表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lunatic  作者: コンテナ店子
第二部後編
144/216

第144話

 警察のおじさんがこっちを置いて先に行ったのを見てから数分間、私はただただ下を向いてずっと口を閉じたままそっちの様子をじっと見るようにしていたけれど、すぐに両方の手をおでこに指をあてるような形にすることで深呼吸をして。それから口を閉じながら前を見る。唇同士をくっつけてから前へと行こうとするけど、顔を少しだけ横に貼られているポスターの様子を見る。


 そっちには、詐欺に注意することを喚起するようなおばあさんと黒ずくめの男が電話しているマークと、警察がそれを止めようとしている物や、押し売りに注意を促すもの、警察は黙って電話をしてこないことを注意喚起している物などがあって。それを下唇に力を入れて両方の手を握り締めるような体勢で両方の脇を締め付けるままにしている。


 でも、私が呼吸をしないでただただまっすぐにそっちの様子を見つめている間、周囲からは冷蔵庫が低い音を立てているの以外に感じる音はない。外からも車が行き来しているはずだけど、その音は何も聞こえないし、ライトがこっちに入り込んでくることもない。この部屋をただただ照らし続けてる灯りの色は一切変わることはなくて、掲示板の縁取りになってる銀色の部分に反射して私の体の色が見えているのは隠そうとしなかった。




 足を出来るだけまっすぐにしたまま歩いて行く私は、外へと進んで行く硬い感覚を味わう間も、ローファーを介してタイル同士を仕切っている間の隙間を感じている。それから、空に浮かんでいる雲で覆われている姿を斜め上へと向けていると、周囲では道路を走っている車の様子を見つめている間はそれで起こる風をただただ感じることになって、目を強く力を込めて開けているままにしていて。一度空気を飲み込んでから足を強く曲げて一気に飛び上がる。


 自分の体に電気をまといながら飛び出したままに一気に進んでいる間、空気が私の体に摩擦になって擦られるのを強く感じて目をそらしそうになるけど、大きく上へと伸びているビルたちを乗り越えるような高さになったタイミングでそっちに飛び降りたらその屋上部分を走って行く。それからそれの端まで走って、反対側にあるのまで飛び移って行ったら、そっちの壁側に両方の足と手を突きながら滑るような勢いで落っこちて行くと、一気にそこに砂煙が起きると共に火花が散り始めるも、すぐに触れてる足と左手に魔法陣を作りだすことでそれを減らして。地面からほんの数メートルのところまで来たところで地面に飛び降りることでふわりと持ち上がってたうさ耳パーカーも自分の体の所に戻ってきた。


「杏……?」


 今まで滑ってた勢いを少しずつ遅くするためにだんだんゆっくりにする進み方をしているのに対して、辺りではこっちを見てきてる人はいる物の、ほとんどはただただ左右へと進んで行っている様子をそのままにしている。


 一方で私は細くてほとんど道になってないお店同士の間を見つめるようにしているも、そこには何もなくて。顔の向きを微妙に傾けている間感じられるのはパチンコ屋がやかましい音を立てているだけだった。


 そして、私はじっとそっちを見つめている間も、細い道を通って向こう側が街灯やお店の光に照らされているせいで、通行人たちが暗い影に包まれている様子が一瞬にだけ見えるのを幾度も繰り返すことになるけども、そこから視線を逸らすようにそれを下へと向けると、私の足の少し先にあった水溜まりに自分の顔が映っているのに気づいて。息を吸い込むままに目を大きくすると、そっちも同じようにしている。


 黒い中で私の顔だけはうっすらと映り続けているそれをしばらく見ていたけれど、波も全くない様子のままであって。近くからはずっとパチンコ屋の音が聞こえたままになっていた。それから、体を起こして左右を振り返るようにしながら何度も様々な方向へと足を進めながら杏の名前を呼び続けるも、それに対してどこからも返事が返ってくることもなくて。しばらく小刻みに動かし続けていた足を結局止めることしか出来ない。


 歩き続けていたのを辞めたら、口からわずかな呼吸を繰り返している間に、目線を左右に動かすのを繰り返しているけれど、辺りの人たちがこっちを見てきながら歩いている上、私の1メートルにも満たないようなところでこっちから距離を離すように進む軌道を斜めに動かしているのが見えている後、多くの人たちが視線をこっちへと向けるようにしているのに気づいて。それから体を前のめりにするような形で小刻みに体を動かすことで走っていくことになった。


 でも、最初にあった、人が通れそうな角のところに入って行こうとしたけど、その勢いがあまりにも早すぎるせいで足が地面と触れている位置が少なくなったのに気づく。それと共に、体が肩の方から傾いたのを感じたら、そのまま脇の方から落っこちて、肘をぶつけた後にそこへと頭が落っこちて。その体勢のままただただ唇を締め付けるような体勢でまっすぐ道の先を見るけど、そっち側にはただただ店の入り口があるだけの袋小路になっていた。


 しかし、周囲からは人が歩いている足音が聞こえている他、ラーメン屋から湯気があふれている様子や小麦のにおいが漂っている様子があり、それに何度も私はむせ返ってしまったので、体を起こしてまた走り始めた。




