
ずっと私が膝を曲げたままそれを床に付けてる間、そこはジャンヌオルタのドレスから出てたせいもあって細かい砂利がこすれる感覚を味わうし、そのままいるとその小さいのが自分の肌に突き刺さるのを確かに感じてしまっていて。おでこを正面に持ってくるような体勢になってしまうし、喉を強く締め付けるまま、自分の肘を自身の左右にくっつけるような体勢になって喉を締め付ける。
さらに、親指と人差し指の間からほんの少しだけ見えてる相手の様子をほんのわずかに見るみたいな体勢でじっと星田さんのほうを見てるけど、そっちはもう仕切り同士の間を一度足をそこに入れてから飛び上がる感じでそれの向こう側に行ってるのが見えると、私ももう一度自分の側に肘を強く押し込むようにして歯を噛みしめてそれから一気に体の向きを変えながらそっちに向けて足と両手を飛ばすようにして飛び出した。
「こっちです! 助けて! こいつです! こいつが爆弾魔です! お願いします! 助けてください!」
その声が聞こえたのは、私がそいつにとびかかるよりも早くて。でも、もうこっちの動きは全然止められないし、その瞬間に周囲を渦巻いてた電撃の力も一瞬で抜いて、衣装もいつものの様子に戻すけれど、その途端に一気に警察の人達が階段を上ってきてる音が聞こえて。
こんな状況にも関わらず私はもう両方の腕がまっすぐに相手のところへと一直線に伸びて行ってるのをとても止められなくて。さらに、向こうが全く動かないせいでそのまま私が馬乗りになってそっちを押し倒すことになってしまったし、その途端にドアをけ破ったままに入ってくる警察の人たちが持ってる光に私の体が照らされて。気づけば辺り一面に囲まれてしまっていた。
両方の二の腕を肩と平行にするみたいにしたまままっすぐに顔を下へと向けて、口を閉じるほかない私は、目を少しずつ落っことすことしかできなくて。足元にいるそいつが顔を横に向けながらもそっちにある目は確かにこっちを見てるし、口元も横へと広げるようにしているのがしっかりとわかった。
相手としばらく目を合わせたままにしてたけど、そのまま限界まで顔にしわを作るようにしながらいたら、いつの間にか私に向けて無数の足音が聞こえていたのに気づいて。それに対して何もせず、手を下へと引っ張られた後に手錠がかけられた高い音が部屋中に響き渡るくらいの勢いで聞こえてきたと思ったし、それがずっと私の中で聞こえてる間、ただただずっと繰り返され続けていた。
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