 Twitterを頼りにして探し出した場所のすぐそばに来るも、そっちでは無数のパトカーが止まっている様子があって、そのいくつものランプがついたままになっているせいで、それが眩しくて目の前に腕を持ってくるようにしているままに、瞼を少しだけ下げる。しかし、それに対し光がなくなるタイミングは一切なくて、こっちの体はずっと赤くなってしまっている。


 しかし、そんな中でテープで作られたバリケードの前には警察が両方の手を広げながら人がこれ以上近づけないようにしている一方で、そっちにいる人たちはみんながみんなスマホを持った手を持ち上げながら、警察たちがシールドを前にしながら近づかずにいる様子を見ながらいる方へと向けるようにしていて。


 その画面にはそっちの様子がずっと映ったままになっているし、それ以外の人たちも友達とツイッターやインスタのタイムラインを見ながら通知のことをきゃあきゃあ言い続けている。そんな光景を、ようやく目を周囲の灯りに慣らした辺りで少しずつ見ていくものの、いつの間にか体から力が抜けた状態で周囲の様子を見ることになって。


 小さく力を抜いたままに辺りを見渡すように顔を左右へと振っている間、息もできずにただただその女性や男性たち、子供や大人までいる様子を見ていることしか出来なかった。


 それから、私は口を一度紡ぎながら顔を下へと向けて両方の手に力を込めながら足を曲げることで背を低くしながら自分の肩幅に開いた足同士を結ぶ線を直径にした魔法陣を作ると、そこから渦を描くような形で電気を浮かばせて。それによって自分の体に他の光が入ってこないのを感じる。


 でも、それに対して、辺りから聞こえて来る周囲の人たちが騒いでいる声は聞こえるのが一切止まりそうになくて。でも、自分の体の中にこもる熱気を感じたままに目を閉じてから体を一気に上へと持ち上げて、また弧を描くような軌道で飛び上がると、野次馬たちやパトカーの上を飛んでいき、それから両方の足と片手の三転着地をしながら、下に向いてた体を数秒間そのままにした後に正面へと向ける。


 それに合わせて足も起こした私はわずかに息を吸ったり吐いたりを繰り返してる間、警察の人が何か音を立てるようにしてるし、拡声器でこっちに何かを言っている気がしたけど、それを聞いた途端すぐに口を閉じながら頬を膨らませることでうさ耳パーカーとその中に着てる制服を戦闘スタイルのジャンヌオルタのドレスとフード付きのマントに変化。星のボタンがくっついたタイミングで自分の体にマントが落っこちてくるタイミングで立ち上がった。


「シャド! 私だ! 木月流那だ!」


 両方の手でマントを広げながら吸った息を吐き出す勢いで大きな声を出しているのに対して、目の前にあるビルの階段が見えている様子に変化は一切ない。しかし、目の前に見えている電気が付いていなくて、コンクリートの外壁を全体であらわにしながらも、それのほとんどを暗がりと溶け合わせている階段の中をわずかに反響しているのがほとんど意味のない言葉のままに出ていくのを数秒感じっとする体勢で感じるけど、それ以外には何もしない。


 それから走りだそうとしたら、すぐに後ろから銃が発射される音がしたのに気づいて。進もうとしてる体制のまま一旦地面に付いた方の足を回転させながら振り返り、それと同時に一度合わせた両方の手をそれぞれの方向へと伸ばすことでそこに電撃の太い縄を作り出すと、それを放つことで飛んできた球をとらえて。それから自分の右手を相手に向けたまま先端だけを回すことでその鞭を空中で向きを変えさせて。それから相手の持っているシールドへと放り投げさせることにより、その勢いで横転させた。


 その間も、空中を滑るようにしていたこともあって、すぐに建物中へ入ったことですぐに視界の中が一気に暗くなる。それに気づいたタイミングで体の向きを進行方向に戻したら、魔法で滑るのではなく足を小さく進めるような形で両方の腕を斜め横へと伸ばすまま手のひらを地面と平行に。さらに、小刻みに足を進めて階段の所まで進んで行った。


「私たちはわかり合えるはずだろ!」


 最初の一段目に足を付けたまま首を上へと向けて息を大きく吐き出しながら喉を使ってそっちに大きな叫びを出すけど、それに対してそっちでは何も音がしなくて。古くなった木でできた手すりとコンクリートで出来上がった急こう配気味の階段が短い段だけですぐに踊り場に到達するほどの高さになってしまっているほどに、狭い範囲で行ったり来たりを繰り返している様子が目に映るし、それのせいで喉を締め付けるままただただ下の歯を上へとくっつけるみたいにすることになる。


 そのままただただ上を見続けているだけなのに、階段の裏側とほんのわずかに見えているその上側の様子が回転していそうな気すらもしてきて。でも、ほんの少ししか開いてないその隙間はとても人が通れそうなほどのものではないせいで私は階段を1段ずつ登っていくことしか出来ないから、その間をわずかな息を吸ったり吐いたりを繰り返しながら登っていくことになった。

読了ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